ツール・ド・フランス2023
RULE
ルール
ツールのルール
ステージ優勝
全21ステージ中、個人タイムトライアルを除く20の通常ステージでは、先頭でフィニッシュラインを通過した選手がステージ優勝を手にする。
個人タイムトライアルでは、参加選手の中で最も速いフィニッシュタイムを記録した選手が優勝を手にする。
個人タイムトライアルで同タイムが計測された場合は、1/100秒単位までタイムを比較する。
2019年よりスポンサーはコンチネンタルタイヤ。
総合タイム首位/マイヨ・ジョーヌ
各ステージ終了後、ツール初日からの累積タイムが最も少ない選手が、総合首位として表彰を受ける。
また全21ステージを通して最も少ない総合累積タイムをたたき出した選手こそが、ツール・ド・フランス総合優勝に輝く。
そしてこの総合リーダーに授与されるのがマイヨ・ジョーヌ、つまり黄色いジャージだ。
累計タイムが同じ場合、タイムトライアルの1/100秒単位のタイムを加えて比較し、タイムの少ない選手が総合上位に立つ。
それでもタイムが同じ場合、全区間の順位累計の少ない選手が上位に立つ。
それでも順位が決しない場合、最後に行われた区間で上位に立った選手が、総合でも上位に立つ。
集団内を走る総合リーダーを一目で見分けるためにマイヨ・ジョーヌは誕生した。
初めて観衆の前に披露されたのは、1919年の第11ステージスタート時。
黄色が選ばれたのは、当時のツール主催元「ロト紙」の新聞紙の色が黄色だったから。
かなり突発的なアイディアだったが、今日では王者の証として定着している。
ジャージスポンサーはLCL銀行。
ポイント賞/マイヨ・ヴェール
キング・オブ・スプリンターを決める賞。
各ラインステージ途中に1箇所設けられる中間スプリントポイントと、 チームタイムトライアルを除く全ステージのフィニッシュラインとの通過順に配分されるポイントを、最も多く獲得した選手に与えられる。
そしてこのポイント賞リーダーに授与されるのが、マイヨ・ヴェール=緑ジャージだ。
中間スプリントポイント(上位15人) | |
---|---|
20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 | |
フィニッシュラインポイント(上位15人) | |
難易度1・2ステージ(平坦・起伏) | 50、30、20、18、16、14、12、10、8、7、6、5、4、3、2 |
難易度3ステージ(起伏多め) | 30、25、22、19、17、15、13、11、9、7、6、5、4、3、2 |
難易度4・5・6ステージ(難関山岳・個人タイムトライアル) | 20、17、15、13、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 |
1.ステージ優勝の数
2.中間スプリントポイント首位通過の数
3.総合タイム
このジャージが作られたのは、ツール生誕50周年記念の1953年。
百貨店ベル・ジャルディニエールがスポンサーに就任し、同時に緑色のジャージが採用された。
2015年以降、チェコ自動車メーカーのスコーダがジャージスポンサーを務める。
山岳賞/
マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ
山岳王を決定する賞。
各峠の頂上に設定された山岳ポイントの合計で争われる。
そしてこの山岳賞リーダーに授与されるのがマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ=白地に赤玉ジャージだ。
超級(8人) | 20、15、12、10、8、6、4、2 |
1級(6人) | 10、8、6、4、2、1 |
2級(4人) | 5、3、2、1 |
3級(2人) | 2、1 |
4級(1人) | 1 |
1.超級峠をトップ通過した数
2.1級峠をトップ通過した数
3.2級峠をトップ通過した数
4.3級峠をトップ通過した数
5.4級峠をトップ通過した数
6.総合タイム
山岳賞自体は1933年から存在していたが、お馴染みのかわいい赤玉ジャージが誕生したのは1975年。
当時のスポンサーであった製菓会社ショコラ・プーランが、自社のキャンディパッケージをモデルに、デザインを考案した。
2019年、新たに大型スーパーマーケットチェーンのEルクレールが、ジャージスポンサーに就任した。
新人賞/マイヨ・ブラン
1998年1月1日以降に生まれた選手の中から、個人総合タイムトップの選手に与えられる。
制限年齢以下なら何度でも受賞できるため、「新人賞」というよりは「最優秀若手賞」の意味合いが強い。
そしてこの新人賞リーダーに授与されるのがマイヨ・ブラン=白ジャージだ。
新人賞が誕生したのは1975年。
色の由来は「汚れない若さの色」という説と、「色とりどりのチームジャージが氾濫する中、あえて無色」という説がある。
