競技解説 2023/24
フィギュアスケートは、ジャンプ・スピン・ステップなどの「エレメンツ(技術要素)」と、スケーティングスキル・トランジッション・パフォーマンスなどの「プログラムコンポーネンツ(演技構成)」を様々な要点と角度から判定し得点を競うスポーツ。このページでは男女シングルとペア、アイスダンスのエレメンツの必須要素と、シングル競技の採点表の見方を説明しています。ルールや採点方法がわかれば、もっともっと楽しく観戦できます!
(*2023/24シーズンのルールに基づいて作成されています)
2023/24シーズンの大きな変更点
シニア最低年齢の段階的引き上げへ
シニア国際大会・ISUシニア選手権大会・冬季五輪に参加可能な最低年齢が段階的に引き上げられる。当該シーズンに先立つ7月1日の時点で、規定の年齢に達している選手だけが当該シニア大会に参加できる。
- 2022/23シーズン:15歳
- 2023/24シーズン:16歳
- 2024/25シーズン:17歳
*同ルールの移行期間にあたる2023/24シーズンは、ペアのみ例外的なルールが適応される:
2022/23シーズンにジュニアグランプリ大会またはジュニア世界選手権に出場したペアに限って、男性側がシニア転向年齢の21歳に達していたとしても、女性側がジュニア年齢の場合(13歳以上19歳未満)、年齢制限を超えてジュニアで活動することが許される。
ジュニア部門のランキング創設
現行シーズン+過去2シーズンの成績が反映され、試合の抽選順・滑走順・グランプリ国別枠数を左右する世界ランキング「ISUワールドスタンディング」と、現行シーズンの成績で争われる「ISUシーズンワールドランキング」とに、今季2023/24シーズン、ジュニア部門が新たに創設された。
「ISUワールドスタンディング・ジュニア」と「ISUシーズンワールドランキング・ジュニア」に反映されるのは:
1. ジュニア世界選手権
2. ジュニアグランプリ大会&ファイナル
3. 国際ジュニア大会(ベスト2大会のみ)
「ISUワールドスタンディング」と「ISUシーズンワールドランキング」は、これまで同様、ISUシニア国際選手権・五輪・グランプリ大会・ジュニアグランプリ大会・シニア&ジュニア国際大会(ベスト2大会のみ)の成績が反映され、シニア・ジュニアの枠を超えた全体ランキングとして存在し続ける。
フィギュアルール出場資格
2024年ミニマムスコア
2024年ISU選手権大会への出場条件となる、技術点(トータルエレメンツスコア)の最低ラインは以下の通り。
《2024年 世界選手権》
・男子:SP34.00 / FS64.00
・女子:SP32.00 / FS53.00
・ペア:SP29.00 / FS46.00
・アイスダンス:RD35.00 / FD52.00
《2024年 ヨーロッパ選手権、四大陸選手権》
・男子:SP28.00 / FS46.00
・女子:SP25.00 / FS42.00
・ペア:SP25.00 / FS42.00
・アイスダンス:RD30.00 / FD48.00
《2024年 世界ジュニア選手権》
・男子:SP25.00 / FS44.00
・女子:SP25.00 / FS40.00
・ペア:SP23.00 / FS34.00
・アイスダンス:RD24.00 / FD38.00
- 現行2023/24シーズン、もしくは直近2022/23シーズンにISUが承認する国際競技会にて、SP・FS(RD・FD)のそれぞれで上記のミニマムスコアに到達していなければならない。
- シニア選手権出場のためにはシニア競技会、ジュニア選手権出場のためにはジュニア競技会におけるスコアで判断される。
- ISUが承認する国際競技会とは:ISU国際選手権(世界、世界ジュニア、欧州、四大陸)、冬季五輪、冬季ユース五輪、グランプリシリーズ(シニア、ジュニア)、グランプリファイナル(シニア、ジュニア)、チャレンジャーシリーズ、ワールドチームトロフィー。
2024年ヨーロッパ選手権 出場枠
各国連盟は、出場条件であるミニマムスコアに達している選手/カップルを、各種目に最低1名/組ずつ派遣することができる。2024年ヨーロッパ選手権に2枠以上の出場枠を有する国は以下の通り。
《男子》
3枠:フランス、イタリア
2枠:エストニア、ジョージア、ラトビア、スウェーデン、スイス
《女子》
3枠:ベルギー、ジョージア
2枠:エストニア、フィンランド、ドイツ、イタリア、ポーランド、ルーマニア、スイス
《ペア》
3枠:ドイツ、イタリア
2枠:フランス、イギリス、ハンガリー、オランダ、ウクライナ
《アイスダンス》
3枠:フランス、イギリス、イタリア
2枠:チェコ、フィンランド、ジョージア、ドイツ、ハンガリー、リトアニア、ウクライナ
2024年四大陸選手権 出場枠
各国連盟は、出場条件であるミニマムスコアに達している選手/カップルを、各種目に最低3名/組ずつ派遣することができる。
2024年世界選手権 出場枠
各国連盟は、出場条件であるミニマムスコアに達している選手/カップルを、各種目に最低1名/組ずつ派遣することができる。2024年世界選手権に2枠以上の出場枠を有する国は以下の通り。
《男子》
3枠:日本、韓国、アメリカ
2枠:カナダ、フランス、イタリア、スイス
《女子》
3枠:日本、韓国
2枠:ベルギー、エストニア、ドイツ、スイス、アメリカ
《ペア》
3枠:カナダ、日本、アメリカ
2枠:オーストラリア、ドイツ、ハンガリー、イタリア
《アイスダンス》
3枠:カナダ、アメリカ
2枠:チェコ、フィンランド、フランス、イギリス、イタリア、リトアニア
2024年世界ジュニア選手権 出場枠
各国連盟は、出場条件であるミニマムスコアに達している選手/カップルを、各種目に最低1名/組ずつ派遣することができる。2024年世界ジュニア選手権に2枠以上の出場枠を有する国は以下の通り。
《男子》
3枠:日本
2枠:カナダ、中国、エストニア、イタリア、韓国、スウェーデン、スイス、アメリカ
《女子》
3枠:日本、韓国
2枠:カナダ、中国、エストニア、ジョージア、スイス、アメリカ
《ペア》
3枠:オーストラリア、アメリカ
2枠:カナダ、中国、チェコ、フランス、ドイツ、日本、ウクライナ
《アイスダンス》
3枠:カナダ、チェコ、アメリカ
2枠:キプロス、フランス、イギリス、韓国
ISU国際大会への参加可能年齢
《シニア》
2022/23シーズン:15歳以上
2023/24シーズン:16歳以上
2024/25シーズン以降:17歳以上
《ジュニア》
男女シングル:13歳以上、19歳未満
ペア/アイスダンス:13歳以上、女子19歳未満、男子21歳未満
いずれも当該シーズンの7月1日時点の年齢が適応される。
例外として昨季2022/23シーズンにジュニアグランプリシリーズ、もしくはジュニア世界選手権に出場したペアに限り、男性が2023年7月1日以前に21歳に達していた場合でも、今季2023/24シーズンはジュニア大会への出場が可能となる。
シニア 男子シングル
ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の2種目を滑走する。
<ポイント>
フリーで5種類6本、ついには全6種類成功と、4回転ジャンプ時代はさらに進化を続ける。もちろんジャンプ以外の要素を取りこぼさないことが勝利への鍵。
ショートプログラム
自分で選んだ音楽の曲想を表現する。ジャンプ、スピン、ステップからなる合計7つの要素で構成されたプログラムを滑走。
演技時間:2分40秒±10秒
