(初心者向け)絶対覚えておきたいワード集
(初心者向け)絶対覚えておきたいワード集
基本用語編
ホールド
壁に取り付けられた登るための人工の石や箱こと。 指先しか引っ掛けられない小さいものから、抱えきれないほどの大きなものまで、色とりどりのホールドが配置され、選手は手順足順を考えながら登っていく。
ムーブ
身体のバランスをうまく使って登っていくための技や身のこなし方、テクニック。選手はホールドの配置によってムーブを考えトライしていく。どんなに強い選手でも、ムーブが思いつかなかったり間違っていたりすると登れないこともある。たったひとつのムーブにより下剋上が起こってしまうほど、身体能力以外に非常に重要な頭脳的要素。
ガンバ
スポーツクライミングにおける応援の掛け声。観戦者は選手の登りのヒントになるような言葉、例えば「次の持ちにくい右手、しっかり持って!」など発してはいけないため、「ガンバ」以外の掛け声は控えておいた方がいい。選手が登り始める時や苦しそうな場面でぜひ大きな声で応援したい。
ホールド編
カチ
指先程度の厚みしかない小さいホールド。選手は、指先を立てるようにして握り締めたり、2、3本の指の先だけでひっかけたりして攻略していく。岩場をよく登っている選手は得意なことが多い。
スローパー
丸みを帯びたホールド。選手たちは手のひら全部を使ってホールドに密着させるだけでなく、体全体を使って抑え込んだりもする。スローパーとカチ、得意不得意が大きく2つに分かれるところ。
ポケット
穴の開いたホールド。小さなポケットホールドは、2本ないし3本の指を入れ保持をする。指に負荷が掛かりやすく嫌がる選手も多い。穴に入れる命中力も必要。安全上、1本しか入らない指のポケットは大会では使用されない。
ボリューム
非常に大きな、丸みあるホールド。大きいので、どこを持てば一番持ちやすいか、どこに足を置けば滑りにくいかなど、見極めも選手にとって考えどころとなる。
ハリボテ
箱上の大きなホールド。ハリボテをつけることで、カンテやリップ、凹角(※別述)のような役割を担い、立体的な動きを要求され、オザベーションの際に混乱をもたらせる。選手の体力を奪い、ムーブを悩ませたりする。
ガバ
一番持ちやすいホールド。大きくえぐれている部分が指でしっかりとかかる。しかし、たとえ小さいホールドや持ちにくいホールドだとしても、人によってガバと感じれば、それはカチやスローパーでなく『ガバ』と表現することもある。我々にとっては持ちにくくても選手にとってはガバなのだ。
壁の形状編
スラブ
90度より傾斜が緩い壁。選手には、持ちにくいホールドの処理やバランス、コーディネーション(※後述)を要求されることが多い。0度の垂壁と100度程度の傾斜くらいまでを『緩傾斜』(かんけいしゃ)ともいう。
オーバーハング
圧迫感を感じさせるほど手前に傾いた傾斜の壁。『強傾斜』(きょうけいしゃ)ともいう。ホールドは比較的持ちやすくなるが、選手にはパワーを要求される。
カンテ
壁の縦方向の端、縁。カンテをうまく使って攻略出来るかも勝負の分かれ目。
リップ
壁の横方向の端、縁、または強傾斜から緩傾斜に変わる境目。傾斜の変わり目は身体がはがれやすく選手にとって落ちどころとなることが多い。
凹角
壁が凹んでいるところ。選手は右壁と左壁に手足を開く柔軟性や立体的な動きが要求される。
ルール編
オブザベーション
コースを下見して、手順足順やムーブをイメージすること。ボルダリングの決勝やリードでは選手同士でムーブを相談することもできる。選手は、オブザベーションで7割程度のイメージができ、3割は他の選択肢、現場処理などで対応して登っていくことが多い。オブザベーションが上手くいけばより楽に登ることができるが、イメージと違っていた場合、いかに固執せず別の選択肢を考え直すかが戦略のうちになる。
完登
ボルダリングでは、TOPと記されたホールドにしっかりと両手で保持したり、安定した姿勢で両手が触れればゴール、つまり完登となる。リードでは、TOPと記されたホールドの両手で保持した後、ゴールのカラビナにロープを引っ掛けることで完登となる。スピードでは、タイマーにタッチして時間がきちんと表記されなければ、フォール、つまり落ちたこととなりタイムが記録されない。選手はライバルよりも何より、自身の完登を見据えていつもトライしている。
アテンプト
ボルダリングにおけるトライした数。アテンプトは、完登数とゾーン数が全く同じで同着となっている場合、アテンプトが少ない方の順位が上となる。なるべく少ないアテンプトで登ることで体力温存にもなり、無駄なトライをなるべく少なく登ることに、選手は気をつけている。
カウントバック
順位の決定方法の一つ。同着になった場合、前ラウンドつまり、決勝ならば準決勝、準決勝ならば予選の成績が優位となる。つまり、予選や準決勝でミスしてしまったり、力をセーブしすぎたりして決勝に臨んでしまうと、思わぬ結果を招くことも多々あり、選手はどのラウンドも抜かりなく戦っていく。
ムーブ編
デッドポイント
ホールドが悪く、不安定な体勢の時に、せーの!と言った感じで体のたわみを使って取りに行くムーブ。デッドポイントを制するものがクライミングを制すると言うほど、1番の落ちどころ。時に一か八かの思い切りも必要となる。
コーディネーション
動きが止まったりしっかり保持することなく、連続した動きで2個以上先のホールドを目指したり、手と足技と同時に繰り出すアクロバティックな要素が多いムーブ。観客側も見応えがあり、成功した時には思わず歓声があがり、拍手が鳴り響く。
ランジ
大きく体を振ってジャンプするムーブ。次のホールドを補助的に使って、2個先のホールドをジャンプして目指すコーディネーションと違うが、1回のジャンプで次のホールドをしっかり保持して止める場合のことを言う。ジャンプの飛距離や止めた時の身体の振られにいかに耐えられるかが見どころ。
マントリング
足技ムーブ編
トウフック
足の甲で引っ掛ける足技ムーブ。身体がパツンパツンで伸び切ってしまうような時に、身体のバランスを安定させるために使う。トウフックが使えた時は安定するが、外さないと次のムーブが繰り出せないため、外す時にバランスが崩れて落ちどころとなることも多い。
ヒールフック
スメアリング
ホールドに乗せずに、壁に足をあてがること。スメアリングがおろそかになると一気に腕の負荷が大きくなってしまう。ホールドに乗せていない足のバランスの取り方や、いかに壁自体の摩擦をうまく使って登っていくかも選手のうまさ、強さに繋がっている。 また、足の裏面でホールドを押さえつけるように乗せることもスメアリングという。