ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

今からちょうど800年前に建立が始まったブルゴス大聖堂にて、第76回ブエルタ・ア・エスパーニャが幕を明ける。しかもおそらくグランツール初！全23チーム・184選手は、ゴシック様式の傑作の扉の内側から、1人ずつ個人タイムトライアルへと走り出していく。

ユネスコ世界遺産を起点とする全長7.1kmのコースは、4つのパートに分けられる。まず序盤2.5kmは上り基調。しかも大会最初の山岳「青玉」ジャージを懸けた3級アルト・デル・カスティーヨの坂道には、古都ブルゴスのクラシカルな敷石や玉石が繰り返し登場する！

2.5km地点から約1kmはだらだらとしたダウンヒル。下りの勢いのついたまま直角コーナーを曲がると、続く約2.5kmはスピードの出る平坦路だ。ただ大部分は道幅も広く舗装状態も良い一方で、いくつものカーブをこなす必要あり。

最終1km、再び戦いの舞台は、悠久の歴史を感じさせる旧市街へと立ち返る。細い裏道と石畳を抜けて、ブルゴス大聖堂脇でフィニッシュ。上り、下り、パワーとテクニックのすべてを要する約8分間の全力疾走で、2021年大会最初のリーダージャージ「マイヨ・ロホ」が決まる。

文：宮本あさか