a)アクセル系のジャンプ:ダブルまたはトリプルアクセル
4回転アクセルは認められていない。
b)単独のジャンプ:あらゆるトリプルまたはクワドラプルジャンプ
c)とは異なるジャンプを組み込まなければならない。もしもa)でトリプルアクセルを行った場合、b)またはc)で繰り返し行うことはできない。
c)ジャンプ・コンビネーション:2回転+3回転、3回転+3回転、4回転+2回転、あるいは4回転+3回転
同一のジャンプ、もしくは異なる種類のジャンプの組み合わせが認められる。a)またはb)とは異なるジャンプを組み込まなければならない。
d)フライング・スピン
e)とは異なる着氷姿勢であること。
着氷後最少8回転。
e)単一姿勢のスピン:キャメルスピン、またはシットスピン
d)とは異なる着氷姿勢であること。
1回のみの足換えあり、各足最少6回転。
f)スピンコンビネーション
1回のみの足換えあり、各足最少6回転。
少なくとも2つの異なる基本姿勢を含むこと、各姿勢を最少2回転ずつ行うこと。要件を満たす(フルバリュー)ためには基本3姿勢(キャメル、シット、アップライト)を全て含むこと。
スピンはジャンプで開始してはならないが、足換えは踏み換えで行ってもジャンプで行ってもよい、また足換えと姿勢変更は同時に行っても別々に行ってもよい。
g)ステップ・シークェンス
氷面を十分に活用したステップ・シークェンス。
ステップ・シークェンスの中には、いかなる採点対象外のジャンプ(あらゆる回転数)と規定ジャンプ(最大1回転)を含めてもよい。
フリースケーティング
自分で選んだ音楽の曲想を、原則的に自由な演技で表現。プログラムに含むことのできる要素を構成して滑走。
演技時間:4分±10秒
「ウェルバランス(バランスの良い)」のプログラム構成とは
- ジャンプ:最大7要素、少なくとも1つはアクセルを含む。
- スピン:最大3回、うちコンビネーション1回、フライング1回、単一姿勢1回。
- ステップ・シークェンス:最大1回。
- コレオグラフィック・シークェンス:最大1回。
ジャンプ
- いかなる回転数でもよい。
- ジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスは同一のジャンプ、もしくは異なる種類のジャンプの組み合わせが認められる。
- ジャンプ・コンビネーションは3回、もしくはジャンプ・コンビネーション2回+ジャンプシークェンス1回を含むことができる。トータル3回のうち1回は3連続ジャンプが認められ、残り2回は2連続ジャンプとする。
- いかなるジャンプも、2回を超えて含んではならない(アクセルを含む。単独ジャンプでも、コンビネーション/シークェンスの一部としても)。
- すべての3回転および4回転ジャンプの中から、2種類のみ、2回繰り返すことができる。2種類の繰り返しのうち、4回転は1種類のみ認められる。
- 2回繰り返したジャンプのうち、少なくとも1つがジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスの場合は、2回とも通常の基礎値で評価される。2回ともが単独ジャンプの場合、2つ目に記号「+REP」がつけられ、基礎値は本来の70%で評価される。
- 同じ名称の3回転ジャンプと4回転ジャンプは、2種類の異なるジャンプとみなされる。
- 余計なジャンプが実行された場合、要件に従わないジャンプは基礎値0点(ノーバリュー)とされる。ジャンプは実行の順番に考慮される。
スピン
- すべてのスピンが異なる種類であること。
- フライング・スピン/単一姿勢のスピンは最少6回転、スピンコンビネーションでは最少10回転。
- スピンコンビネーションと単一姿勢のスピンでの足換えは任意。
ステップ・シークェンス
- どのような種類のステップ・シークェンスを行うのかは、競技者が自由に選択できる。
- あらゆる回転数の規定外のジャンプと、最大1回転の規定ジャンプを、ペナルティなしで含むことができる。
- 規定ジャンプが1回転の場合は、ジャンプ要素としてカウントされない(繰り返し違反に問われない)。1回転を超える場合は、ジャンプ要素としてカウントされる。
- 氷面を十分に活用しなければならない。短すぎてやっとそれと分かるようなものは、ステップ・シークェンスの要件を満たすとはみなされない。
コレオグラフィック・シークェンス
- スパイラル、アラベスク、スプレッドイーグル、イナバウアー、ハイドロブレーディング、最大2回転までのあらゆるジャンプ、スピンなどの動作を最低2種類含むこと。
- ステップとターンは、2種類の異なる動作をつなぐために入れることができる。
- コレオグラフィック・シークェンス内で行われたジャンプやスピンは、当該要素としてはカウントされない。
- どのような種類のコレオグラフィック・シークェンスを行うかの選択は、競技者の自由だが、シークェンスははっきりと目に見えるものでなければならない。
- 固定の基礎値が用いられ、ジャッジのGOEのみで評価される。
- ステップ・シークェンスの前後いずれに行ってもよい。
シニア 女子シングル
男子同様ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の2種類を滑走。
<ポイント>
3回転+3回転のコンビネーションジャンプはもちろん、3回転アクセルや4回転ジャンプの時代に突入。スピン、ステップや表現力、スケーティングスキルなど、他の要素も大いに求められる。
ショートプログラム
自分で選んだ音楽の曲想を表現する。ジャンプ、スピン、ステップからなる合計7つの要素で構成されたプログラムを滑走。
演技時間:2分40秒±10秒
a)アクセル系のジャンプ:ダブルまたはトリプルアクセル
トリプルアクセルをアクセルジャンプとして行った場合、単独のジャンプまたはジャンプ・コンビネーションで繰り返し行うことはできない。
b)単独のジャンプ:あらゆるトリプル・ジャンプ
c)とは異なるジャンプを組み込まなければならない。もしもa)でトリプルアクセルを行った場合、b)またはc)で繰り返し行うことはできない。
c)ジャンプ・コンビネーション:2回転+3回転、あるいは3回転+3回転
同一のジャンプ、もしくは異なる種類のジャンプの組み合わせが認められる。a)またはb)とは異なるジャンプを組み込まなければならない。
d)フライング・スピン
e)とは異なる着氷姿勢であること。
e)単一姿勢のスピン
レイバック/サイドウエイズリーニング、あるいは足換え無しのシット/キャメルスピン。
d)とは異なる着氷姿勢であること。
規定の姿勢で最少8回転、8回転の後にビールマンポジションへの移行も可能。
足換えは認められない。
f)スピンコンビネーション
1回のみの足換えあり、各足最少6回転。
少なくとも2つの異なる基本姿勢を含むこと、各姿勢を最少2回転ずつ行うこと。要件を満たす(フルバリュー)ためには基本3姿勢(キャメル、シット、アップライト)を全て含むこと。
g)ステップ・シークェンス
氷面を十分に活用したステップ・シークェンス。
ステップ・シークェンスの中には、いかなる採点対象外(あらゆる回転数)のジャンプと規定ジャンプ(最大1回転)を含めてもよい。
フリースケーティング
自分で選んだ音楽の曲想を、原則的に自由な演技で表現。プログラムに含むことのできる要素を構成して滑走。
演技時間:4分±10秒
「ウェルバランス(バランスの良い)」のプログラム構成とは
- ジャンプ:最大7要素、少なくとも1つはアクセルを含む。
- スピン:最大3回、うちコンビネーション1回、フライング1回、単一姿勢1回。
