コースの特徴
短くて、激しい1日。たった136km弱の短距離走の終わりに、とびきり厳しい峠が2つ待ち構えている。長く辛かったアングリルの翌日に、新たな山岳バトルが期待される。
難関山岳ステージとしては、2025年の3つのグランツールの中でも2番目の超短距離走。のんびりしている理由はない。カンタブリア海へ注ぐアビレス河口近くから、プロトンは猛スピードで走り出す。小さい起伏が繰り返し、うねるように蛇行する道を突き進み、あっという間に山の麓に到着だ。
ほんの90km・2時間ほど走っただけで、戦いはいきなりクライマックスに達する。残り45kmから、ステージの「最後から2番目の山岳」としては間違いなく今大会最難関、1級山岳サン・リャウリエンス(登坂距離10.1km、平均勾配8.5%)に挑みかかる。
この山では、ほんのわずかな遅れも、致命傷となりかねない。後半5kmの平均勾配は約11%にも達し、最大14%ゾーンも繰り返し襲い掛かる。その激烈さが山頂まで決して緩むことはなく、しかも全長15kmほどのスピードの出る下りを終えたら、息つく暇なく最終登坂へと放り出される。
1級山岳ラ・ファラポナ(16.9km、5.9%)もまた、上れば上るほど、難度を増していく。爆発的だったステージにふさわしいフィナーレ。ラスト6kmは勾配9%前後の険しい山道が続く。
美しい水をたたえる「ラゴ(湖)」をいくつも抱くラ・ファラポナは、地元スペインにとっては、甘美な思い出を残す山。ブエルタでは過去3回使用され、うち2回は逃げ切りの舞台となったが、残す1回……2014年第16ステージはアルベルト・コンタドールの独走勝利を祝っている。
「エル・ピストレロ」は、クリス・フルームがラスト4kmで見せた加速に、ただひとり同伴した。そして残り1km、逆にライバルを置き去りにすると、この山のてっぺんで最終的なマイヨ・ロホをほぼ確実なものとした。あの年以来、スペイン人によるブエルタ総合制覇は成し遂げられていない。
文:宮本あさか



残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | ||
135.9 km | オフィシャル スタート |
13:50 | 13:50 | 13:50 | 20:50 | 20:50 | 20:50 |
72.2 km | 登坂開始 | 15:25 | 15:30 | 15:36 | 22:25 | 22:30 | 22:36 |
66.4 km | 3級山岳 | 15:34 | 15:39 | 15:45 | 22:34 | 22:39 | 22:45 |
46.0 km | 中間SP | 16:04 | 16:11 | 16:19 | 23:04 | 23:11 | 23:19 |
43.9 km | 登坂開始 | 16:08 | 16:15 | 16:23 | 23:08 | 23:15 | 23:23 |
33.8 km | 1級山岳 | 16:23 | 16:31 | 16:40 | 23:23 | 23:31 | 23:40 |
16.9 km | 登坂開始 | 16:48 | 16:57 | 17:08 | 23:48 | 23:57 | 00:08 |
0.0 km | 1級山岳 フィニッシュ |
17:13 | 17:24 | 17:36 | 00:13 | 00:24 | 00:36 |