コースの特徴
新型コロナウイルスに翻弄され、通常より2カ月後ろにずれ込んだブエルタにとって、マドリード到着前夜の総合決戦。マイヨ・ロホの行方が、「立冬」のこの日、標高1965mの山の上で確定する。
最後の最後にクイーンステージ級の難関コースが用意された。全長178.2kmのステージには6つの山岳(3級×3、2級×1、1級×1、超級×1)が立ちはだかり、累計獲得標高は4138m。締めくくりの山岳ポイント収集にはもってこいだし、つまり総合順位をひっくり返したい野心家にとっても、チャンスはいまだ皆無ではない。
ステージ序盤の難所は1級ポルティヨ・デ・ラス・バツエカス峠(平均勾配6.5%、最大7.5%)。人里離れた山奥にある同峠への登坂距離は、正式には10.1kmだが、実質は約20km上った先。この山道で逃げ集団とグルペットが形成されるに違いない。
中盤には2つの3級峠を含むいくつもの起伏が待ち受ける。終盤突入前には中間ポイントも組み込まれているから、バルベルデ、フルーム、ログリッチ……とおそろいの緑ジャージで最終表彰台に上りたい選手は、最後にもうひとダッシュするべきだ。
そしていよいよステージの終盤50kmへ。3つの峠が詰め込まれ、しかも3級→2級→超級と難度は増していく。つまり2018年に最終峠ラ・コバティーリャが登場した時とは、状況はまるで違うのだ。2年前は100kmほど平地が続いた果てに突如としてそびえ立つ超級峠であり、逃げ切り勝利が決まった背後で、総合勢はラスト1.5kmまで大きな動きは見せなかった。
その超級コバティーリャ峠は登坂距離11.4km、平均勾配は7.1%。中盤に3kmほど勾配9.5〜10.5%の難ゾーンが続き、途中12%まで跳ね上がる。
開催委員会は、この山を「風の強い場所」と警告する。2011年大会で使用された時も、たしかに強い向かい風が吹き付けていた。あの日、世界中の自転車ファンにはっきりと自らの名を知らしめたのは、いまだアシスト役だったクリス・フルームだった(同年は最終的に繰り上がり総合優勝)。山の上では、輝かしい栄光が待っている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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37KM/H | 35KM/H | 33KM/H | 37KM/H | 35KM/H | 33KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 12:10 | 12:10 | 12:10 | 20:10 | 20:10 | 20:10 |
49.1km地点 | 1級山岳 | 13:29 | 13:34 | 13:39 | 21:29 | 21:34 | 21:39 |
88.3km地点 | 3級山岳 | 14:33 | 14:41 | 14:50 | 22:33 | 22:41 | 22:50 |
103.2km地点 | 3級山岳 | 14:57 | 15:06 | 15:17 | 22:57 | 23:06 | 23:17 |
129.5km地点 | 中間スプリント | 15:40 | 15:52 | 16:05 | 23:40 | 23:52 | 0:05 |
134.6km地点 | 3級山岳 | 15:48 | 16:00 | 16:14 | 23:48 | 0:00 | 0:14 |
152km地点 | 2級山岳 | 16:16 | 16:30 | 16:46 | 0:16 | 0:30 | 0:46 |
178.2km地点 | 超級山岳 ゴール地点 |
16:58 | 17:15 | 17:34 | 0:58 | 1:15 | 1:34 |