- ステップ・シークェンス:最大1回。
- コレオグラフィック・シークェンス:最大1回。
ジャンプ
- いかなる回転数でもよい。
- ジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスは同一のジャンプ、もしくは異なる種類のジャンプの組み合わせが認められる。
- ジャンプ・コンビネーションは3回、もしくはジャンプ・コンビネーション2回+ジャンプシークェンス1回を含むことができる。トータル3回のうち1回は3連続ジャンプが認められ、残り2回は2連続ジャンプとする。
- いかなるジャンプも、2回を超えて含んではならない(アクセルを含む。単独ジャンプでも、コンビネーション/シークェンスの一部としても)。
- すべての3回転および4回転ジャンプの中から、2種類のみ、2回繰り返すことができる。2種類の繰り返しのうち、4回転は1種類のみ認められる。
- 2回繰り返したジャンプのうち、少なくとも1つがジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスの場合は、2回とも通常の基礎値で評価される。2回ともが単独ジャンプの場合、2つ目に記号「+REP」がつけられ、基礎値は本来の70%で評価される。
- 同じ名称の3回転ジャンプと4回転ジャンプは、2種類の異なるジャンプとみなされる。
- 余計なジャンプが実行された場合、要件に従わないジャンプは基礎値0点(ノーバリュー)とされる。ジャンプは実行の順番に考慮される。
スピン
- すべてのスピンが異なる種類であること。
- フライング・スピン/単一姿勢のスピンは最少6回転、スピンコンビネーションでは最少10回転。
- スピンコンビネーションと単一姿勢のスピンでの足換えは任意。
ステップ・シークェンス
- どのような種類のステップ・シークェンスを行うのかは、競技者が自由に選択できる。
- あらゆる回転数の規定外のジャンプと、最大1回転の規定ジャンプを、ペナルティなしで含むことができる。
- 規定ジャンプが1回転の場合は、ジャンプ要素としてカウントされない(繰り返し違反に問われない)。1回転を超える場合は、ジャンプ要素としてカウントされる。
- 氷面を十分に活用しなければならない。短すぎてやっとそれと分かるようなものは、ステップ・シークェンスの要件を満たすとはみなされない。
コレオグラフィック・シークェンス
- スパイラル、アラベスク、スプレッドイーグル、イナバウアー、ハイドロブレーディング、最大2回転までのあらゆるジャンプ、スピンなどの動作を最低2種類含むこと。
- ステップとターンは、2種類の異なる動作をつなぐために入れることができる。
- コレオグラフィック・シークェンス内で行われたジャンプやスピンは、当該要素としてはカウントされない。
- どのような種類のコレオグラフィック・シークェンスを行うかの選択は、競技者の自由だが、シークェンスははっきりと目に見えるものでなければならない。
- 固定の基礎値が用いられ、ジャッジのGOEのみで評価される。
- ステップ・シークェンスの前後いずれに行ってもよい。
シニア ペア
男女1名ずつで組み、ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の2種目を滑走する。
<ポイント>
シングルの技術を基礎とし、ペア独自の要素であるリフト、スロー・ジャンプ、デス・スパイラルなどが加わる。4回転スロー・ジャンプに挑戦するカップルも増えている。
ショートプログラム
規定された7つの必須要素(リフト、ジャンプ、スピン、ステップ・シークェンス)でプログラムを構成。
演技時間:2分40秒±10秒
a)リフト
2023/24シーズンはあらゆるヒップリフト(グループ3)。男性の片手が女性のヒップ、もしくは大腿部(膝より上)を支え、持ち上げるもの。
頭上に持ち上げた際、男性の腕(両腕)は完全に伸びていなければならない。
男性は少なくとも氷上で1回転しなければならない。
b)ツイスト・リフト
2回転または3回転。
男性が女性を持ち上げ、女性を空中に放り投げて回転させたのち、男性が受け止める。
女性はルッツまたはフリップで踏み切り。
c)スロー・ジャンプ
2回転または3回転。
男性が空中に女性を放り投げるようにして、女子をジャンプ・着氷させる。
d)ソロジャンプ
2回転または3回転。
e)ソロスピンコンビネーション
足換え1回のみ、各足最少5回転。
少なくとも2つの異なる基本姿勢を含むこと、両パートナーが各姿勢を最少2回転ずつ行うこと。要件を満たす(フルバリュー)ためには両者が基本3姿勢(キャメル、シット、アップライト)を全て行うこと。
足換えはステップまたはジャンプから開始でもよく、両パートナーが同時でも別々でもよい。
f)デス・スパイラル
2023/24シーズンはフォワード・インサイド(女性の進行方向が前+女性の軸足はインサイトエッジ)。
男女が片手をつなぎ、回転軸となった男性の周りを、身体を寝かせた女性が回転するもの。
男性が膝を折り完全なピボット姿勢をとった状態で、男女そろって少なくとも1回転すること。
女性の頭部は膝より高い位置にあってはならず、エッジ以外の頭部・身体が氷上に触れてもならない。
g)ステップ・シークェンス
氷面を十分に活用。いかなる規定外ジャンプを含んでも良い。
フリースケーティング
自分で選んだ音楽の曲想を表現。規定された要素を含むバランスの良いプログラムを滑走。
演技時間:4分±10秒
「ウェルバランス(バランスの良い)」のプログラム構成とは
- リフト:最大3回、3回ともが同じグループであってはならない。リフトする腕を十分に伸ばしたもの。
- ツイスト・リフト:最大1回。
- スロー・ジャンプ:最大2回、異なる種類、または異なる回転数で。
- ソロジャンプ:最大1回。
- ジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンス:最大1回。
- ペアスピンコンビネーション:最大1回。
- デス・スパイラル:最大1回、ショートプログラムとは異なる種類のもの。
- コレオグラフィック・シークェンス:最大1回。
リフト
- 3回すべてのリフトが異なる略称を有していること(例;同じグループ5を2回行う場合でもテイクオフが異なれば可)。
- 男性の連続回転が含まれるリフトであれば、キャリー(男性が移動)も可。当該リフトの最初のキャリーのみがレベル要件に数えられる。
- 男子が回転なし、もしくは1回転以下でキャリーを行う場合は、リフト要素としてはカウントされない。その際は規定外の姿勢(膝や肩、背中を支えてもち上げる動き)も許可される。PCS(演技構成点)の「構成」にて考慮される。
ツイスト・リフト
- 回転数に上限はなし。
- 女性の踏切りルッツ/フリップ以外でもよい(トウループ、アクセルも可)。
ソロジャンプ、ジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンス
- ジャンプ・コンビネーションは2連続、もしくは3連続が認められる。
- 2回転を超えるジャンプ(2回転アクセル、3回転、4回転)は、すべて異なった名前のジャンプでなくてはならない。ただしジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスの中で2つ同じジャンプを繰り返すことは認められる。
ペアスピンコンビネーション
