コースの特徴
ツール・ド・フランスの幸せな大団円。世界で最も華やかな大通りへ、黄色いプロトンが2年ぶりに帰還を果たす。しかも、2025年大会で晴れて50周年を迎える最終周回コースに、今年、新たな名物が加わる。よりいっそうパリらしい風景の中で、3週間の熱く長い旅は、にぎやかに幕を下ろす。
1903年に誕生したツールは、昨夏、史上初めてパリ以外で最終日を迎えた。パリ五輪の影響だった。この7月には、そのパリ五輪のレガシーが、第112回の開催を数えるツール最終日に新しい魅力を与える。
フランスの首都の西郊外マント・ラ・ヴィルから、2025年最後のステージは走り出す。パリまでの道中では、1年前にトラックやBMXが開催されたフランス国立自転車競技場や、MTBが行われたエランクールの丘のすぐそばを通過。もちろん、近年の例に倣って、フランスの栄光の象徴であるヴェルサイユ宮殿も経由する。スタートから10km地点と、パリ突入4km前に、それぞれ勾配のキツイ4級山岳が待ち構えているものの、おそらく最終日特有の凱旋パレード気分を邪魔することはないだろう。
残り80.6kmでパリに入場すると、レムコ・エヴェネプールがパリ五輪ロード&個人TTの勝利を祝ったエッフェル塔を眺めつつ、いつも通りにルーヴル美術館の中庭も駆け抜ける。シャンゼリゼのど真ん中に引かれたフィニッシュラインを、残り70.7kmで横切ったら、いよいよ最終周回コースへ。
まずはおなじみの1周6.8kmのサーキット──シャンゼリゼ上り→凱旋門→シャンゼリゼ下り→コンコルド広場→チュイルリー公園外周→コンコルド広場→シャンゼリゼ上り──を3周回。3周回目のシャンゼリゼ上部では、今大会最後の中間スプリントも争われる。
3周回目を終えた後も、そのまま凱旋門→シャンゼリゼ下り→コンコルド広場→チュイルリー公園外周と同じ道をこなすものの、コンコルド広場に滑り込んだ直後に、プロトンは右折。北へ進路を取り、ついに1周16.8kmの第2サーキット×3周回の始まりだ。
目指すはモンマルトルの丘。パリ五輪で使用された石畳の坂道を3回上り、白亜のサクレ・クール寺院前を全力疾走する。パリの細い路地裏では、あの日のように……ファンの歓声が響き渡ることだろう!
全長1.1km、平均勾配5.9%の4級山岳×3回が、「スプリンターの世界選手権」とも称される長い伝統を、果たして書き換えてしまうだろうか?もしも事前アタックで最終日のステージ優勝が決まった場合、2005年のアレクサンドル・ヴィノクロフ以来……実に20年ぶりの快挙となる!
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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43 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 43 km/h | 41 km/h | 39 km/h | ||
132.3 km | オフィシャル スタート |
16:25 | 16:25 | 16:25 | 23:25 | 23:25 | 23:25 |
122.3 km | 4級山岳 | 16:39 | 16:40 | 16:40 | 23:39 | 23:40 | 23:40 |
86.4 km | 4級山岳 | 17:29 | 17:32 | 17:35 | 00:29 | 00:32 | 00:35 |
56.4 km | 中間SP | 18:11 | 18:15 | 18:22 | 01:11 | 01:15 | 01:22 |
39.6 km | 4級山岳 | 18:31 | 18:37 | 18:44 | 01:31 | 01:37 | 01:44 |
22.8 km | 4級山岳 | 18:55 | 19:02 | 19:10 | 01:55 | 02:02 | 02:10 |
6.1 km | 4級山岳 | 19:18 | 19:26 | 19:36 | 02:18 | 02:26 | 02:36 |
0.0 km | フィニッシュ | 19:26 | 19:35 | 19:45 | 02:26 | 02:35 | 02:45 |