コースの特徴
わずか5日間と短かった第2週目の最終日。ピレネーを抜け出したばかりだというのに、この日は中央山塊の難解な細道が襲い掛かる。さらにステージの最終盤は、南東から吹き上げる地方風オータンの通り道。翌日の休息日を心静かに過ごすために、最後まで気を緩めてはならない。
ミュレが生んだ発明家クレマン・アデールは、飛行機や電話の真価に寄与しただけでなく、生まれたてほやほやの「自転車」の改良にも夢中になったという。そんな偉人の没後100年の年に、ミュレが再びツールのステージ地に選ばれた。4年前にこの町から走り出した時は、ピレネーへと突き進み、タデイ・ポガチャルの山頂勝利で締めくくられたが、今回は、高山から遠ざかっていく。進路は東へ。
コース序盤に地形的な難所はない。つまり「逃げ切りもあり得る地形」と「翌日は休息日」の掛け算で、熾烈なアタック合戦が長時間にわたり繰り広げられるかもしれない。特にピレネーを生き残ったスプリンターたちが、59.8km地点で中間スプリントを争うまでは、飛び出しが許されない可能性も。
70kmほど走り、中央山塊の南端に位置するオー・ラングドック地方自然公園に足を踏み入れると、いよいよ起伏の始まり。まずは2つの3級山岳をこなす。道は細く、延々とうねっていて、特に2つ目のソレーズからの下りは、凄まじいヘアピンカーブの連続だ。
2級パ・デュ・サンの山道は2.9kmと長くはないが、平均勾配10.2%というひどい激勾配。しかも残り52.7km地点で山岳ポイントを争った後にも、さらに11km近くもだらだらと勾配2.5%前後の苦しみは続く。ラスト35kmでようやく道は下り基調へ。次第に道幅は広がっていき、いつしかテクニカルなカーブは姿を消し、やがて道は平坦になる。
フィニッシュラインはカルカッソンヌの「いつもの地点」に引かれる。少なくともラスト約6kmは、いわゆる2021年にマーク・カヴェンディッシュが、2022年にヤスペル・フィリプセンが大集団スプリントを制したステージと、完全に同じコースをたどる。ただし導き出される結果は、決して同じではないだろう。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | 47 km/h | 45 km/h | 43 km/h | ||
169.3 km | オフィシャル スタート |
13:30 | 13:30 | 13:30 | 20:30 | 20:30 | 20:30 |
109.5 km | 中間SP | 14:46 | 14:50 | 14:53 | 21:46 | 21:50 | 21:53 |
96.5 km | 3級山岳 | 15:04 | 15:09 | 15:13 | 22:04 | 22:09 | 22:13 |
82.7 km | 3級山岳 | 15:27 | 15:33 | 15:39 | 22:27 | 22:33 | 22:39 |
52.7 km | 2級山岳 | 16:05 | 16:13 | 16:21 | 23:05 | 23:13 | 23:21 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:08 | 17:18 | 17:29 | 00:08 | 00:18 | 00:29 |