- 少なくとも2つの異なる基本姿勢を含むこと、両パートナーが各姿勢を最少2回転ずつ行うこと。要件を満たす(フルバリュー)ためには両者が基本3姿勢(キャメル、シット、アップライト)を全て行うこと。
- 両パートナーによる少なくとも1回の姿勢変更が含まれること。
- 両パートナーによる少なくとも1回の足換えが含まれること。足換えは男女同時でなくともよい。
- 最少8回転。
デス・スパイラル
- ショートプログラムとは違うもの(フォワード・インサイド以外)。
コレオグラフィック・シークェンス
- スパイラル、アラベスク、スプレッドイーグル、イナバウアー、ハイドロブレーディング、最大2回転までのあらゆるジャンプ、スピン、小さなリフトなどの動作を最低2種類含むこと。
- ステップとターンは、2種類以上の異なる動作をつなぐために入れることができる。
- コレオグラフィック・シークェンス内で行われたジャンプやスピンは、当該要素としてはカウントされない。
- どのような種類のコレオグラフィック・シークェンスを行うかの選択は、競技者の自由だが、シークェンスははっきりと目に見えるものでなければならない。
- 固定の基礎値が用いられ、ジャッジのGOEのみで評価される。
シニア アイスダンス
男女一名ずつで組み、リズムダンス(RD)とフリーダンス(FD)の2種目を滑走する。
<ポイント>
男女シングル、ペアと違い、1回転半以上のジャンプや、男性が女性を自分の頭より上にあげるリフトなどは禁止され、より正確なエッジ、ターンが求められる。
リズムダンス
シーズン毎に指定されるリズム、もしくはテーマに合わせ、規定要素が含まれたプログラムを滑走する。2023/24シーズンについては以下のテーマが選定された。
演技時間:2分50秒±10秒
テーマ
- 80年代の音楽と感覚:1980年代に発表された楽曲、1980年代のエッセンスを含む楽曲のいずれを使用しても良い。リマスター版の使用も可。
- ダンスを通して1980年代の文化や感覚、エッセンスを表現する。
<リズムダンス必須要素>
パターンダンスタイプ・ステップ・シークェンスンス(PSt):1回(スタイルD)
- リズム:あらゆるテンポが可。
- タイム:音楽の小節単位で区切る。
- パターン:いずれかのショート・アクシスで停止状態から始め、逆サイドのショート・アクシス上で終わる。ループが1回許される(回転方向は自由、ロング・アクシスを横切ってもよい)
- ストップ:PSt開始時のみ許可される。
- ホールド:常に触れ合っている状態を保つこと。つなぎのツイズル時を除く。両腕を完全に伸ばしきったホールドは不可。
- 技術要件:スタイルD:パートナーそれぞれが2種類の異なる難しいターン(バック・エントリー・ロッカー、カウンター、ブラケット、フォアード・アウトサイド・モホーク)を行うこと。
コレオグラフィック・リズムシークェンス:1回
- テンポ:最低でも100拍/分。
- ステップ:シルバーサンバ。定められたステップ9番(女性)/9a・9b番(男性)から47番までを、男女同時、もしくは男女交互に、途切れず実行すること。1ステップにかける拍数は自由。
- ホールド:常に触れ合っていれば、あらゆるホールドが認められる。
- パターン:ジャッジの左側から始める。ロング・アクシスを横切ってもよい。
- セパレーション:1回まで可。腕2本分の間隔以内で、音楽の2小節以内。
- ループ・逆行:1回ずつ可。
- ストップ:不可。
ダンスリフト:1回
- ショートリフト、7秒以内。
ステップ・シークェンス:2回、ノットタッチング(スタイルB)
- スタイルBの仕様で;
- ループ、逆行は不可。
-あらゆるテンポが可。
-パターンはミッドラインかダイアゴナルのみ。
-腕2本分以上の間隔を開けてはならない。
-身体のあらゆる部分で氷に触れることが許可されるが、5秒を超えてはならない。
-ストップは1回・5秒以内まで許可。互いに触れてはならない。
セット・オブ・シーケンシャル・ツイズル:1セット
- パートナーそれぞれが少なくとも2つのツイズルを行う、ツイズル間の接触は不可。
- ツイズル間のステップは1歩まで。
フリーダンス
自由なリズムで構成されたプログラム。リフト、ダンススピン、ステップ・シークェンス、シンクロナイズドツイズルなどの規定された要素を使用し、バランスの良いプログラムを滑走すること。
演技時間:4分±10秒
a)ダンスリフト
- 異なるタイプのショートリフト3回(各回7秒以下)、またはショートリフト1回(7秒以下)とコンビネーションリフト1回(12秒以下)。
−ショートリフトはコンビネーションリフトに使われていない種類を行うこと。
b)ダンススピン
- ダンススピン1回。
−カップルが一緒に行うスピン。あらゆるホールドが認められる。共通の回転軸を中心に、両者片足で回る。移動はしない。一方/両方のパートナーが足換えしてもよい。
c)ステップ・シークェンス
- ステップ・シークェンススタイルB(ホールドあり)1回。
- 不可:ストップ、ループ、逆行、腕を完全に伸ばしたホールド、腕2本分間隔を超えるおよび/または5秒を超えるセパレーション。
- コレオグラフィック要素でステップを選んだ場合、そのパターンとは異なること。
- ワンフットステップ・シークェンス、ノットタッチ(非接触)1回。
−両パートナーそれぞれが片足で難しいターンを行う。最初のターンは同時に行うこと。その後の難しいターンは男女同時に行う必要はない。
d)シンクロナイズドツイズル
- シンクロナイズドツイズルを1セット。
−両パートナーが少なくとも2つのツイズルを行う。
−2つのツイズルの間に2〜4歩のステップを挟むこと。
−1番目と2番目のツイズルの間のどこかしらで両パートナーは接触してもよい。
e)コレオグラフィックエレメンツ
- 異なるコレオグラフィックエレメンツを3回。
- 以下の7種の中から選択。
−コレオグラフィックリフト:3秒以上10秒以内のダンスリフト。
−コレオグラフィックスピニングムーブメント:ホールドしたまま連続2回転以上。
−コレオグラフィックアシステッドジャンプムーブメント:アシストジャンプを連続3回以上。
−コレオグラフィックツイズリングムーブメント:2つのパートから構成、1つ目は2人同時に連続2回転以上で移動必須、2つ目は1人が連続2回転以上。
−コレオグラフィックスライディングムーブメント:両パートナーが制御されたスライディング動作を氷上で実施。
−コレオグラフィックキャラクターステップ・シークェンス:ステップ・シークェンス(スタイルB)とは異なるパターンであること。選択したアクシスを完全横断。フェンスに触れてもよい、身体のどこかで氷を触れてもよい。
−コレオグラフィックハイドロブレーディングムーブメント:両パートナーで実施。開始と終了は同時ではなくともよいが、少なくとも2秒間は同時にハイドロブレーディングを行うこと。
点数の見方
※この採点表は、男子シングルの採点表です。
採点表の見方
- フィギュアスケートの採点は、技術点(トータルエレメンツスコア/TES)と演技構成点(プログラムコンポーネンツスコア/PCS)の合計得点(トータルセグメントスコア/TSS)からなります。
- 採点はジャンプの種類、回転数の判定やステップ、スピンなどのレベルを判定するテクニカルパネルと、各エレメンツの出来栄えと演技構成点を採点するジャッジパネルが担当します。
- シニアのシングルの場合、SPでは男女ともに7つ、FSでは男女ともに12の技術要素が必須となり、ジャンプ、ステップ、スピンなど全ての技術要素に基礎点が定められています。
