コースの特徴
予定より2カ月遅れで始まるスペイン一周。本来のオランダ開幕であれば、例年通り、チームタイムトライアルで大会初のマイヨ・ロホを選び出すはずだった。しかし「ニューノーマル」のブエルタでは、いきなり山岳巧者に赤いジャージが手渡される。
フランスとの国境の町から、いつもより3日短い、18日間の旅が始まる。思いがけず開幕地となったのは、自転車熱狂の地バスク。独立運動の影響で長らくブエルタ通過が叶わわなかったせいもあり、実に59年ぶりにバスク州でのグランツール開幕が実現した。
その1961年開幕地であり、夏の終わりのクラシックで名高いサン・セバスティアンを通過するステージ前半は、比較的平坦な道が続く。折り返し地点を過ぎると、立て続けに3級峠が2つ。選手たちは大急ぎで足を慣らさねばならない。
その後に中間ポイントが差し込まれているのは、いかにもブエルタならでは。スペインにおける「マイヨ・プントス」とは、キング・オブ・スプリンターの証ではない。むしろ通過順に3秒、2秒、1秒のボーナスポイントが与えられる、総合争いを左右する戦略的ポイントなのだ。
終盤25kmには改めて2つの峠の連続登坂が待っている(3級→1級)。最終峠の1級アラテはかなりの急坂だ(登坂距離5.3km、平均勾配7.7%)。中盤に3kmに渡って勾配約10%ゾーンが続き、最大13%も2ヶ所登場する!
総合本命たちは、山頂で配分されるポイントには、もしかしたら興味はないかもしれない。むしろ2.5kmの平坦路(下り基調)の先に引かれたフィニッシュラインで、区間勝利とボーナスタイムが欲しいはずだ。10秒、6秒、4秒のご褒美は、初日マイヨ・ロホはもちろん、18日後のマイヨ・ロホへ向けても大切な一歩となる。
ちなみに10月6日の開催委員会の発表によると、アラテ峠は無観客ゾーンとされる。
文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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42KM/H | 40KM/H | 38KM/H | 42KM/H | 40KM/H | 38KM/H | ||
0km地点 | スタート地点 | 13:11 | 13:11 | 13:11 | 20:11 | 20:11 | 20:11 |
98km地点 | 3級山岳 | 15:31 | 15:38 | 15:45 | 22:31 | 22:38 | 22:45 |
119.7km地点 | 3級山岳 | 16:02 | 16:10 | 16:20 | 23:02 | 23:10 | 23:20 |
149.4km地点 | 中間スプリント | 16:44 | 16:55 | 17:06 | 23:44 | 23:55 | 0:06 |
156km地点 | 3級山岳 | 16:53 | 17:05 | 17:17 | 23:53 | 0:05 | 0:17 |
170.5km地点 | 1級山岳 | 17:14 | 17:26 | 17:40 | 0:14 | 0:26 | 0:40 |
173km地点 | ゴール地点 | 17:18 | 17:30 | 17:44 | 0:18 | 0:30 | 0:44 |