スポンサーは眼鏡店チェーンのクリス。
チーム総合順位
<ルール>
各チームの各ステージ上位3選手のタイム合計でチーム順位が決定される。
総合首位のチームに所属する全選手は、黄色地に黒い数字が書かれたゼッケンと黄色いヘルメットを身に着けて走る。
2022年大会よりスポンサーはオート・ソーヌ県。
敢闘賞/プリ・ド・ラ・コンバティヴィテ
<ルール>
個人タイムトライアルと最終ステージを除く各ステージで、成績には関係なく、最も勇敢な走りを見せてくれた選手に与えられる。
大会関係者・ジャーナリスト・元選手で構成される審判団が投票と話し合いで決定する主観的な賞である。
1.闘志 2.毅然さ 3.努力を惜しまない姿勢 4.勇気 5.オーラ 6.チームへの奉仕精神
他の賞と違ってポイント総計制・タイム制ではなく、各ステージごとに新たな受賞者が誕生する仕組み。
またツール全期間を通して最も奮闘した選手は、スーパー敢闘賞として、シャンゼリゼで表彰を受ける。
敢闘賞が誕生したのは1952年、スーパー敢闘賞が誕生したのは2003年。
長年赤ゼッケンでおなじみだったが、2023年大会では「金ゼッケンに黒い数字」が採用された。
スポンサーは不動産会社のセンチュリー21。
総合最下位/ランテルヌ・ルージュ
<ルール>列車の赤い後尾灯……を意味するランテルヌ・ルージュ(ランタン・ルージュ)は、自転車用語では、総合最下位の選手を指す。
2022年大会以降、最終シャンゼリゼステージのみ特別に「ピンク」のゼッケンをつけて走る。
ジャージの優先順位
同一選手が複数のジャージを獲得した場合、以下の優先順位で着用する。
1.マイヨ・ジョーヌ 2.マイヨ・ヴェール 3.マイヨ・ア・ポワ・ルージュ 4.マイヨ・ブラン
各賞首位選手によって着用されなかったジャージは、2位の選手が着用する(2位選手が着用できない場合は3位選手へ繰越)。
ただし2位以下の選手が世界チャンピオンジャージ、もしくは国内チャンピオンジャージの保持者である場合は、チャンピオンジャージの着用が許される。
ちなみにゼッケンで最も優先順位が高いのは敢闘賞。
ボーナスタイム
タイムトライアルを除く全ステージのフィニッシュラインを上位通過した3名に、それぞれ10秒、6秒、4秒のボーナスタイムが与えられる。
また6つのステージ(第1、2、5、12、14、17ステージ)では山岳の頂に「ボーナスポイント」が設定され、上位通過した3名に、それぞれ8秒、5秒、2秒のボーナスタイムが与えられる。
制限タイム
通常ステージでは、ステージ難易度と当日のステージ首位選手の平均走行速度によって、各ステージの制限タイム基準が決定される。
制限タイム内にゴールできなかった選手は、通常タイムアウト失格となる。
たとえば平坦ステージでは、首位選手の平均走行時速が36km以下の場合は勝者のフィニッシュタイムから4%、時速48kmから50kmの場合は11%が、足切りの基準となる。
また第16ステージ個人タイムトライアルは首位選手のタイムから25%と一定基準が設けられた。
ただし悪天候、道路の状態、レース中に発生した事故や負傷者数など、状況によって審判団は制限時間を変更することができる。
また制限時間から遅れてゴールした選手も、走行平均速度や、事故の有無・発生場所などの状況次第で、審判団から救済措置を与えられる場合がある。
フィニッシュ順位・タイム計測
集団でフィニッシュした選手全員に、集団の先頭選手と同タイムが与えられる。集団が分断し、2集団の間隔が1秒以上開いていた場合(前方集団最後尾選手の後輪の後端と、後方集団先頭選手の前輪の先端の差)は、後方集団には新たなタイムが与えられる。
例外として集団スプリントフィニッシュで終わるであろうステージでは、2集団の間隔が3秒以内であれば、同一集団と認められる。つまり2023年大会では第3、4、7、8、11、18、19、21ステージ適応される。
ステージ順位は実際にフィニッシュラインを通過した順番で付けられる。違反行為などで降格処分を受けた場合は、フィニッシュ時に属していた集団の最下位の順位が与えられる。
1/10秒までが総合タイムとして反映されるが、タイムトライアルステージのみ1/100秒まで記録され、総合で同タイム選手が出た場合の順位決定に使用される。
フィニシュまで3kmを切った地点で、落車やメカトラブルなどのアクシデントで遅れた場合、ステージ順位はフィニッシュラインを本当に通過した順位が記録されるが、フィニッシュタイムはそのアクシデント発生時点で所属していた集団と同じタイムが与えられる。ただし個人タイムトライアル(第16ステージ)と上りフィニッシュ(第6、9、13、15、17ステージ)では、この3km救済ルールは適応されない。
全ステージは6つの難易度(平坦、起伏、起伏多め、難関、距離の短い難関、タイムトライアル)で区分され、各区分とステージ勝者の走行時速の関係によりステージ制限タイムが決定される。走行時速や事故の有無、道路状況により、制限タイムは変更される場合もあり。
