コースの特徴
ピュアスプリンターにとっては、おそらく最終日パリを除けば最後の勝機。それでいてスプリンターでもクライマーでもない選手たちにとって、さらにはいまだ区間勝利を手にしていないチームにとっても、残り少ない「逃げ切り」のチャンスなのだ。逃げとプロトンによる、手に汗握る追いかけっこが繰り広げられるかもしれない。
隣町のサン・ポール・トロワ・シャトーは過去15年で5度もツール一行を受け入れてきたが、ボレーヌにとっては、史上初めてのツールステージ開催。「太陽の高速道路」と呼ばれ、南へと向かうバカンス客で賑わう高速道路7号線沿いの町から、逆にプロトンは北へと向かう。
行く手には4級山岳が2つだけ。しかも残り43.4kmで2つ目を越えれば、あとはフィニッシュまで平地が続く。グランツール序盤であれば、確実に大集団スプリントで終わるステージだ。ただし大会3週目だからこそ、状況は異なる。脚にはピレネーとモン・ヴァントゥの疲れが蓄積している。何人かのスプリントエースはすでに大会を去り、長時間の追走作業を積極的に請け負うチームの数も、大会序盤ほど多くはない。
ローヌ渓谷を南北に吹き抜けるミストラルが、集団を極限までナーバスに追い込む可能性もある。もしくは翌日からのアルプス山頂2連戦を控える総合系チームが、逃げの飛び出しを見送った後、強制的にステージを「休息日」に変えてしまうことだってあり得る。
ただ近年にヴァランスで区間フィニッシュが争われた際には、2018年ペテル・サガン、2021年マーク・カヴェンディッシュと、その年のマイヨ・ヴェールが、まさにマイヨ・ヴェール姿で区間を勝ち取ってきた。やはりスプリンターたちにとっては、力を振り絞る価値のある場所なのだ。
もしも予定通りに大集団スプリントで締めくくられた場合、全力疾走の最終ストレートは600m。ラスト4kmから2kmまでの間に4つのロータリーが待ち構えているから、ポジション取りは極めて重要になる。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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48 km/h | 46 km/h | 44 km/h | 48 km/h | 46 km/h | 44 km/h | ||
160.4 km | オフィシャル スタート |
13:50 | 13:50 | 13:50 | 20:50 | 20:50 | 20:50 |
112.5 km | 中間SP | 14:50 | 14:52 | 14:55 | 21:50 | 21:52 | 21:55 |
94.1 km | 4級山岳 | 15:13 | 15:15 | 15:20 | 22:13 | 22:15 | 22:20 |
43.4 km | 4級山岳 | 16:16 | 16:23 | 16:29 | 23:16 | 23:23 | 23:29 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:10 | 17:19 | 17:29 | 00:10 | 00:19 | 00:29 |