コースの特徴
またしてもパンチャーの脚がうなる。逃げ切りを企む者たちも少なくはないだろう。獲得標高は3550mとちょっとしたアップダウンクラシック並で、しかもフィニッシュは今大会2度目の上り坂!
先の世界大戦の激戦地で争われる1日は、ツールとノルマンディの絆を思わせるステージでもある。スタート地バイユーは、昨大会2日目に区間を制したケヴィン・ヴォークランの地元であり、フィニッシュ地ヴィール=ノルマンディーは、ツールの現レース委員長……つまりコース作成責任者ティエリー・グヴヌーの故郷。今区間のルート作りに協力したというギヨーム・マルタンが暮らす町も、もちろん残り126km地点で通過する。残り65kmでは、40年間にわたり「ツールの声」であり続けたダニエル・マンジャスにも敬意を払う。
征服王ギヨーム1世の英雄譚が織り込まれたタピスリーで知られるバイユーから、一行は南を目指す。ステージ序盤で中間スプリントを争ったら、その先で「スイス・ノルマンド(ノルマンディのスイス)」と呼ばれる一帯を駆け抜ける。つまり牧歌的な風景の中に、細くうねる道がのび、起伏がいくつも連なる。35.5km地点では、カルヴァドス県で最も標高が高い山、3級モン・パンソンを踏破。とはいえ標高353mに過ぎないが。
戦いが本格化するのは、おそらく残り63.5kmの3級モルタン・コート314(登坂距離1.6km、平均勾配9.5%)から。その後も繰り返される上り下りが、脚のないものを容赦なく振り落としていくだろう。最後の山岳4級ヴォドリー坂は、残り距離の点でも(4.4km)、その厳しさからも(1.2km、7.2%、最大11%)、アタックを仕掛けるには絶好の場所に違いない。
ただし、最後にもう1度もがくための脚力を、しっかり残しておかねばならない。ツールがこの地に最後に立ち寄った1997年は大集団スプリントで幕を下ろしたが、今回フィニッシュラインが引かれるのは、全長700m・勾配10.2%の坂道を上り詰めた果てなのだ。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
45 km/h | 43 km/h | 41 km/h | 45 km/h | 43 km/h | 41 km/h | ||
201.5 km | オフィシャル スタート |
12:45 | 12:45 | 12:45 | 19:45 | 19:45 | 19:45 |
179.3 km | 中間SP | 13:14 | 13:16 | 13:17 | 20:14 | 20:16 | 20:17 |
166.0 km | 3級山岳 | 13:32 | 13:34 | 13:37 | 20:32 | 20:34 | 20:37 |
145.5 km | 3級山岳 | 14:00 | 14:03 | 14:07 | 21:00 | 21:03 | 21:07 |
63.5 km | 3級山岳 | 15:49 | 15:57 | 16:07 | 22:49 | 22:57 | 23:07 |
47.0 km | 3級山岳 | 16:11 | 16:20 | 16:31 | 23:11 | 23:20 | 23:31 |
27.2 km | 3級山岳 | 16:37 | 16:48 | 17:00 | 23:37 | 23:48 | 00:00 |
4.4 km | 4級山岳 | 17:08 | 17:20 | 17:33 | 00:08 | 00:20 | 00:33 |
0.0 km | フィニッシュ | 17:14 | 17:26 | 17:40 | 00:14 | 00:26 | 00:40 |