コースの特徴
大会本国へと帰還したブエルタは、実にブエルタらしく、チームタイムトライアルで戦いを再開する。ツールでは2019年、ジロでは2015年を最後にご無沙汰している団体種目だが、スペイン一周ではいわゆる常連。21世紀だけでもすでに17回目の登場となる!
全長24.1kmのコースは、スペインの奇才、サルバドール・ダリの生誕地フィゲレスを起点に描かれた。1959年には「ツール・ド・フランス」というタイトルの版画を発表し、「選手たちが山岳で苦しむ声を聞くと、最高の作品が生まれる」と自転車レースをこよなく愛した……。そんなシュルレアリスムの大家が手がけた劇場美術館の、赤い塔の前から、1チームずつコースへと走り出していく。
出場全23チームは、第4ステージまでのチーム総合成績に従って、最下位→首位の順でスタートを切る。ただ最終滑走の特権は、個人総合首位を擁するチームに与えられる。もちろんフィゲレスのアイグエス公園で、全力疾走を終えた後にも、同じ人物がマイヨ・ロホを着ているとは限らない。
なにしろ北東方面に時計回りに巡るコースは、いわゆる「TTスペシャリスト向け」。全体的に平坦基調で、しかも長い直線路が多い。大きなギアを回すハイスピード戦の決着は、25分前後と予測されている。
総合争いの選手にとっては絶対に失敗できない試練であり、イタリア&フランスで早くも苦戦を強いられた選手にとっては、貴重なリセットのチャンスとなる。勝敗の鍵は、ずばり、シーズン3番目のグランツールにどれだけ強力なチームを構成できるか。しかも例年とは異なり、今回は開幕TTTではない。すでに4日間の戦いを終えている。早くも8人全員で臨めないチームが存在する可能性もあり、総合リーダーたちのレースに向かう条件は、つまり決して同じではない。
文:宮本あさか

残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||
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第1走者 | 最終走者 | 第1走者 | 最終走者 | ||
24.1 km | スタート | 16:37 | 18:05 | 23:37 | 01:05 |
17.2 km | カバネス | 16:44 | 18:12 | 23:44 | 01:12 |
13.3 km | ペララーダ | 16:48 | 18:16 | 23:48 | 01:16 |
8.7 km | ビリャノヴァ | 16:53 | 17:21 | 20:53 | 00:21 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:02 | 18:30 | 00:02 | 01:30 |