ツール・ド・フランスを知るための100の入り口
ツール・ド・フランスを知るための100の入り口:完全優勝
1919年にマイヨ・ジョーヌが導入されて以来、最初から最後まで首位で走破し、黄色いジャージを手放さなかった選手は過去3人いる。
1924年:オッタビオ・ボッテキア(全15ステージ)
1928年:ニコラ・フランツ(全22ステージ)
1935年:ロマン・マース(午前・午後のステージを含め全27ステージ)
近年では皆無だが、無理もない。単純に選手数が違う。1924年、28年、35年の出場者数はそれぞれ、157、162、93人。そしてなによりも、完走者数はぐっと減り、各々60、41、46人。
現在では200人弱が出場し、140人程度は完走するので、確率的に首位をキープし続けるのは難しい。
そんな中、2012年の記録がひときわ目立つ。大会を通じて首位にたったのは、わずかに2人だけだった。
初日プロローグから第7ステージまでが、ファビアン・カンチェッラーラ、それ以降ブラドレー・ウィギンスがマイヨ・ジョーヌを保持し続け優勝。
記録としては、特異なケースとなったが、勝負が余りに早く決定しすぎて、後半には興味を失うむきも多かった。
現代で開幕から閉幕まで首位に立ち続けるのは大記録に違いないが、それに比例して観客の興奮度が増すかというと、残念ながら、その限りではないようだ。
※本企画は2013年6月に実施されたものです。現在と情報が異なる場合がございますが、予めご了承ください。