コースの特徴
ピレネー3連戦の幕が明け、しかも3日連続の山頂フィニッシュ。真のクライマーたちが舞台の中心に立ち、すでに11日間かけて築き上げられてきたプロトン内のヒエラルキーは、根底から覆されるかもしれない。マイヨ・ジョーヌ争いは、いよいよ本番に突入だ。
中世の風景を色濃く残すオーシュは、今からちょうど50年前の1975年に、史上初めてツールのステージを迎え入れた。そしてエディ・メルクスのツール区間34勝目……つまり人生最後の区間勝利を見届けた。そんな町から、今大会初の難関山岳ステージへと走り出す。
山地へと向かってひたすら南下していくステージの前半は、ほぼ平坦だ。逃げ出す決め手のないまま、長時間にわたるアタック合戦が繰り広げられるかもしれない。もしもマイヨ・ヴェール争いが接戦の場合は、95km地点の中間ポイントまで、スプリンターたちが活発に動く可能性も。
獲得標高3850mの大部分は、つまり終盤の約60kmに詰め込まれている。まず取り掛かるのは1級山岳コル・デュ・スロール(登坂距離11.8km、平均勾配7.3%)。今大会初の10kmを超える本格登坂で、あっという間に集団はふるいにかけられるだろう。休む暇なく2級山岳コル・デ・ボルデール(3.1km、7.7%)が襲い掛かる。短い上りは14%超ゾーンも潜む急勾配で、一方の長い下りはひどい細道な上に、ナーバスなヘアピンカーブがいくつも続く。
そして3年ぶりのオタカム帰還。ケルト語で「高い岩だらけの山の平らな頂上」という意味のこの場所には、2025年大会の総合大本命2人の記憶が刻まれている。2022年第18ステージ、ここでヨナス・ヴィンゲゴーが、「マイヨ・ジョーヌ姿」で初めて区間勝利を挙げた。同時にタデイ・ポガチャルがライバルから改めて1分以上もの遅れを喫し、パリ到着の3日前に、2人の戦いに完全に決着がついたのだった……。
今年はここから総合バトルが過熱する。オタカムの山道は全長13.5km、平均勾配7.8%。絶好調のワウト・ファンアールトが長時間ヴィンゲゴーのためにリズムを刻んだ山道は、麓からの6kmは6%台の一定勾配が続き、その後じわじわと険しさを増す。ラスト6km前後からは、約2kmにわたって、勾配は二桁台に跳ねあがる。3年前にヴィンゲゴーが勝利へと飛び立った残り3.6km前後もまた、10.5%の難ゾーンであった。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 42 km/h | 40 km/h | 38 km/h | ||
180.6 km | オフィシャル スタート |
13:25 | 13:25 | 13:25 | 20:25 | 20:25 | 20:25 |
89.2 km | 4級山岳 | 15:25 | 15:30 | 15:36 | 22:25 | 22:30 | 22:36 |
85.5 km | 中間SP | 15:30 | 15:35 | 15:42 | 22:30 | 22:35 | 22:42 |
46.5 km | 1級山岳 | 16:32 | 16:42 | 16:52 | 23:32 | 23:42 | 23:52 |
34.9 km | 2級山岳 | 16:48 | 16:59 | 17:10 | 23:48 | 23:59 | 00:10 |
0.0 km | 超級山岳 フィニッシュ |
17:32 | 17:44 | 17:58 | 00:32 | 00:44 | 00:58 |