- テクニカルパネルはジャンプの回転が十分に足りているか、フリップ、ルッツが正しいエッジで踏み切っているかを判定します。回転の不足している範囲や、踏み切りエッジエラーの程度によって基礎点が変わります。
- ステップ、スピンや、カップル競技のリフト、デス・スパイラルなどは、テクニカルパネルによってレベル1からレベル4に判定されます。レベルを得るための要件の特徴をいくつ満たしたかによって難度レベルが変わり、レベル4が最高基礎点となります。
- テクニカルパネルが認定した技術要素の基礎点に加えて、1つ1つの要素の出来栄えを+5から-5までの間でジャッジパネルが評価するGOE(Grade of Execution. 出来栄え点)と呼ばれる加減点を足したものが技術点となります。技術点はテクニカルエレメンツスコアとも呼ばれます。
- 演技構成点は、構成力、演技力、スケート技術という3つの項目についてジャッジが10点満点(0.25刻み)で評価します。技術点と得点が近くなるよう加重係数(Factor)がかけられます(男子はSP1.67、FS3.33、女子とペアはSP1.33、FS2.67、アイスダンスはRD1.33、FD2.00)。
- GOEと演技構成点は、複数のジャッジパネルが出した点数の最高値と最低値を除いた平均値となります。
- 転倒や演技中断、時間超過、衣装違反などは減点(Deductions)の対象となります。転倒は1回につき『-1』減点ですが、シニアでは3〜4度目は1回につき『-2』、5度目以降は1回につき『-3』減点されます。
- 演技後半のジャンプはボーナスとして、要素の基礎点が1.1倍になり、採点氷上では「x」マークがつきます。ただし適応されるのはショートプログラムでは最後の1要素のみ、フリースケーティングでは最後の3要素のみとなります。
減点対象:演技時間違反、衣装/小道具違反、衣装の一部/装飾品の氷上落下(1個以上)、違反要素/動作、演技中の転倒、演技実施中の中断/中継地点から3分以内に再滑走することが許された場合の演技中断、演技開始の遅れ(アイスダンスはさらに振り付け制限、音楽・テンポ要件違反、ダンスリフト時間違反)
プログラムコンポーネンツの分類
2022/23シーズンよりプログラムコンポーネンツは5項目(スケート技術、要素のつなぎ、表現力、構成力、曲の解釈)から3項目(構成力、演技力、スケート技術)に変更された。
コンポジション(構成) | プレゼンテーション(演技) | スケーティングスキル(技術) |
---|---|---|
さまざまな種類の動きを意図をもって組み合わせる、独創的に組み合わせる、練り上げるなどして、調和、統一感、空間、形式、音楽、構造とあらゆる面で全体として意味のある形に仕上げることができているか。 | 音楽と構成を理解し、心を込め、全身かつ全力でそれを表現できているか。 | ブレードとボディをコントロールし、ステップ、ターン、スケーティングなどスケートらしい動きができているか。 |
統一感 | 表現と投射 | 多彩なエッジ、ステップ、ターン、動き、方向 |
要素中および要素間のつなぎ・つながり | エネルギーや動きの多様さ、メリハリ | エッジ、ステップ、ターン、動き、身体コントロールの精度 |
パターンと氷面の十分な利用 | 音楽に対する感受性、タイミング | バランスとなめらかな滑り |
立体的な動きと空間の利用 | ユニゾン、一体感、空間把握(ペア、アイスダンス、シンクロナイズドスケーティング) | 流れ |
音楽のフレーズや表現形式を反映した振り付け | パワーとスピード |
深刻なエラー:
深刻なエラーとは、プログラムが中断してしまった転倒および/または失敗を指す。中断はごくわずかの場合からもっとはっきりわかる場合まである。このような失敗は、各プログラム・コンポーネンツに与える点数に反映させなければならない。反映の程度は、深刻度や、プログラムの流れやつながりに与えた影響に応じたものとする。採点のガイドラインは以下のとおり。
分類 | 評価の範囲 | 定義 | 下記が発生した場合 | 可能な最高得点 |
---|---|---|---|---|
プラチナ | 10 | 傑出 | 重大なエラーが1つある | 全てのコンポーネンツで最高9.50* |
ダイヤモンド | 9.0 〜 9.75 | 卓越 | 重大なエラーが複数ある | 全てのコンポーネンツで最高8.75** |
ゴールド | 8.0 〜 8.75 | 非常によい | ||
7.0 〜 7.75 | よい | |||
グリーン | 6.0 〜 6.75 | 平均以上 | ||
5.0 〜 5.75 | 平均的 | |||
オレンジ | 4.0 〜 4.75 | まあまあ | ||
3.0 〜 3.75 | 弱い | |||
レッド | 2.0 〜 2.75 | 劣る | ||
1.0 〜 1.75 | 非常に劣る | |||
0.25 〜 0.75 | 極めて劣る |
各構成要素において:
*エラーが1つだけで、プログラムに対する影響が小さかった場合、上記のように最高で9.50まで与えることができる。
注:上記が適用できるのは、プログラム全体が“卓越”と評価できる場合のみである。
**エラーが複数あってもプログラムに対する影響が小さかった場合、最高で8.75まで与えることができる。
価値尺度(SOV)
価値尺度(SOV)についての諸注意 *シングル・ペアの場合
- 価値尺度(SOV)はパーセンテージの原則に基づく。GOEが1段階上下するごとに、当該要素の得点に基礎値(BV、ベースバリュー)の10%ずつが加減される。
例)4回転ルッツがGOE+3と評価された場合
基礎値 11.50
加点 3.45(11.50の30%)
得点 14.95 - コレオグラフィック・シークェンスに関してのみ、GOEが1段階上下するごとに、基礎値に0.50点ずつ加減される。
- ジャンプやスピンに記号「<」「e」「V」が付いた場合、基礎値は規定の割合に則り減点される。その減点された基礎値に基づいて、GOEの加減点が算出される。
例)3回転フリップが「<」(回転不足)と判定されGOE-2と評価された場合
基礎値 4.24(3回転フリップ基礎点5.3の80%)
減点 −0.85(4.24の20%)
得点 3.39 - ジャンプ・コンビネーション/ジャンプシークェンスにおいては、GOEの算出には、最も難しいジャンプ(=最も基礎値の高いジャンプ)の基礎値が用いられる。記号「<」「e」による基礎値の減点も考慮に入れること。
例)3回転ループ(基礎値4.9)と3回転トウループ(4.2)の組み合わせの場合、ループの基礎値4.9をもとにGOEを算出。ただしループに記号「<」がつくと基礎値は3.92に減らされるため、この場合はトウループの基礎値4.2をもとにGOEが算出される。 - 前項(4)と、ジャンプの基礎値を70%とする記号「+Rep」は無関係。ジャンプの繰り返しを意味する「+Rep」が付いた場合でも、GOEは本来の基礎値のパーセンテージにて算出される。「+Rep」と、当該ジャンプの出来栄えとは関係がないため。
記号の読み方
ジャンプ
q:4分の1回転不足。SOV基礎値は満点、GOEがジャッジにより減点される。
<:回転不足。回転不足が4分の1回転超、2分の1回転未満の場合。SOV基礎値は80%、さらにGOEがジャッジにより減点される。
<<:ダウングレード。回転不足が2分の1回転以上の場合。トライしたジャンプよりも1回転少ないSOV基礎値が与えられる。
e:エッジ違反。ルッツとフリップの踏切時の明確な違反。SOV基礎値は80%、さらにGOEがジャッジにより減点される。
