コースの特徴
山頂フィニッシュ3連戦の締めくくりであり、正統派クライマーにとっては、泣いても笑っても、最後のチャンス。総合争いの行方は、もちろん、第20ステージを終えるまで分からない。
ここ2日間のような短距離決戦とは異なり、極めてクラシカルに、約180kmのコース上には、5つの上りが散りばめられた。エスパーニャ・ベルデ(緑のスペイン)と呼ばれるアストゥリアス一帯の地形は、相変わらず、マイヨ・ベルデが欲しいスプリンターには優しくない。一方で山岳ジャージが欲しい面々にとっては、計38ポイントを収集できるこの日は、最後の踏ん張りどころ。しかも2級ラス・エスタカス平均勾配7.5%、1級サン・ロレンソ8.6%、3級テネブレド9.5%、1級ラ・クルス・デ・リナレス8.6%×2回と、いずれも急勾配揃い。ブエルタ初登場の地ポラ・デ・アリャンデを走り出した直後から、脚自慢たちが、果敢な飛び出し合戦を繰り広げてくれるに違いない。
最終盤には変則的な周回コースが描かれた。残り65km、プロアサの町から大きな輪を始め、3級山岳を上り、そこから1級ラ・クルス・デ・リナレスの1回目の登坂へと挑みかかる。山頂のフィニッシュラインを通過し、一旦山を下りると、改めてプロアサを通過。ここで中間スプリントを争ったら、今度は3級には向かわず、直接1級最終登坂へと突入だ。
史上初めてブエルタフィニッシュを迎え入れる最終峠自体は、決してクラシカルではない。さすが大会最後の山頂フィニッシュ地に選ばれただけはある。ラ・クルス・デ・リナレスもまた、呆れるほどに難しい山だ。登坂距離は8.3km、平均勾配は前述通り8.6%。登坂口直後にいきなり15%の激勾配がガツンと訪れる。なにより序盤5kmの平均勾配は9.7%!その後ほんの少し緩んだように見せかけて、再び1kmにわたり9%超のゾーンが襲い掛かる。またロードブックには、残り4.2kmと1.1km、そしてフィニッシュ直前に「細道注意」のマークが書き込まれているが、むしろ山全体を細道注意に指定すべきだろう。舗装状態も極めて悪い。いかにもブエルタらしい、死闘フィニッシュは約束されている。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 12:55 | 12:55 | 12:55 | 19:55 | 19:55 | 19:55 |
48.8 km地点 | 2級山岳 | 14:06 | 14:10 | 14:14 | 21:06 | 21:10 | 21:14 |
88.6 km地点 | 1級山岳 | 15:04 | 15:11 | 15:18 | 22:04 | 22:11 | 22:18 |
121.2 km地点 | 3級山岳 | 15:52 | 16:01 | 16:11 | 22:52 | 23:01 | 23:11 |
153.9 km地点 | 1級山岳 ボーナスタイム |
16:40 | 16:51 | 17:04 | 23:40 | 23:51 | 00:04 |
162.6 km地点 | 中間SP | 16:52 | 17:05 | 17:18 | 23:52 | 00:05 | 00:18 |
178.9 km地点 | 1級山岳 フィニッシュ |
17:16 | 17:30 | 17:45 | 00:16 | 00:30 | 00:45 |