コースの特徴
総合争いは、この区間の終わりまで分からない。これはジロ・デ・イタリアなのだ。最後の週末に表彰台が入れ替わったのは、過去10年で8回。そのうち5回は最終日前夜でマリア・ローザが動いた。この日も、大逆転劇が起こる条件は、揃っている。
スイス国境近くのヴェレスを出発したプロトンは、フランス国境沿いのスーザ谷を目指す。今年の「トリノ開幕」ブエルタ序盤に登場予定の一帯を横切り、途中で小さな4級山岳と2級山岳もこなす。
そして、3週間の戦いのクライマックス、ラスト50kmの死闘が始まる。行く手に気高く立ちはだかるのは、ジロ登場20周年を祝うコッレ・デッレ・フィネストレ。18.5kmの長い山道で、区間標高差4500mの3分の1を一気に駆け上がる。
上り詰める先は、2025年ジロの最高標高地点2178m。「チーマ・コッピ」としては最高峰ステルヴィオ(2758m)に及ばないが、地形の険しさなら、間違いなくフィネストレが上だ。平均勾配9.2%・最大14%。文字通り、麓から頂まで、険しさが緩む場所は一切存在しない。
しかも最後の8kmは、この山を特別にしている最大の理由……未舗装路!たとえ晴れていても、残雪が溶け出し、ドロドロになることが多い。今回は土の道にレッドブル・ポイントが仕込まれているから、逆転を目論むなら、貴重な数秒を逃したくはない。
むしろ分単位の差がつく可能性もある。昨夏のラヴニールでは、この山だけで、区間勝者は2位に3分43秒もの大差を押し付けた。登坂タイムは史上最速の60分45秒だった。
つまり、なにかを起こすには、これ以上ない舞台だ。2018年のフルームは、この未舗装ゾーンで大アタックを打ち、80kmもの独走でピンクジャージを奪取。伝説を作った。
うねる細道を下りきったら、最後の山頂フィニッシュ、3級セストリエーレ(16.2km、3.8%)へ。終盤は6%超が続き、疲弊した脚に最後の試練を与える。幸いにも2006年トリノ五輪の会場ともなった巨大なスキーリゾートへの道は、道幅は広く、舗装も良好。標高2033mの高みで、マリア・ローザをまとう者こそが、ジロの王者としてローマへ凱旋を果たす。
text:宮本あさか





残り距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 40 km/h | 38 km/h | 36 km/h | ||
205.0 km | オフィシャル スタート |
10:50 | 10:50 | 10:50 | 17:50 | 17:50 | 17:50 |
140.5 km | 中間SP | 12:09 | 12:13 | 12:16 | 19:09 | 19:13 | 19:16 |
135.8 km | 4級山岳 | 12:16 | 12:19 | 12:23 | 19:16 | 19:19 | 19:23 |
89.3 km | 2級山岳 | 13:24 | 13:31 | 13:39 | 20:24 | 20:31 | 20:39 |
67.9 km | 中間SP | 13:50 | 13:59 | 14:08 | 20:50 | 20:59 | 21:08 |
31.8 km | レッドブルKM | 14:59 | 15:14 | 15:30 | 21:59 | 22:14 | 22:30 |
27.5 km | チーマ・コッピ | 15:11 | 15:27 | 15:45 | 22:11 | 22:27 | 22:45 |
0.0 km | 3級山岳 フィニッシュ |
15:55 | 16:14 | 16:34 | 22:55 | 23:14 | 23:34 |