アントニー・テュルジス
アントニー・テュルジスAnthony TURGIS
- チーム
- トタルエネルジー
- 生年月日
- 1994年5月16日
- 身長/体重
- 178cm/70kg
- 国籍
- フランス
- Strava
- @AnthonyTurgis
- anthonyturgis
- Anthony Turgis
- 【Past results】
- 2018年:国内選手権ロードレース2位、ドワーズ・ドール・フラーンデレン5位
- 2019年:パリ〜ショニー優勝、ドワーズ・ドール・フラーンデレン2位、ダンケルク4日間総合4位&ヤングライダー賞、ツール・ド・ルクセンブルク総合4位&ヤングライダー賞
- 2020年:ツール・デ・フランドル4位、ブラバンツ・ペイル8位
- 2021年:クールネ〜ブリュッセル〜クールネ2位、ドワーズ・ドール・フラーンデレン8位、ツール・デ・フランドル8位、ヘント〜ウェヴェルヘム9位
- 2022年:ミラノ~サンレモ2位、国内選手権ロードレース2位、ポリノルマンド3位
昨春クラシックシーズンは、3週連続、大切な日曜日に落車した。昨ツール序盤では2日目に激しい落車を喫し、満身創痍ながら……しかも長らく「ランタン・ルージュ(総合最下位)」で喘ぎながら……自らにリタイアを絶対に許さなかった。改めて「自転車競技はサディスティックでマゾヒスティックなスポーツ」と認識し、自らのマゾさ加減に苦笑い。
兄ジミーが28歳で、弟タンギーが20歳で、プロとしてのキャリアを強制終了せざるをえなかったからこそ、自分は簡単に投げ出してはならないと誓っている。しかも兄弟を苦しめた遺伝性の心疾患のせいで、自分にもいつドクターストップがかかるか分からない。毎年心臓スペシャリストに精密検査を受け、毎シーズン、毎レースを後悔せぬよう全力で走る。
決して「がたい」の良いほうではないけれど、石畳好きなのはどうしても辞められない。U23時代にリエージュを制したように、若き日はむしろパンチャー能力のほうが優れていたし、近年はスプリント力を鍛えて、ミラノ〜サンレモ獲りにも意欲的に挑み続けているけれど、本当はもっと「北のレース」を走りたい。憧れのトム・ボーネンのようにパリ〜ルーベで勝ちたい。プロ入り直後に何度か同じレースを走った機会は、今でも忘れられない最高の想い出だし、いまだに意欲の源であり続けるのだとか。
だったらもっとビッグチームに移籍しようか、いや、ベルギーチームに行くべきか……と悩んだこともある。特に自分より1つ年上で、ジュニア時代から切磋琢磨してきたフロリアン・セネシャルが、クイックステップ入りで大きな成績を手にするようになったからなおのこと。ただし昨夏に現チームと契約を2025年まで更新。居心地の良いチームで、自分を信頼してくれるスタッフに囲まれて、小さなエースとして走り続ける道を選んだ。
text:宮本あさか