ツール・ド・フランスを知るための100の入り口
ツール・ド・フランスを知るための100の入り口:自転車産業の発展
1860年、2つの車輪にペダルが付いた現在の自転車の原型が開発される。ただし、外形はなかなか武骨だった。材質はブナの木、重量は50kg、タイヤ直径は今より20cmほど長い90cm。
フランスでは、1861年に2台、62年には142台売れたという。このころからピエール・ミショーやオリヴィエ兄弟らが中心となり、自転車の本格生産が開始される。
1865年には400台の売り上げを記録した。1台当りの価格は約500フラン。当時のパリの労働者の年収の約4分の1ほど。
1886年以降、フランスのサンテティエンヌでは、自転車産業が従来の精錬業を抜き、主要産業となる。軍需工場が閑散期となる夏場に発注があり、そのまま施設の転用が可能だったため、工場側としても好都合だった、そんな事情もある。
1903年、ツール初開催年の自転車売り上げ台数は、130万台、1914年には300万台、1924年には600万台。ツール草創期は、自転車が発展へと向かい始めた時期とピッタリ重なるのだ。
※本企画は2013年6月に実施されたものです。現在と情報が異なる場合がございますが、予めご了承ください。