スタートルール
通常のラインステージでは、仮スタートラインから集団が一斉に走り出した後、しばらく先の本スタート地点から実際のレースを始める。
ステージ難易度
ゴールポイントや制限タイム設定のため、各ステージには難易度が設けられている。
難易度の種類は6つ。
難易度 | ステージ |
---|---|
難易度1(特に難所の存在しないステージ) | 第3、4、7、8、11、18、19、21ステージ |
難易度2(起伏のあるステージ) | 第2ステージ |
難易度3(起伏の非常に多いステージ) | 第1、9、10、12、13ステージ |
難易度4(難関山岳ステージ) | 第5、15ステージ |
難易度5(距離の短い難関山岳ステージ) | 第6、14、17、20ステージ |
難易度6(個人タイムトライアル) | 第16ステージ |
タイムトライアル
<第16ステージ 個人タイムトライアル>第16ステージの個人タイムトライアルでは、前第15ステージ終了時点の総合最下位選手から降順で1人ずつ等間隔でスタートし、前ステージ総合首位選手が最終出走者となる。
歴代チャンピオン
- 第1回
- 1903年 Maurice GARIN (FRA)
- 第2回
- 1904年 Henri CORNET (FRA)
- 第3回
- 1905年 Louis TROUSSELIER (FRA)
- 第4回
- 1906年 Rene POTTIER (FRA)
- 第5回
- 1907年 Lucien MAZAN dit PETIT-BRETON (FRA)
- 第6回
- 1908年 Lucien MAZAN dit PETIT-BRETON (FRA)
- 第7回
- 1909年 Francois FABER (LUX)
- 第8回
- 1910年 Octave LAPIZE (FRA)
- 第9回
- 1911年 Gustave GARRIGOU (FRA)
- 第10回
- 1912年 Odile DEFRAYE (BEL)
- 第11回
- 1913年 Philippe THYS (BEL)
- 第12回
- 1914年 Philippe THYS (BEL)
- 第13回
- 1919年 Firmin LAMBOT (BEL)
- 第14回
- 1920年 Philippe THYS (BEL)
- 第15回
- 1921年 Leon SCIEUR (BEL)
- 第16回
- 1922年 Firmin LAMBOT (BEL)
- 第17回
- 1923年 Henri PELISSIER (FRA)
- 第18回
- 11924年 Ottavio BOTTECCHIA (ITA)
- 第19回
- 1925年 Ottavio BOTTECCHIA (ITA)
- 第20回
- 1926年 Lucien BUYSSE (BEL)
- 第21回
- 1927年 Nicolas FRANTZ (LUX)
- 第22回
- 1928年 Nicolas FRANTZ (LUX)
- 第23回
- 1929年 Maurice DE WAELE (BEL)
- 第24回
- 1930年 Andre LEDUCQ (FRA)
- 第25回
- 1931年 Antonin MAGNE (FRA)
- 第26回
- 1932年 Andre LEDUCQ (FRA)
- 第27回
- 1933年 Georges SPEICHER (FRA)
- 第28回
- 1934年 Antonin MAGNE (FRA)
- 第29回
- 1935年 Romain MAES (BEL)
- 第30回
- 1936年 Sylvere MAES (BEL)
- 第31回
- 1937年 Roger LAPEBIE (FRA)
- 第32回
- 1938年 Gino BARTALI (ITA)
- 第33回
- 1939年 Sylvere MAES (BEL)
- 第34回
- 1947年 Jean ROBIC (FRA)
- 第35回
- 1948年 Gino BARTALI (ITA)
- 第36回
- 1949年 Fausto COPPI (ITA)
- 第37回
- 1950年 Ferdi KUBLER (SUI)
- 第38回
- 1951年 Hugo KOBLET (SUI)
- 第39回
- 1952年 Fausto COPPI (ITA)
- 第40回
- 1953年 Louis "Louison" BOBET (FRA)
- 第41回
- 1954年 Louis "Louison" BOBET (FRA)
- 第42回
- 1955年 Louis "Louison" BOBET (FRA)
- 第43回
- 1956年 Roger WALKOWIAK (FRA)
- 第44回
- 1957年 Jacques ANQUETIL (FRA)
