コースの特徴
泣いても笑っても閉幕まであと3日。正真正銘2023年ジロ最難関ステージにして、総合勢にとっては、最後の直接的バトルの機会となる。長く果てしない上り、勾配の激しい山道、2000m超の高山、さらには凄まじい累積獲得標高……と、すべてをひっくり返すための条件は整っている。
10年ぶりに、山間の町ロンガロネに、ジロのプロトンが集結する。2013年大会はここから山を下り、最後にはマーク・カヴェンディッシュが両手を挙げた。一方の今年は、この町から、スプリンターにとって最後のグルペットデーが始まる。なにしろ平地らしい平地を堪能できるのは、スタートからほんの20km程度だけ。
それにしてもだらだらと長い上りは、70km近くも続くのだ。勾配こそ緩やかだが、2時間も上り続けねばならない。皮肉なことに、最終的にたどりつく2級カンポロンゴの正式な登坂距離は、たったの3.9kmでしかないというのに(平均勾配7%、最大11%)。
ここから恐るべき5峠連続登坂へと突入だ。しかもラスト100kmは、まるでのこぎりの歯のように、ひたすら上りと下りだけが繰り返される。続く1級ヴァルパローラ(14.1km、5.6%、12%)では標高2000mを超え、次の1級ジャウでは標高がさらに上がるだけでなく、勾配も大幅に上がる(9.9km、9.3%、14%)。
ところで2年前はこの標高2236mジャウ峠こそがチーマコッピ=最高標高地点で、下りきった先のコルティナ・ダンペッツォでフィニッシュを争った。しかし今ステージは、次回冬季五輪開催地を横目でチラリと眺めるだけで、またしてもすぐに2級トレ・クローチ(7.9km、7.2%、12%)の上りへ。さらには「3つの十字架」をいわば発射台代わりに、この日最後の「3つの頂」……3つの岩が天に向かってそびえ立つ、いわばドロミテのシンボルであり、ジロの古典、1級トレ・チーメ・ディ・ラヴァレドへ。
55年前にエディ・メルクスが区間とマリア・ローザを同時に手に入れ、2013年はヴィンチェンツォ・ニバリがピンクジャージで真の王者としての証明を果たした伝統峠は、いきなり激勾配18%で手痛く選手たちを歓迎する。約1.4km続く平均10.6%ゾーンを抜け出したら、その後の約2kmは下り坂。これぞ7.2kmの山道全体の平均勾配が7.6%でしかない理由。……むしろ最終4kmは、平均11.2%というありえない数値!
今大会最多の累積獲得標高5400mをこなし、標高2304mの高みで、果たして誰が笑顔を見せているだろうか。ジロでこの山が使用された過去7度のうち6回が、このてっぺんでピンク色を着ていた選手こそが、最終的な総合覇者として君臨している。
text:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
36km/h | 34km/h | 32km/h | 36km/h | 34km/h | 32km/h | ||
0km地点 | スタート | 11:50 | 11:50 | 11:50 | 18:50 | 18:50 | 18:50 |
64.4km地点 | 中間SP | 13:16 | 13:20 | 13:25 | 20:16 | 20:20 | 20:25 |
87.4km地点 | 2級山岳 | 14:00 | 14:07 | 14:16 | 21:00 | 21:07 | 21:16 |
112.1km地点 | 1級山岳 | 14:43 | 14:53 | 15:05 | 21:43 | 21:53 | 22:05 |
143.5km地点 | 1級山岳 | 15:39 | 15:53 | 16:10 | 22:39 | 22:53 | 23:10 |
161.3km地点 | 中間SP | 16:00 | 16:15 | 16:33 | 23:00 | 23:15 | 23:33 |
169.5km地点 | 2級山岳 | 16:22 | 16:40 | 17:01 | 23:22 | 23:40 | 00:01 |
183.0km地点 | チーマ・コッピ ゴール |
16:52 | 17:13 | 17:36 | 23:52 | 00:13 | 00:26 |