コースの特徴
パリ到着前日としては、かなり珍しいタイプのコース──丘陵ステージが用意された。ツール・ド・フランスの長い伝統に則れば、最終日前日は、個人タイムトライアルと決まっている。クリスティアン・プリュドムが2007年に開催委員長に就任してからは、「パリと山頂を近づけよう」とのスローガンのもと、山頂フィニッシュ、もしくは難関山岳が組み込まれることも増えてきた。TTでも難関山岳でもないステージが最終日前日に行われたのは、2001年大会まで遡らねばならない。
アルプスを抜け出したばかりのツール一行は、ジュラ山塊へと立ち寄る。ツール・ド・ランでおなじみのステージ地ナンテュアから走り出し、ツール・デュ・ドゥブの伝統的ステージ地ポンタルリエへ。道中には中難度の山岳が4つと、無数のアップダウンが連なる。今大会いまだに成功をつかめていないクライマーやパンチャー、そして逃げ屋にとっては、3週間で最後の輝けるチャンスとなる。
スタート直後の3級山岳(登坂距離12.1km、平均勾配4.1%)を利用して、次々と飛び出しがかかるはずだ。勝負に向けたふるい分けが進むのは、おそらく残り62.6kmの2級テジー(3.6km、8.9%)。ただ残り24kmで最後の4級山岳を終えても、試練は終わらない。特にラスト10kmの未分類の坂道は、ちょっとしたパンチが必要だ。
果たしてマイヨ・ジョーヌや表彰台を巡る争いが、最後にもう一度、巻き起こるだろうか。すべてはタイム差次第。そもそも今年は最終日パリの周回コースが変更されたからこそ……もしかしたら、ポンタルリエの鉄道駅の真正面に引かれるフィニッシュラインを越えても、最終的な総合トップ10が確定しない可能性もなくはない。
フィニッシュ予定タイムは、他のステージよりも少し早い。もちろん恒例のマイヨ・ジョーヌ記者会見が行われるからであり、パリ郊外までの465kmの長旅が待っているからでもある。しかも、男子プロトンがフランスの東側でステージを終えた1時間ほど後に、フランスの西側では、女子ツール第4回大会が「ナイトステージ」から走り出すのだ!!
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | 47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | ||
184.2 km | オフィシャル スタート |
12:15 | 12:15 | 12:15 | 19:15 | 19:15 | 19:15 |
159.5 km | 3級山岳 | 12:52 | 12:54 | 12:56 | 19:52 | 19:54 | 19:56 |
139.1 km | 4級山岳 | 13:17 | 13:20 | 13:24 | 20:17 | 20:20 | 20:24 |
111.9 km | 中間SP | 13:50 | 13:55 | 14:00 | 20:50 | 20:55 | 21:00 |
62.6 km | 2級山岳 | 14:54 | 15:02 | 15:10 | 21:54 | 22:02 | 22:10 |
24.1 km | 4級山岳 | 15:43 | 15:52 | 16:03 | 22:43 | 22:52 | 23:03 |
0.0 km | フィニッシュ | 16:12 | 16:23 | 16:35 | 23:12 | 23:23 | 23:35 |