ジロ・デ・イタリア2023

STAGE 20

第20ステージ

タルヴィーズィオ>モンテ・ルッサリ

18.6 km
5月27日(土)午後6:20 - 深夜2:30
J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後6:20 - 深夜2:00
J SPORTSオンデマンド限定
山岳TTの悪夢か拷問か栄冠か

コースの特徴

第20ステージコースマップ

3週間にわたるマリア・ローザ争いに、ついに審判が下る。山頂フィニッシュ3連戦の締めくくりの、今大会3回目の個人タイムトライアル。ライバルたちとの直接対決はすでに前夜で終了し、後はひたすら自分とストップウォッチと山と向き合うだけ。ローマでの戴冠式は、24時間後に迫っている。

全長18.6kmのコースは、2つの正反対の道が組み合わさって出来ている。スロヴェニアとオーストリアとの国境線からほんの数キロの町、タルヴィーズィオから走り出すと、まず序盤10.8kmはほぼ平坦路を行く。道幅も広く、カーブも少なく、いわゆるスペシャリスト向けのコースと錯覚しそうになる。

ちなみに自転車専用路「アルプ・アドリア・サイクル・パス」が、前半6kmのコースを沿うように走る。これは古い線路跡を利用したもので、できる限り高い山を避けながら、オーストリアのサルツブルグからアドリア海岸までを横断できるルートなのだとか。ただし、この日のジロは高い山を避けるどころか、積極的に立ち向かう。10.8km地点(残り7.8km)で第1計測を終えた直後に、1級モンテ・ルッサーリへの登坂へと取り掛かる。

全長7.3kmの山道は、地図アプリで「道」と認識されないほど鬱蒼とした森の中。狭く、ヘアピンカーブの連続で、平均勾配は12.1%。完全にピュアクライマー向けのコースだ。しかも序盤約5kmにわたって平均15.3%で、最大22%ゾーンもあり。一旦勾配は緩むものの、フィニッシュ手前1.5kmから再び勾配は11.9%に跳ね上がるし、またしても22%の波がやってくる。まるで拷問!

山道の14.3km地点(残り4.3km)と最終盤17.8km地点(残り0.8km)にも、それぞれタイム計測が予定されている。また開催委員会の計算によれば、優勝タイムは37分前後の予定。前日の最下位から降順スタートは変わりなく、ただ全選手を3グループに分け、各組の間にはそれぞれ45分の休憩が挟まれる。気になる自転車交換は、メカトラ理由であればいつなんどきでも許可されるが、平地用から山岳用への切り替えは決められたゾーン(第1計測地点の直前)で行う必要がある。

ところでグランツール最終日前日の山岳TTと言えば、最後に行われた2020年ツールの教訓を決して忘れてはならない。57秒リードで総合首位に立っていながら、ステージの終わりには59秒遅れの総合2位に後退していた……そんな悪夢が、イタリアの激坂でも繰り返されない理由はない。

text:宮本あさか


MAP




Difference in height
高低差図
第20ステージ高低差図
Detail
詳細
第20ステージ 山岳詳細 第20ステージ 山岳詳細 第20ステージ ラスト登坂図 第20ステージ ラスト3km勾配
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間 タイム予想
平均 27km/h
第1走者
25km/h
最終走者
29km/h
第1走者
25km/h
最終走者
29km/h
0km地点 スタート 11:30 17:52 18:30 00:52 00'00"
10.8km地点 第1計測 11:44 18:05 18:44 01:05 14'10"
14.3km地点 第2計測 11:59 18:16 18:59 01:16 26'50"
17.8km地点 第3計測 12:13 18:27 19:13 01:27 39'20"
35.0km地点 ゴール 12:15 18:29 19:15 01:29 41'20"

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