コースの特徴
大会2週目の幕開けに、ブエルタ特有の「平坦ステージかつ山頂フィニッシュ」が組み込まれた。ただし「平坦」と謳わる部分は、決して単調でも単純でもはない。
ステージは自治体名ではなく、「施設」の名前を冠している。これもまたブエルタならでは。スタート地のセンダビバは、スペイン最大の「秘境」と呼ばれるバルデナス・レアレス近隣の、巨大な動植物テーマパーク。またフィニッシュ地の「エル・フェリアル」は、ラーラ・ベラグアスキー場に建つ山小屋レストランである。
序盤55kmは、間違いなく平坦ステージそのもの。小さな凸凹は存在するが、コースの道幅は広く、基本的に直線が多い。その後の40kmで、難度レベルはひとつ上がる。無印の上りが2つ待ち受け、しかも1つ目は10km以上もだらだらと上り続ける。
そこから30kmかけて、もう一段階アップ。峡谷の合間の、緩やかにうねる道を突き進む。3級コロナス(登坂距離8.3km、平均勾配4.4%)には、中盤1.5kmにわたり勾配6〜7%ゾーンも潜んでいる。3級からのダウンヒルを終えたら、ウォーミングアップも最終段階。全長30kmの緩やかな上りを経て、最後の山へたどり着く。
いよいよステージも本番だ。1級山岳ベラガ(9.4km、6.3%)は、登坂口から5kmにわたり8%前後の急勾配が続く。しかも残り6kmからの1kmほどは典型的な九十九折で、勾配も最大10%まで跳ね上がる。
この山が2023年に初めてブエルタに登場したのは、エヴェネプールが総合優勝の望みを完全に失った……翌日だった。あの日、後の五輪金メダリストは勇敢に逃げを打ち、残り3.9kmで独走態勢に入った。これほどの短距離で、2位に1分12秒もの大差をつけた。
ラスト1kmで、道は再び平坦になる。コースが引かれた道路の左側はフランスだが、もはや2025年ブエルタが国境線を越えることはない。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | ||
175.3 km | オフィシャル スタート |
13:08 | 13:08 | 13:08 | 20:08 | 20:08 | 20:08 |
55.3 km | 登坂開始 | 15:59 | 16:08 | 16:17 | 22:59 | 23:08 | 23:17 |
47.6 km | 3級山岳 | 16:10 | 16:19 | 16:29 | 23:10 | 23:19 | 23:29 |
22.3 km | 中間SP | 16:46 | 16:57 | 17:09 | 23:46 | 23:57 | 00:09 |
9.4 km | 登坂開始 | 17:05 | 17:16 | 17:29 | 00:05 | 00:16 | 00:29 |
0.0 km | 1級山岳 フィニッシュ |
17:18 | 17:30 | 17:44 | 00:18 | 00:30 | 00:44 |