ツール・ド・フランスを知るための100の入り口
ツール・ド・フランスを知るための100の入り口:幻のルール
主催者は、常ににレースを刺激的にしていないと気が済まなかったらしい。中だるみを防ぐため、こんなルールが考案された。
毎ステージ”走りきった選手”の中から最下位選手を切り捨て!という酷なもの。1939年の第2ステージから導入され、対戦後の2回目の大会となる1948年に再度組み入れられた。
しかし、思わくは、ハズれた。挽回不可能と判断した最後尾の選手は、やる気を起こす代わりにさっさとリタイアしてしまう傾向があったのだ。
どうせレースから追い出されるのなら、ここでやめてしまえば自分の前を行くライバル選手が足切りになる、そんな判断だ。
他選手の足を引っ張る手立てに使われるようになり、2年という短命で、本ルールは廃止となった。
※本企画は2013年6月に実施されたものです。現在と情報が異なる場合がございますが、予めご了承ください。
写真(イメージ):Yuzuru SUNADA