!:不明瞭なエッジ。ルッツとフリップの踏切がクリアではない、もしくはフラット。SOV基礎値は満点、GOEがジャッジにより減点される。
スピン
V:無価値(No Value)。各種ジャンプの要件が満たされない場合。Vの付いたスピンのSOV基礎値は表を参照。
ツイスト・リフト(ペア)
<<:ダウングレード。回転不足が2分の1回転以上の場合。トライしたツイスト・リフトよりも1回転少ないSOV基礎値が与えられる。
ジャンプ以外の全要素
B/1/2/3/4:レベル。認められた工夫の数により11〜4のレベルが与えられる。一切の工夫が認められなかった場合は基礎(Base)を意味するBがつけられる。
難度レベル
ジャンプ以外の全ての要素は、4段階で難度レベルの判定が行われる。
以下に示した特徴がいくつ含まれているかによって、テクニカルパネルが要素の難度レベルを決定する。
各レベルの特徴の数:レベル1は1個 レベル2は2個 レベル3は3個 レベル4は4個
※以下はシングルに関するルールまとめ
ステップ・シークェンス
- シークェンス中の難しいターンおよびステップが、最低限に多様(レベル1)、やや多様(レベル2)、多様(レベル3)、複雑(レベル4)である(必須)。
- 両方向(左と右)への回転。体が完全に回転し、各回転方向が合計でパターンの少なくとも3分の1をカバーしている。
- 少なくともパターンの3分の1において身体の動きを使っている。
- 3つの難しいターンのコンビネーションを2回(各足1回ずつ)、シークェンス中に流れるように実行する。難しいターンのうち1つだけは、2回いずれのコンビネーションでも使用できる。カウントされるのは各足ともに最初に試みられたコンビネーションのみ。
すべてのスピン
- 難しいバリエーション(下記の制限内であれば実行された分はすべてカウントする)。
- ジャンプにより行われる足換え。
- スピンの中で足を換えずに行われるジャンプ。
- 足を換えずに行われる難しい姿勢変更。
- スピンへの難しい入り方。
- 難しい出方。
- エッジの明確な変更:シット姿勢、キャメル姿勢、レイバック姿勢、ビールマン姿勢、難しいバリエーションのアップライト姿勢(シット姿勢の場合にはバック・インサイドからフォア・アウトサイドのみ)において。
- ただちに続けて行う両方向のスピン:シット姿勢、キャメル姿勢、レイバック姿勢、難しいバリエーションのアップライト姿勢において。
- 明確な回転速度の増加:キャメル姿勢、シット姿勢、レイバック姿勢、ビールマン姿勢、難しいバリエーションのアップライト姿勢(クロスフィットスピンは除く)において。
- 姿勢/バリエーション、足、エッジを変更せずに少なくとも8回転(キャメル、レイバック、基本姿勢の難しいバリエーション、非基本姿勢の難しいバリエーション※スピンコンビネーションのみ)。
- フライング・スピン/フライングエントランススピンにおけるフライングエントリーの難しいバリエーション。
レイバックスピンに対する追加的な特徴項目
- バックからサイドまたはその反対への1回の明確な姿勢変更。それぞれの姿勢で少なくとも2回転ずつ。
(ほかのスピンの一部分としてレイバックポジションが行われた場合も数える)。 - レイバックスピンからのビールマン姿勢(SP - レイバックスピンで8回転してから)。
−特徴 2 - 9、11 - 13をカウントするのは、プログラム中1回のみ(最初に試みられたもの)。
−特徴10をカウントするのはプログラム中1回のみ(成功した最初のスピンのみ。両足ともに8回転した場合は、スケーターの有利になるようどちらか1つをカウント)。
−基本姿勢での難しいバリエーションをカウントするのは、いずれのカテゴリーもプログラム中1回のみ(最初に試みられたもの)。非基本姿勢での難しいバリエーションをカウントするのは、スピンコンビネーションだけで、プログラム中1回のみ(最初に試みられたもの)。
−足換えをともなうスピンにおいて、一方の足で獲得できる特徴の数は最大2個。
要素の要件・変更点・明確化
ジャンプ
- 回転不足:記号(q)(<)(<<)はエラーを示す。
- フリップ/ルッツにおける正しい踏み切りエッジ:(e)(!)はエラーを示す。
- ショートプログラムにおいて、要件を満たさないジャンプ(回転数のまちがいを含む)は、無価値(no value)とされる。ただしジャンプ要件が必要数に達していない場合、必須要素のジャンプを1つこなしたとみなされる。ジャンプ・コンビネーションでは2回転2連続での構成は認められていないため(シニア男女、ジュニア男子)、記号(<)(<<)(e)を考慮した上で基礎値の低いジャンプの価値は、ジャンプ・コンビネーションの基礎値に計上されない。
- ジャンプシークェンスの定義:2つまたは3つのジャンプから構成される。回転数に制限はない。2本目と3本目/2本目または3本目のジャンプがアクセル系であり、1本目/2本目のジャンプの着地カーブから直接ステップを踏みアクセルの踏み切りカーブへと移行するものを指す。ジャンプの合間に氷上で1回転(フリーフットは氷上に触れることは許可されるが、体重の移行は不可)した場合でも、ジャンプシークェンスの定義からは外れない。ジャンプシークェンスで行われたジャンプはフルバリュー(完全なる価値)が与えられる。
-ダウングレード(<<):回転不足が2分の1回転以上の場合。1回転少ないジャンプの価値尺度(SOV)により評価される。
-回転不足(<):回転不足が4分の1回転を超え2分の1回転未満の場合。基礎値は80%となり、GOEはジャッジが減点する。
-4分の1回転不足で着氷(q):基礎値は満点だが、GOEはジャッジが減点する。
-4分の1回転未満の不足:記号はなし。基礎値は満点だが、GOEはジャッジが減点する。
-エッジ違反(e):SOV基礎値は80%、さらにGOEがジャッジにより減点される。
-不明瞭なエッジ(!):SOV基礎値は満点、GOEがジャッジにより減点される。
-記号(<)と(e)が両方同時に付いた場合:基礎値はSOV表を参照。
スピン
- スピンでレベル4を得るには、下記特徴のいずれかが要求される。
- 難しい入り方と難しい出方は、2つの異なる特徴となる。両方ともカウントされるには,2つの異なるスピンで行わなければならず、異なる性質の動きでなければならない。
- ウインドミル(イリュージョン)は、ほぼ完全なスプリットポジション(少なくとも135度)に達した場合のみ、難しい動作として認められる。スピンの特徴としてカウントされるのは、プログラムにつき1回のみ。難しい出方としてカウントされるためには、スピンの回転足で行われなければならない。
- 明確な回転速度の増加は、キャメル、シット、レイバック、ビールマン、あるいはアップライト姿勢の難しいバリエーション(クロスフット・スピンは除く)の場合にカウントされる。
−足換えせずに難しい姿勢変更。
−難しい出方。
−明確なエッジ変更。
−ただちに続けて行う両方向のスピン:シット姿勢、キャメル姿勢、レイバック姿勢、難しいバリエーションのアップライト姿勢において。
−明確な回転速度の増加。
−フライング・エントリーの難しいバリエーション。
−スピンの出方:スピンの最終段階からスピンの直後までを指す。
−難しい出方:出方を明らかに難しくするあらゆる動作やジャンプを指す。スピンのバランスやコントロール、実行に大きな影響を与えるものえなくてはならない。
