コースの特徴
道の上には4つの巨大な伝統峠が立ちはだかる。コース終盤110kmはまるで「のこぎりの歯」のようで、ひたすら長い上りと長い下りを繰り返す。締めくくりは3日連続の山頂フィニッシュ。ピレネーをマイヨ・ジョーヌで抜け出す者は、果たして誰だ。
スタート地のポーは、もはやツールに欠かせない風景だ。10年前にはツール屋外博物館をオープンし、2019年にはマイヨ・ジョーヌ100周年を、フランス大統領エマニュエル・マクロンの立会いのもとに祝った。21世紀に入ってこの町が登場しなかった年はたったの4回だけで、ポー発のステージを、タデイ・ポガチャルはなんと3回も制している!そんなポーから走り出すと、序盤70kmはひたすら平野を南下する。昨大会の第14ステージでも同じ道を通ってトゥルマレへと向かったが、その時は逃げの形成までに50kmを要した。
そこから「1910年ツール史上初の難関山岳越え」の舞台となった3つの峠へ。超級トゥルマレ(登坂距離19km、平均勾配7.4%)の標高2115mの山頂では、「ジャック・ゴデ賞」目指して熾烈な山頂スプリントが見られるかもしれない。さらには2級アスパン(5km、7.6%)、1級ペイラスルド(7.1km、7.8%)を続けざまにこなす。
獲得標高4950mの激戦を締めくくるのは、超級リュション・シューペルバニエール。現代ツール設備を運ぶには「重量オーバー」だった古い橋が、2年前に架け替え工事を終えたおかげで、36年ぶりの帰還が実現した。つまり、すべての現役選手にとって未知の上りである。全長12.4km、平均勾配7.3%の山道は、麓からしばらくはカーブの少ない一定の勾配路が続く。しかしラスト6kmを切ると、突如として道はうねるように曲がりくねり、勾配も上下に波打つ。時に10%超ゾーンも登場する。
ある者にとっては不吉で、ある者にとっては野心をかきたてられる1日となるだろう。実は今回のコースは、1986年大会の第13ステージをまるごと再現したもの。39年前もやはりポーからスタートし、同じ伝統3峠をこなし、ついにはシューペルバニエールへと上り詰めた。フランスにとっては「斜陽の始まり」を告げるステージだった。山頂ではいまだ前大会覇者ベルナール・イノーが総合首位につけていたが、若きチームメイトのグレッグ・レモンが区間を制し、総合の遅れを大幅に縮めたのだった。そして数日後のアルプスでイノーはマイヨ・ジョーヌを脱ぐ。永遠に。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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37 km/h | 35 km/h | 33 km/h | 37 km/h | 35 km/h | 33 km/h | ||
182.6 km | オフィシャル スタート |
12:15 | 12:15 | 12:15 | 19:15 | 19:15 | 19:15 |
112.5 km | 中間SP | 13:48 | 13:53 | 13:57 | 20:48 | 20:53 | 20:57 |
93.1 km | 超級山岳 | 14:36 | 14:45 | 14:55 | 21:36 | 21:45 | 21:55 |
63.3 km | 2級山岳 | 15:20 | 15:31 | 15:44 | 22:20 | 22:31 | 22:44 |
32.5 km | 1級山岳 | 16:11 | 16:25 | 16:42 | 23:11 | 23:25 | 23:42 |
0.0 km | 超級山岳 フィニッシュ |
17:07 | 17:24 | 17:44 | 00:07 | 00:24 | 00:44 |