来歴


少年時代はスプリントでライバルを蹴散らし、ジュニア時代は個人タイムトライアルで国内チャンピオンにもなった。16歳でプロチーム合宿に誘われ、17歳ですでに5年契約を締結した。


◆飛び級でプロ合流したスペインの超新星


18歳の2021年にU23版ジロ・デ・イタリアで史上最年少チャンピオンに。すぐにUAEチームエミレーツに引き抜かれ、「この競技の頂点に立ちたい」と言い切った。本人曰くアランフィリップ風のパンチャー。


一方では「子供の頃にあこがれていた」コンタドールのように長い山も好き。さすがにジュニア版パリ〜ルーベは途中棄権に終わったが、少なくとも「石畳があるクラシックは僕向きではない」と理解した。チーム的には焦らずに、長い時間をかけて育てていくつもりだ。



フアン・アユソ

◆グランツールデビューさえ前倒し!


ジュニアから一足とびにワールドチーム入りして初のフルシーズンとなった2022年は、ボルタ・ア・カタルーニャ総合5位、ツール・ド・ロマンディ総合4位の好走でグランツールデビューが前倒しに。


ジョアン・アルメイダとともに参戦したブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位に食い込み、最終日のマドリードで表彰台に乗った。20歳の誕生日の5日前のことである。ただ、総合優勝は8月のシルクイト・デ・ゲチョで挙げたプロ初勝利のみ。


◆あこがれのツール・ド・フランスではまさかの結末


2023年は出場レースを絞り込んで、ツール・ド・スイス総合2位。ブエルタ・ア・エスパーニャは上位戦線を走り、今度は4位。特に第2週以降で追い込んで順位を上げていけたことに価値を見出している。自国スペインでは、“アルベルト・コンタドールの再来”としての期待値が年々高まってきた。


2024年はティレーノ~アドリアティコ初日の個人タイムトライアルを制し、第3ステージまで首位を守り抜いた。最終的にはヴィンゲゴーに逆転されたが、総合2位でフィニッシュした。


この実績が認められ、「ボクのあこがれはアルベルト・コンタドール。だから出場するのが夢だった」というツール・ド・フランスのメンバーに抜擢され、ポガチャルのアシストを務めながら総合9位につけていた。ところが第13ステージでコロナ罹患から調子を崩し、初参加のレースはリタイアという結果に終わった。


しかしチームはそのポテンシャルを高く評価。2025シーズンでは、ポガチャルが欠場するグランツールでエースとして起用されることが期待されている。


フアン・アユソ

©UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCY   ©A.S.O./Charly Lopez

戦績

レース・結果
2021年 ジロビオ総合優勝&ポイント賞&山岳賞&ヤングライダー賞
ジロ・ディ・ロマーニャ・エト・コッパ・プラッチ総合優勝
2022年 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位
シルクイト・デ・ゲチョ優勝
トロフェオ・ライグエーリア2位
ツール・ド・ロマンディ総合4位&ヤングライダー賞
ボルタ・ア・カタルーニャ総合5位
2023年 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位&新人賞
ツール・ド・ロマンディ 区間1勝
ツール・ド・スイス個人総合2位&区間2勝
プルエバ・ヴィリャフランカ3位
2024年 バスク一周総合優勝
フォーン=アルデシュ・クラシック総合優勝