ダン・ティクトゥム

フォーミュラEはドン底に落ちたレースキャリアを復活させる舞台。2025年、再び光を浴びたのがダン・ティクトゥムだ。レッドブルジュニアドライバーとして育成の王道ルートを進み、2017年、初参戦のF3マカオGPで優勝。これは上位2台が揃って最終ラップでクラッシュするという棚ぼた優勝だったが、ランド・ノリスらと果敢にバトルを仕掛けて3位に上がっていたからこそ得られた優勝だった。翌年のマカオGPは常にトップを走る圧勝。スーパーフォーミュラにもスポット参戦するなど評判は上り調子だったが、侮辱発言が問題視され、レッドブルジュニアを解任されてしまう。その後はF1で走るチャンスを掴むことはできなかった。フォーミュラEにはシーズン8（21年-22年）から参戦。昨シーズン、チーム体制がクプラ・キロになり、ポルシェのパワートレインを得て完全復活。東京で3位、ジャカルタで初優勝、ロンドンではポールポジションも獲得する活躍を見せた。マカオGPでの2連覇を見ても分かる通り、元々公道レースでのポテンシャルが高いドライバーであり、今季は更なる優勝と活躍が期待される。