ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

2週目で唯一の200km超ステージはまた、3週目の勝負地、スペイン北部への移動開始を告げるステージでもある。ここから3日間かけて、プロトンはじわじわと北上を続ける。

アンダルシア特有の白壁の家並みと、村の背後に聳える小高い丘とその古城。そんな魅力たっぷりのベルメスから始まる長い1日。行く手に等級の付く山岳は一切存在しないため、雄大な自然を楽しむ1日にもなりそうだ。ステージ序盤にはグアディアト自然特別保護区を横切り、中盤にはスペイン最大級のラ・セレナ貯水池を堪能する。

ちなみにラ・セレナといえば羊のチーズとメリノウールとで有名で、つまり羊の群れにもたくさん遭遇するに違いない。

最終盤はビリャヌエバ・デ・ラ・セレナを起点に、約25kmの輪を描く。残り11kmでは、翌日のスタート地ドン・ベニトに顔を出しつつ、当地で中間ポイントも争う。つまりポイント賞ジャージを争うスプリンターたちは、長距離ステージの最後の最後に2度、全力疾走をしなくてはならない。

文：宮本あさか