ジロ・デ・イタリア2025

2025年イタリア一周は、アドリア海の向こう岸、アルバニアで幕を開ける。1909年に誕生したジロ・デ・イタリアにとって外国での「グランデ・パルテンツァ」は15回目で、バルカン半島での開幕は史上初めて。「白い土地」と呼ばれるこの国で、今大会最初のピンクジャージが決まる。

かつてはローマやヴェネツィアの支配下でもあった港町……アルバニア語でドゥラス、イタリア語ではドゥラッツォ。そのエメラルドグリーンの海を見ながら、初日のプロトンは走り出す。

国の主な宗教であるイスラム教の安息日、金曜日ながら、活気ある戦いが約束されている。序盤の平坦路には目的の異なる2つの中間ポイントが用意され、ステージの真ん中には、早くも2級山岳が立ちはだかる。下った先には「レッドブル・ポイント」、いわゆるボーナスタイム収集ポイントも待っている。

内陸部の首都ティラナを一旦通り抜け、そこから全長22.1kmの周回を2回こなす。サーキット中盤には3級山岳（登坂距離6.9km、平均勾配4.6％、最大13％）が待ち受ける。しかも途中1.3kmにわたり8.3％の難ゾーンあり。パンチャーたちはじっとはしていないはずだし、総合本命たちも、早々に脚を試すかもしれない。

2度目の3級を終えたら、残りは11.3km。道は比較的広く、特に最終盤は緩やかに下っている。誰もがフィニッシュへ向けて、凄まじいスピードで突進するに違いない。

text：宮本あさか