コースの特徴
いわゆる移動ステージ。大会3日目に立ち寄ったピレネー山脈へと、再び挑みかかる前の、スプリンターのための数少ないチャンスでもある。難関山頂フィニッシュ2連発を控え、総合エースたちはできる限り体力温存に努めたい。
ブエルタ初登場の小さなオルベガから、史上50回近くもスペイン一周を受け入れてきた大都市サラゴサまで、約151kmの旅。累積獲得標高はわずかに922mで、逆に「損失」が1.5倍ほど。つまりスタートから約25kmは下り基調で、ほんの僅かに上った後、再び40kmほどは下り坂。ステージ半ばから35kmほどゆるやかな上り坂をこなすものの、ラスト40kmは、道は延々と下っている。
また使用される道は直線が多い。最終6kmはいくつかコーナーやロータリーも待ち受けているが、ラスト1kmは、ゆるやかな弧を描きつつサラゴサの中心街を駆け抜ける。道幅も広く、障害物は一切存在しない。
大集団スプリントフィニッシュ以外のシナリオが、果たして起こり得るだろうか。そもそも参戦しているスプリンターの数が多くないせいで、追走隊列が上手く機能しない可能性はある。なにより「風」が、集団の邪魔をするかもしれない。
サラゴサは風の町だ。特に冬に吹き付ける冷たい北西風はシエルソと呼ばれ、サラゴサにもシエルソ通りが存在する。南東から吹き付けるボチョルノは、冬には温かさを運んでくれるけれど……夏に吹けば恐ろしい酷暑となるらしい。風力発電ファームはこの地方のあちこちに点在し、とにかく年間の4分の3は強風が吹き荒れているとさえ言われる。この9月7日には、どんな風が、プロトンに吹き付けるだろうか。
文:宮本あさか
Difference in height
高低差図
Time schedule
タイムスケジュール
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | 47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 14:10 | 14:10 | 14:10 | 21:10 | 21:10 | 21:10 |
131.9 km地点 | 中間SP ボーナスタイム |
16:58 | 17:05 | 17:14 | 23:58 | 00:05 | 00:14 |
150.6 km地点 | フィニッシュ | 17:22 | 17:30 | 17:40 | 00:22 | 00:30 | 00:40 |