−フライング・スピンおよび単一姿勢のスピンでは、少なくとも基本姿勢(ファイナル・ワインドアップは除く)に到達した上で、その姿勢から難しい出方が行われなければならない。スピン・コンビネーションでは、どの姿勢から難しい出方を行ってもよい。
ステップ・シークェンス
- 3つの難しいターンを組み合わせたコンビネーションを2つ。各足異なるものを1つずつ。シークェンス内の連続した流れの中で実行する。難しいターンのうち1つだけは、2つのコンビネーション内で繰り返すことができる。
- ターンの正しい組み合わせ例:1つ目=ブラケット、カウンター、ループ、2つ目=ロッカー、カウンター、ツイズル(繰り返しはカウンター1つのみ)。
- ターンの正しくない組み合わせ例:1つ目=ロッカー、カウンター、ツイズル、2つ目=ブラケット、カウンター、ツイズル(2つのターンを繰り返している)。
コレオグラフィック・シークェンス
- スパイラル、アラベスク、スプレッドイーグル、イナバウアー、ハイドロブレーディング、最大2回転までのあらゆるジャンプ、スピンなどの異なる動作を最低2種類含むこと。
- ステップとターンは、2種類以上の異なる動作のつなぎとして入れることができる。
GOE採点ガイドライン
GOEはプラス面およびマイナス面の両評価で決定される。
ジャッジはまず要素のプラス面を考慮し、これをGOE評価の起点とする。
その後にエラーの対するガイドラインに従いGOEを引き下げ、最終的なGOEを決定する。
プラス面
+ 1 : 1 項目 + 2 : 2 項目 + 3 : 3 項目 + 4 : 4 項目 + 5 : 5 項目以上
+4および+5には、太字で強調表示されている最初の3つの項目が満たされていなければならない。
ジャンプ要素
- 高さおよび距離が非常に良い(ジャンプコンボおよびシークェンスでは全ジャンプ)。
- 踏切および着氷が良い。
- 開始から終了まで無駄な力が全く無い(ジャンプコンボおよびシークェンスではリズムを含む)。
- ジャンプの前にステップ、予想外または創造的な入り方。
- 踏切から着氷までの身体の姿勢が非常に良い。
- 要素が音楽に合っている。
スピン
- スピン中の回転速度および/または回転速度の増加が十分。
- 良くコントロールされた、明確な姿勢(フライング・スピンの場合には高さ、空中/着氷姿勢を含む)。
- 開始から終了まで無駄な力が全く無い。
- 回転軸を維持する。
- 創造的。
- 要素が音楽に合っている。
ステップ・シークェンス
- 深いエッジ、明確なステップおよびターン、全身のコントロール。
- 要素が音楽と合っている。
- エネルギー、流れ、出来栄えが十分で、開始から終了まで無駄な力が全く無い。
- フリーフットの変化を含む身体の動きが創造的。
- 氷面を十分にカバーしている、あるいはパターンが興味深い。
- シークェンス中の加速および減速が十分。
コレオグラフィック・シークェンス
- 創造的。
- 要素が音楽と合っており、プログラムのコンセプト/特徴を反映している。
- エネルギー、流れ、出来栄えが十分で、開始から終了まで無駄な力が全く無い。
- 氷面を十分にカバーしている、またはパターンが興味深い。
- 十分に明確で正確。
- 全身の優れた関わりとコントロール。
エラーに対する引き下げ
無価値(no value)要素はジャッジパネルに示される。そのような要素のGOEは結果に影響しない。
複合エラーの場合には、それぞれのエラーに対するGOEの引き下げが合算される。
ジャンプ要素
SP:要件を満たさないジャンプ要素の最終のGOEは必ず | GOE -5 | ダウングレード判定(Downgraded)(記号 <<) | -3 〜 -4 |
転倒 | -5 | 回転数不足判定(Under-rotated)(記号 <) | -2 〜 -3 |
1ジャンプの着氷が両足 | -3 〜 -4 | 4分の1不足で着地(記号 q) | -2 |
ジャンプのコンボ/シークェンスで複数の“q” | -3 〜 -4 | ||
1ジャンプの着氷でのステップ・アウト | -3 〜 -4 | 4分の1未満の不足(記号なし) | -1 |
ジャンプの間にスリーターン2回(ジャンプ・コンビネーション/シークェンス) | -2 〜 -3 | スピード、高さ、距離、空中姿勢が稚拙 | -1 〜 -3 |
ジャンプ・コンビネーションでジャンプの間にエッジが変わった | -1 〜 -2 | 1ジャンプで両手がタッチ・ダウン | -2 〜 -3 |
F/Lzの踏み切りエッジが違う(記号 e) | -2 〜 -4 | 片手またはフリー・フットがタッチ・ダウン(ジャンプ間を含む) | -1 〜 -2 |
F/Lzの踏み切りエッジが不明確(記号 !) | -1 〜 -2 | ジャンプ間で流れが無い/方向を失う/リズムが無くなる(コンビネーション/シークェンス) | -1 〜 -3 |
F/Lz踏み切りエッジが不明確(記号なし) | -1 | 拙い着氷(悪い姿勢/まちがったエッジ/引っかき等) | -1 〜 -3 |
稚拙な踏み切り | -2 〜 -4 | 長い構え | -1 〜 -3 |
オイラーがステップオーバーになった | -1 〜 -2 |
*回転不足(<):回転不足が4分の1以上2分の1以下。
*4分の1不足で着地(q):テクニカルパネルが記号"q"で指示。
スピン
転倒 | -5 | 稚拙な/ぎこちない、美しさを損ねる姿勢 | -1 〜 -3 |
フリー・フットまたは片手/両手がタッチ・ダウン | -1 〜 -3 | 回転速度が遅い、遅くなる | -1 〜 -3 |
フライングが劣る(フライング・スピン/エントリー) | -1 〜 -3 | 足換えが稚拙(回転方向の転換時を除く、入/出のカーブを含む) | -2 〜 -3 |
出が稚拙 | -1 〜 -3 | ||
フライング・スピンの踏み切りや着氷が正しくない | -1 〜 -2 | 必須回転数に満たない | -1 〜 -3 |
軸の流れ | -1 〜 -3 | 足換えスピンで回転数のバランスが悪い | -1 |
バランスを崩した | -1 〜 -3 |
*難しい入りおよび/または出は、GOEに影響を及ぼす。
ステップ
SP:1回転を超える表内ジャンプが含まれている | -1 | ステップやターンの質が稚拙 | -1 〜 -3 |
転倒 | -5 | 姿勢が稚拙 | -1 〜 -3 |
音楽に合っていない | -2 〜 -4 | 流れやエネルギーがない | -1 〜 -3 |
つまずき | -1 〜 -3 | パターンが小さい | -1 〜 -3 |
コレオグラフィック・シークェンス
転倒 | -5 | つまずき | -1 〜 -3 |
音楽に合っていない | -2 〜 -4 | コントロールを失う/エネルギーがない | -1 〜 -3 |
コレオグラフィックムーブメントのつながりが不足している | -2 〜 -3 | 動作が稚拙 | -1 〜 -3 |
創造性に欠ける | -1 〜 -3 |
リフト
転倒 | -5 | スピードが遅いおよび/または氷面カバーが不十分 | -1 〜 -3 |
上げる過程に重大な問題あり | -3 | 男子の回転が拙劣および/または回転中に止まる | -1 〜 -3 |
上げる過程に小さな問題あり | -1 〜 -2 | 拙い着氷 | -1 〜 -3 |
下す過程に重大な問題あり | -3 〜 -4 | 基本姿勢やバリエーションの到達時間がかかり過ぎ | -1 〜 -3 |
下す過程に小さな問題あり | -1 〜 -2 | フリー・フットのタッチ・ダウン | -1 |
