コースの特徴
真価が問われる試練。各々の調子が、白日の下にさらされる瞬間。全長33kmの個人タイムトライアルが、マイヨ・ジョーヌ争奪戦に早くも順列をつけ、この先の総合争いの行方も示してくれるはずだ。
2025年春から「千年祭」を祝っているカーンにとっては、ほんの最近のことに過ぎないかもしれないが、ツールが初めてこの地で勝負を争ったのは、ちょうど120年前のことだった。またノルマンディの古都でTTが行われるのは、1975年のエトワール・デ・エスポワール以来50年ぶり。ちなみに今回と同じく33kmの距離で争われ、優勝タイムは44分41秒。平均時速は44.312kmだった。
開催委員会の計算によれば、今年のフィニッシュタイムは37分前後。つまり時速53.5km超の高速バトルが予想される。中間計測は3回(8.2km地点、16.4km地点、24.8km地点)。
カーンの市街地を起点に、北側へと大きく一周するコースが描かれた。運河のほとりでスタートを切ると、直後の3.5kmは緩やかな上り。カーン城の外周路を走り、市街地特有のカーブもいくつかこなす。
町の北側へと抜け出したら、その後の約25kmは、基本的には長い直線とわずかなカーブの組み合わせ。しかも6km地点で左折すると、そこからの6kmほどは、県道79号線をひたすら北へと向かうだけ。独走スペシャリストにとっては大きなギアを回し、スピードに乗るチャンスだ。ただし、海からわずか10kmのこの地域だからこそ、田園地帯のむきだしの一本道では、風がタイムを左右するカギとなる。その後、西に折れ、再び南下してカーンへと帰り着く。つまり、どこかの地点で、必ず横風や向かい風に耐えねばならない。
ラスト4.5kmで再び市街地へ。再び町中の細かいコーナーと対峙する。行きで上ったからこそ、緩やかに下った先で全力疾走を終える。
文:宮本あさか


残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||
---|---|---|---|---|---|
第1走者 | 最終走者 | 第1走者 | 最終走者 | ||
33.0 km | スタート | 13:10 | 17:05 | 20:10 | 00:05 |
24.8 km | 第1計測 | 13:19 | 17:14 | 20:19 | 00:14 |
16.6 km | 第2計測 | 13:28 | 17:23 | 20:28 | 00:23 |
8.2 km | 第3計測 | 13:37 | 17:32 | 20:37 | 00:32 |
0.0 km | フィニッシュ | 13:47 | 17:42 | 20:47 | 00:42 |