コースの特徴
スペインの長い夏休みはようやく幕を閉じ、学生たちは今週から新学年を始める。そして2025年ブエルタは、いよいよ第3週に突入だ。休みボケしている余裕などない。罠の多いコースが用意された。これまで2週間かけて築き上げてきたヒエラルキーが、大きくひっくり返る可能性さえある。
イベリア半島の西岸、ポンテベドラ湾の小さな漁村から、比較的穏やかに1日は滑り出す。南を目指すコースは完全な平坦ではないものの、ステージ前半に特筆すべき難所は存在しない。ところがポルトガルとの国境に近づき、ガリニェイロ山脈に踏み込むと、残り94km、コースは突如としてクラシックレースの香りを帯びる。この先には4つの山岳と、いくつものテクニカルな下りが待ち受ける。
残り70kmの1級山岳グロバ(登坂距離11.3km、平均勾配5.4%、最大15%)以降、もはや平地は完全に姿を消す。直線さえほとんど存在しない。2級山岳プラドは覚悟して臨むべし。山道は4.3kmと短く、平均勾配は8.9%と険しく、最終盤には500mにわたり平均16%・最大25%というクレイジーな激勾配ゾーンが立ちはだかる!
一方でラスボスの2級山岳カストロ・デ・エルヴィリェ(8.2km、5.2%)は、むしろ山道の前半がハードパンチャー向け。つまりフィニッシュ手前7kmから、二桁勾配(最大16%)が1kmほど続く。
このプラド→カストロ・デ・エルヴィリェの激坂連続登坂は、2021年大会第20ステージで初めてブエルタに登場した。あの日は逃げとメイン集団とが入り交ざる大乱闘が繰り広げられ、最終日前日にもかかわらず、総合トップ5からなんと2人も陥落。今回も最後まで何が起こるか分からない。劇的な番狂わせが見られるかもしれない。そもそもフィニッシュ地モスが生んだ最大の自転車選手オスカル・ペレイロは、大逃げの果てに、誰も予想すらしていなかった2006年ツールのマイヨ・ジョーヌを勝ち取ったではないか……。
文:宮本あさか



残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
167.9 km | オフィシャル スタート |
13:12 | 13:12 | 13:12 | 20:12 | 20:12 | 20:12 |
94.0 km | 登坂開始 | 15:00 | 15:05 | 15:11 | 22:00 | 22:05 | 22:11 |
85.0 km | 3級山岳 | 15:13 | 15:19 | 15:26 | 22:13 | 22:19 | 22:26 |
69.4 km | 登坂開始 | 15:36 | 15:43 | 15:51 | 22:36 | 22:43 | 22:51 |
58.1 km | 1級山岳 | 15:52 | 16:00 | 16:10 | 22:52 | 23:00 | 23:10 |
31.2 km | 中間SP | 16:32 | 16:42 | 16:53 | 23:32 | 23:42 | 23:53 |
27.7 km | 登坂開始 | 16:37 | 16:47 | 16:59 | 23:37 | 23:47 | 23:59 |
23.4 km | 2級山岳 | 16:43 | 16:54 | 17:06 | 23:43 | 23:54 | 00:06 |
8.2 km | 登坂開始 | 17:05 | 17:17 | 17:30 | 00:05 | 00:17 | 00:30 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:17 | 17:30 | 17:44 | 00:17 | 00:30 | 00:44 |