女子の踏み切りまたは着氷が両足 | -2 | 長い構え | -1 〜 -2 |
空中や着氷の姿勢が拙劣 | -1 〜 -3 | 拙劣な踏み切り | -1 〜 -3 |
ツイスト・リフト
転倒 | -5 | ダウングレード判定(Downgraded)(記号 <<) | -2 〜 -4 |
キャッチに重大な問題あり | -3 〜 -4 | 高さまたは距離が拙劣 | -1 〜 -3 |
キャッチに小さな問題あり | -1 〜 -2 | 拙劣な踏み切り(スピード不足、重大なひっかき、トゥを突かない) | -1 〜 -3 |
女子の着氷が両足 | -2 〜 -3 | 拙い着氷(スピード不足、姿勢が悪い) | -1 〜 -2 |
フリー・フットのダッチ・ダウン | -1 | 長い構え | -1 〜 -2 |
ジャンプ要素、スロー・ジャンプ
転倒 | -5 | スピード、高さ、距離、空中姿勢が拙劣 | -1 〜 -3 |
両足着氷 | -3 〜 -4 | 二人の距離が離れている-ジャンプ要素 | -1 〜 -3 |
1ジャンプの着氷でステップ・アウト | -3 〜 -4 | 拙劣な踏み切り | -2 〜 -4 |
二人の回転数が不揃い | -1 〜 -2 | ジャンプ間の流れが悪い/方向を失う/リズムが悪い(コンビネーション/シークェンス) | -1 〜 -3 |
ダウングレード判定(Downgraded)(記号 <<) | -3 〜 -4 | 踏み切り時、男子の姿勢が拙劣-スロー・ジャンプ | -1 〜 -2 |
回転不足判定(Under-rotated)(記号 <) | -2 〜 -3 | 拙い着氷(悪い姿勢/まちがったエッジ/引っかき等) | -1 〜 -3 |
4分1回転不足で着氷(記号 q) | -2 | 長い構え | -1 〜 -3 |
ジャンプのコンボ/シークェンスで複数の“q” | -3 〜 -4 | オイラーがステップ・オーバーになった | -1 〜 -2 |
4分1回転不足で着氷(記号なし) | -1 | 1ジャンプで両手がタッチ・ダウン | -2 〜 -3 |
ジャンプ間にスリー・ターン2回(ジャンプ・コンビネーション/シークェンス) | -2 〜 -3 | 片手またはフリー・フットがタッチ・ダウン(ジャンプ間を含む) | -1 〜 -2 |
F/Lzの踏み切りエッジが違う(記号 e) | -2 〜 -4 | ユニゾンがない | -1 〜 -3 |
F/Lzの踏み切りエッジが不明確(記号 !) | -1 〜 -2 | ジャンプ・コンビネーションでジャンプ間にエッジが変わった | -1 〜 -2 |
F/Lzの踏み切りエッジが不明確(記号なし) | -1 |
ソロ・スピン、ペアスピン
転倒 | -5 | 拙劣な/ぎこちない、美しさを損ねる姿勢 | -1 〜 -3 |
両手がタッチ・ダウン | -2 | 軸の流れ | -1 〜 -3 |
フリー・フットまたは片手がタッチ・ダウン | -1 〜 -2 | 足換えが拙劣 | -2 〜 -3 |
回転速度が遅い、遅くなる | -1 〜 -3 | スピン中に回転が止まる、回転動作の連続性に欠ける(回転方向の転換時は除く) | -1 〜 -2 |
二人の距離が離れている | -1 〜 -3 | フライングが劣る(フライング・スピン/エントリー) | -1 〜 -3 |
踏み切りや着氷が正しくない(フライング・スピン/エントリー) | -1 〜 -2 | ユニゾンがない | -1 〜 -3 |
必須回転数に満たない | -1 〜 -3 | バランスを崩した | -1 〜 -3 |
出が拙劣 | -1 〜 -3 |
デス・スパイラル
転倒 | -5 | 女子の身体(髪を除く)が氷に触れる | -1 〜 -2 |
ピボット姿勢が拙劣(軸足がトウではない等) | -2 〜 -4 | ||
女子または男子の姿勢が拙劣(高過ぎ/低い姿勢が1回転未満) | -1 〜 -3 | 回転速度が遅い、遅くなる | -1 〜 -3 |
女子または男子のエッジがしっかりしていない | -2 〜 -3 | 入りや出が拙劣 | -1 〜 -3 |
ステップ
SP:1回転を超える表内ジャンプが含まれている | -1 | ステップやターンの質が拙劣 | -1 〜 -3 |
パターンが小さい | -1 〜 -3 | ||
転倒 | -5 | 姿勢が拙劣 | -1 〜 -3 |
音楽に合っていない | -2 〜 -4 | 流れやエネルギーがない | -1 〜 -3 |
つまずき | -1 〜 -3 | ユニゾンや空間認識の欠如 | -1 〜 -3 |
コレオグラフィック・シークェンス
転倒 | -5 | つまずき | -1 〜 -3 |
音楽に合っていない | -2 〜 -4 | コントロールを失う/エネルギーがない | -1 〜 -3 |
コレオグラフィックムーブメントのつながりが不足している | -2 〜 -3 | 動作が拙劣 | -1 〜 -3 |
創造性に欠ける | -1 〜 -3 |
追加的な諸注意
GOE判定
以下のようなエラーがある場合には、評価の起点となるGOEは+2を超えてはならない。
転倒、両足着氷、着氷でのステッピングアウト、まちがったエッジ(e)、ダウングレード判定(<<)、リフト中の重大な問題、ツイスト・リフトのキャッチでの重大な問題、必要回転数に満たないスピン(ショートプログラム)、フライングが劣るフライング・スピン、ステップ・シークェンスとコレオグラフィック・シークェンスにおける音楽との不一致、1つの要素で複数のエラーが発生(1つのジャンプに記号!と記号<がついた場合など)。
ジャンプ
- ジャンプ・コンビネーション内のシングルオイラーの回転が半回転以上足りなかった場合、ダウングレード(<<)の対象となり、ダウングレードジャンプの減点が適応される。不足が半回転未満だった場合は、回転不足(<)や4分の1回転不足(q)は適応されず、GOEで減点される。
- ショートプログラムの場合:要件を満たさなかったジャンプ要素の最終GOEは-5とする。例えばジャンプ要素の回転数ミス、繰り返し、ジャンプ・コンビネーションに記号(+COMBO)がついた場合が該当する。
- フリップはバックワードのインサイドエッジで踏み切り、ルッツはバックワードのアウトサイドエッジで踏み切る。テクニカルパネルが踏み切りエッジにエラーありと判定した場合、記号(e)(!)がつく。深刻なエラー(e)の場合は基礎値とGOEのいずれも引き下げ。軽度のエラー(!)の場合は基礎値はそのままで、GOEのみ引き下げられる。
- ジャンプ・コンビネーション中にチェンジエッジがあった場合、GOEを-1から-2引き下げる。
- トウジャンプをエッジで踏み切ったり、トウループがトウアクセルのようになったり、踏み切り時に氷面で過度な回転をしたりと、踏み切りが拙劣だった場合はGOEを-1から-3引き下げる。
- ジャンプ・コンビネーション/シークェンス中に2つのジャンプ間でフリー・フットが氷に触れた場合は、GOEを-1から-2引き下げる。
スピン
- キャメルポジション:キャメルの難しいバリエーションを準備中に、フリーレッグが長時間下がった場合は、「拙劣な/ぎこちない/美しさを損ねる姿勢」であるとしてGOEが引き下げられる。
- 難しい入り方および/または難しい出方:スピンの一部とみなしてGOEに影響する。
コレオグラフィック・シークェンス
- コレオグラフィックムーブメント間のつなぎの欠如:その動作はプログラムの構成を反映・補完するものでなければならない。また、ひとつながりで行われるべきであり、途切れてはならない。