コースの特徴
2回目の休息日が明け、ピンク色の戦いもいよいよ最終週。もちろんマリア・ローザ争いは未だ決着はついていない。残り6日間で山頂フィニッシュが4つ(うち1つはTT)待ち受けているし、そもそもジロ最終週にリーダーが入れ替わったのは過去10年間で6回を数える。
「5つ星」の超難関ステージ。走行距離は200kmを超える。ただ幸いにも序盤60kmは平坦だから、休息日ボケを大急ぎで解消したい。なにしろ残り140kmには5つの山岳がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。ドロミテ山塊の入口に足を踏み入れつつ、累積獲得標高5200mをこなさねばならないのだ!
イタリア最大のガルダ湖畔に連なる33個ものトンネルをくぐり抜けると、以降はひたすら厳しい上り下りの繰り返し。まずは1級サンタ・バルバラ(全長12.7km、平均勾配8.3%、最大14%)で一気に標高を1000m以上駆け上がり、山頂からわずか3km弱下った先で、畳み掛けるように3級ボルダラ(4.5km、6.7%、12%)が続く。そこから約15kmかけて標高を1000mを下ったら、ほとんど休む間もなく、2級マタッソーネ(11.3km、5.5%、11%)と直後に続く無印の起伏へ。下ったと思ったらすぐさま2級セッラーダ(17.2km、5.5%、11%)で、またしても1000m上り、1000m下る。
この日最後のダウンヒルの終わりに、イタリアで2番目に長いアディジェ川のほとりへ出たら、ほんの10kmほど道は平坦になる。恐ろしき最終峠に挑みかかる前に、わずかながら息を整える時間が与えられる。
そして1級モンテ・ボンドーネへ。苦行の締めくくりにふさわしい21.4kmの長い山道を走り、標高差1430mを駆け上がる。平均勾配こそ6.7%と緩めだが、登坂口の3kmはガツンと9%。さらに見晴らしの良いだらだら道を挟んで、再び終盤には約8kmに渡り8%超・最大15%の細い九十九折が待っている。
ところでボンドーネ……と言えば、「雪の」という枕詞が思い浮かぶ。1956年大会での季節外れのひどい大雪と体感気温マイナス10度という寒さ、60人近いリタイア、そしてシャルリー・ゴールの2位以下に8分ものタイム差をつけての独走勝利は、大会屈指の伝説として語り継がれている。2006年大会はI・バッソがピンクジャージ姿で、やはり後続に1分半近い差をつけて大勝ち。ただしこの2回は登坂路が異なる。。まさにゴールがマリア・ローザをつかみ取った南側からの山道が、2023年大会のプロトンを受け入れる。
text:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
35km/h | 33km/h | 31km/h | 35km/h | 33km/h | 31km/h | ||
0km地点 | スタート | 11:05 | 11:05 | 11:05 | 18:05 | 18:05 | 18:05 |
76.8km地点 | 1級山岳 | 13:08 | 13:16 | 13:25 | 20:08 | 20:16 | 20:25 |
84.2km地点 | 3級山岳 | 13:22 | 13:32 | 13:42 | 20:22 | 20:32 | 20:42 |
103.5km地点 | 中間SP | 13:47 | 13:57 | 14:09 | 20:47 | 20:57 | 21:09 |
116.4km地点 | 2級山岳 | 14:13 | 14:25 | 14:39 | 21:13 | 21:25 | 21:39 |
153.5km地点 | 2級山岳 | 15:17 | 15:34 | 15:54 | 22:17 | 22:34 | 22:54 |
181.2km地点 | 中間SP | 15:52 | 16:10 | 16:32 | 22:52 | 23:10 | 23:32 |
203.0km地点 | 1級山岳 ゴール |
16:50 | 17:15 | 17:43 | 23:50 | 00:15 | 00:43 |