コースの特徴
今大会は難関・丘陵・平坦ステージをすべてひっくるめて、計9回の山頂フィニッシュが組み込まれた。今回はその3度目にして、1回目の休息日前夜に待ち構えるのは、未知なる上り。あまりに異質な地形に、総合エースたちは足元をすくわれてしまわぬよう、心してかかるべし。
開幕時からずっと目を楽しませてくれた地中海も、ついに見納め。カルタヘナの港を後にすると、プロトンは一路内陸へ。道が険しさを増すのは、48km地点で、1級山岳を上り始めてから。全長12.1km・平均勾配5%の山道は、逃げの形成をうながし、非クライマーをふるいにかけるはずだ。ただ勝負の地はいまだ遠い。しばらくは小さなアップダウンを繰り返し、さらにステージも残り50kmを切ると、上り基調の道でじわじわと脚を消耗していく。
エルサレム、ローマ、サンチアゴ・デ・コンポステーラ、サント・トリビオ・デ・リエバナと並ぶ、カトリック界における「聖なる都市」、カラバカ・デ・ラ・クルスには残り9.5km地点で敬意を払う。過去何度かブエルタはこの地に脚を止めたし、2020年ムルシア一周では聖堂へと続く石畳の激坂で勝負を競ったが、この日のお楽しみはその先にある。
2024年にやってくる7年に1度の聖年を大々的に宣伝するために、自治体は山の細道を新たに整備し、そこにカラバカ・デ・ラ・クルスの名をつけた。つまり全長8km、平均勾配5.6%の最終2級峠だ!
数字に騙されるなかれ。とにかく緩急が激しい山道で、勾配はマイナスから20%まで小刻みに行ったり来たりを繰り返す。中でも山頂まで3km地点からは、1kmにわたって12%の難勾配が続く。最大20%ゾーンも紛れている。さらに一旦短い下りを挟んで、ラスト1km強も勾配9.5%。細かいリズムの変化に対応する能力と、とびきりの爆発力を有していなければ、聖なる山を攻略することはできない。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | ||
0 km地点 | スタート | 12:39 | 12:39 | 12:39 | 19:39 | 19:39 | 19:39 |
60.1 km地点 | 1級山岳 | 14:04 | 14:09 | 14:13 | 21:04 | 21:09 | 21:13 |
169.2 km地点 | 中間SP ボーナスタイム |
16:40 | 16:52 | 17:05 | 23:40 | 23:52 | 00:05 |
184.5 km地点 | 2級山岳 フィニッシュ |
17:02 | 17:15 | 17:30 | 00:02 | 00:15 | 00:30 |