コースの特徴
おそらくマイヨ・ロホを巡る争いは、すでに前夜に決している。残すはマドリード周回コースを舞台に巻き起こる、華やかなスプリント競演会のみ。季節はいつしか夏から秋へと変わり、イタリアから走り出した2025年ブエルタ一行は、ついにスペインの首都へとたどり着く。
111.6kmの短いフィナーレは、マドリード北郊外のアラルパルドから出発する。もはや立ち向かうべき山岳は存在しない。しばらくは和やかな雰囲気の中で、記念撮影や乾杯を楽しめるだろう。ちなみに1年前は、20年ぶりにマドリードを舞台とした個人タイムトライアルが争われ、いわゆる最終日恒例の「パレード走行」は存在しなかった。今年はステージ半ばでマドリード最終周回に滑り込むまでは、おそらくレースらしい動きは見られないはずだ。
世界中の観光客を魅了するプラド美術館のその先の、シベレス広場に引かれるフィニッシュラインを、残り52.1kmでいったん越えたら、いよいよ今大会最後の真剣勝負に突入だ。数人のショーマンたちが、目抜き通りに引かれた全長5.8km×9周回のコースへと、果敢に飛び出していくに違いない。後方ではスプリンターチームが、3つのUターンと2つの直角コーナーが潜むテクニカルな「T」字のサーキットで、厳しいコントロールに乗り出す。決してド平坦なコースでもない。北を目指す時と西へ向かう時は、微妙ながら道は上り基調だ。
2回目のライン通過時には、中間ポイント&ボーナスタイムが懸けられた。もしもポイント賞争い、もしくは総合表彰台争いがいまだ接戦でもつれている場合は、壮絶な順番争いが繰り広げられる可能性もある。
本物のスプリントが切られるのは、9周回目の終わり。山だらけのブエルタを最後まで走り遂げた俊足たちが、2025年グランツール最後の栄光を奪い合い、3週間の長い旅は大団円を迎える。
文:宮本あさか

残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
111.6 km | オフィシャル スタート |
16:44 | 16:44 | 16:44 | 23:44 | 23:44 | 23:44 |
50.0 km | 中間SP | 18:14 | 18:18 | 18:23 | 01:14 | 01:18 | 01:23 |
0.0 km | フィニッシュ | 19:22 | 19:30 | 19:39 | 02:22 | 02:30 | 02:39 |