- 第45回
- 1958年 Charly GAUL (LUX)
- 第46回
- 1959年 Federico BAHAMONTES (ESP)
- 第47回
- 1960年 Gastone NENCINI (ITA)
- 第48回
- 1961年 Jacques ANQUETIL (FRA)
- 第49回
- 1962年 Jacques ANQUETIL (FRA)
- 第50回
- 1963年 Jacques ANQUETIL (FRA)
- 第51回
- 1964年 Jacques ANQUETIL (FRA)
- 第52回
- 1965年 Felice GIMONDI (ITA)
- 第53回
- 1966年 Lucien AIMAR (FRA)
- 第54回
- 1967年 Roger PINGEON (FRA)
- 第55回
- 1968年 Jan JANSSEN (NED)
- 第56回
- 1969年 Eddy MERCKX (BEL)
- 第57回
- 1970年 Eddy MERCKX (BEL)
- 第58回
- 1971年 Eddy MERCKX (BEL)
- 第59回
- 1972年 Eddy MERCKX (BEL)
- 第60回
- 1973年 Luis OCANA (ESP)
- 第61回
- 1974年 Eddy MERCKX (BEL)
- 第62回
- 1975年 Bernard THEVENET (FRA)
- 第63回
- 1976年 Lucien VAN IMPE (BEL)
- 第64回
- 1977年 Bernard THEVENET (FRA)
- 第65回
- 1978年 Bernard HINAULT (FRA)
- 第66回
- 1979年 Bernard HINAULT (FRA)
- 第67回
- 1980年 Joop ZOETEMELK (NED)
- 第68回
- 1981年 Bernard HINAULT (FRA)
- 第69回
- 1982年 Bernard HINAULT (FRA)
- 第70回
- 1983年 Laurent FIGNON (FRA)
- 第71回
- 1984年 Laurent FIGNON (FRA)
- 第72回
- 1985年 Bernard HINAULT (FRA)
- 第73回
- 1986年 Greg LEMOND (USA)
- 第74回
- 1987年 Stephen ROCHE (IRL)
- 第75回
- 1988年 Pedro DELGADO (ESP)
- 第76回
- 1989年 Greg LEMOND (USA)
- 第77回
- 1990年 Greg LEMOND (USA)
- 第78回
- 1991年 Miguel INDURAIN (ESP)
- 第79回
- 1992年 Miguel INDURAIN (ESP)
- 第80回
- 1993年 Miguel INDURAIN (ESP)
- 第81回
- 1994年 Miguel INDURAIN (ESP)
- 第82回
- 1995年 Miguel INDURAIN (ESP)
- 第83回
- 1996年 Bjarne RIIS (DEN)
- 第84回
- 1997年 Jan ULLRICH (GER)
- 第85回
- 1998年 Marco PANTANI (ITA)
- 第93回
- 2006年 Oscar PEREIRO SIO (ESP)
- 第94回
- 2007年 Alberto CONTADOR VELASCO (ESP)
- 第95回
- 2008年 Carlos SASTRE (ESP)
- 第96回
- 2009年 Alberto CONTADOR VELASCO (ESP)
- 第97回
- 2010年 Andy SCHLECK (LUX)
- 第98回
- 2011年 Cadel EVANS (AUS)
- 第99回
- 2012年 Bradley WIGGINS (GBR)
- 第100回
- 2013年 Chris FROOME (GBR)
- 第101回
- 2014年 Vincenzo NIBALI (ITA)
- 第102回
- 2015年 Chris FROOME (GBR)
- 第103回
- 2016年 Chris FROOME (GBR)
- 第104回
- 2017年 Chris FROOME (GBR)
- 第105回
- 2018年 Geraint THOMAS (GBR)
- 第106回
- 2019年 Egan BERNAL (COL)
- 第107回
- 2020年 Tadej POGACAR (SVN)
- 第108回
- 2021年 Tadej POGACAR (SVN)
- 第109回
- 2022年 Jonas VINGEGAARD (DEN)