コースの特徴
本来予定されていた国境越えは中止された。10月22日のフランス政府の発表により、通過予定だったピレネー山脈の2県が警戒最大地域に含まれた。開催委員会はコース変更を決断。本来であれば1級ポルタレ峠からフランスに入り、超級オービスク峠を通過し、ツール・ド・フランスの伝統峠、超級トゥールマレー峠でフニッシュするはずだったステージは、100%スペイン国内だけで執り行われる。
代替コースは大小周回+本来のルートという組み合わせで作り上られた。スタート地は変わらない。ブエルタのコース作成者フェルナンド・エスカルティンの故郷から走り始める。ただし北へ向かう代わりに、まずはプロトンは南下。前日の第5ステージフィニッシュ地サビニャニゴを中心に、くるりと小さな輪を2周描く。そして3度目にサビニャゴを通過し、約20kmの周回を抜け出したあとは、約80kmの大きな周回へ。
大きな周回には2つの峠が待ち構える。真っ先に挑むのは前区間の最終峠ペトラルバ峠。ただし登坂は反対側からだし、第5ステージでは2級だったが、この日は3級に区分されている。続いて2級コテファブロ峠の勾配が不規則な上りを登って下りたら、改めてスタート地ビエスカスへとたどり着く。ここで2つの大小周回は終了だ。
そして最終26.7kmで、ようやく本来のルートを使用する。予定であればスタート直後に走るはずだった道は、変更後はフィニッシュまでの勝負路となる。つまり1級ポルタレト峠の15kmの上りの、山頂まで400mをカットし、スペイン側スキーリゾート「アラモン・フォルミガル」でフィニッシュを争う(登坂距離14.6km、平均勾配4.6%、最大12%)。
近年では2013年(バルギル優勝)と2016年(ブランビッラ優勝)で使用されており、山の上には大きなスキー場用の駐車場もある。緊急でフィニッシュを受け入れる体制は整っていた。ちなみに変更後のフィニッシュ地からフランス国境までは……わずか500m程度でしかない。
残念ながら「1→超→超級」という今大会屈指の難関ステージは、「3→2→1級」と難度を下げた。累計獲得勾配は3816mから3040mに減り、また今大会の最高標高地点はトゥールマレー2115mから、第17ステージの最終峠コバティーヤ1965mへと移った。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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39KM/H | 37KM/H | 35KM/H | 39KM/H | 37KM/H | 35KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 13:18 | 13:18 | 13:18 | 21:18 | 21:18 | 21:18 |
69.5km地点 | 3級山岳 | 15:04 | 15:10 | 15:17 | 23:04 | 23:10 | 23:17 |
105.5km地点 | 2級山岳 | 16:00 | 16:09 | 16:18 | 0:00 | 0:09 | 0:18 |
119.7km地点 | 中間スプリント | 16:22 | 16:32 | 16:43 | 0:22 | 0:32 | 0:43 |
146.4km地点 | 超級山岳 ゴール地点 |
17:03 | 17:15 | 17:28 | 1:03 | 1:15 | 1:28 |