ツール・ド・フランス2023

STAGE 20

第20ステージ

ベルフォール>ル・マルクシュタイン・フェルラン

133.5 km
7月22日(土)午後8:05 - 深夜1:20
/ J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後8:20 - 深夜2:20 / J SPORTSオンデマンド限定
第110代マイヨ・ジョーヌの名前が、ついに明らかになる日

コースの特徴

第20ステージコースマップ

とうとう今大会5つ目の山脈、ヴォージュ山地までたどり着いた。133.5kmという極めて短いコースの上には、6つの山岳が立ちはだかり、獲得標高差は3600mにも達する。パリ到着まであと24時間。泣いても笑っても、2023年ツールの総合争いは、この第20ステージのフィニッシュラインで決する。

今年で創設120周年を迎えたツール・ド・フランスが、1905年に史上初めて挑んだ本格峠こそ、今ステージスタート直後に控える2級バロン・ダルザスだ。山頂には、初登頂を果たしたルネ・ポティエ(1906年ツールの総合覇者)を称える記念プレートが飾られている。このシンボリックな山は、昨夏の第1回ツール・ド・フランス・ファムでも使用された。

その2級バロン・ダルザス(登坂距離11.5km、平均勾配5.2%)から、山三昧の1日へと突入する。しかも山の険しさは、徐々にクレシェンドしていく。続く2級クロワ・デ・モワナは5.2km・7%、立て続けに上る2級グロス・ピエールは3.2km・8%。もちろん上りの後には、下りも必ずやってくる。特にお次の3級シュルトからのダウンヒルは、全長18kmと長く、幾多のヘアピンカーブを注意深くこなさねばならない。

チーズで有名なマンステールまで猛スピードで下り切ったら、休む間もなく勝負の最終2連続登坂へ。しかも1級プチ・バロン(9.3km、8.1%)は、登坂口にガツンと10.2%の急勾配が待ち受ける。そのまま高めの一定勾配が延々と続き、選手たちに一瞬たりとも気を緩める隙を与えない。極細の山道を下った勢いで攻める1級プラツァーヴァーゼル(7.1km、8.4%)は、逆に緩急が入り交じる。勾配が跳ね上がるいくつかのポイントで、今ツール最後のアタック合戦が繰り広げられるのだろうか。山頂までの最終1kmは、10.5%に達する。

ただ山頂からフィニッシュラインまでは、いまだ8.2kmと遠い。道はいまだうねりをはらむけれど、もはや険しい上りも危険な下りも存在しない。速いテンポで展開されてきたステージは、のどかな山の風景の中で、まるで余韻を噛みしめるように終わりを告げる。第110代マイヨ・ジョーヌの名前が、ついに明らかになる。


MAP




Fumyのステージチェック

fumyのステージチェック

いわゆる「最終ステージ」。距離は短いけど、獲得標高差は3600m。ぎゅっと凝縮されていますし、ラスト2つの上りは鬼門ですね。でも、最後は平坦フィニッシュということで、もはや総合あまり動かないような気がします。

もしかしたら、なにも起こらずに、単純な逃げ切りで終わるかもしれない。後方で総合勢はコントロールに終始するだけ。そんなこともあり得ます。もちろん、総合タイム差が少ない場合は、動く選手もいるでしょう。ただ無駄なあがきになりそうな気もします。それなりにタイム差はつけられるかもしれないけど、「大逆転」が可能なステージだとは思えないです。1級プティ・バロンのふもと、もしくは中盤から飛び出して逃げ切れるのであれば、そこでドラマが生まれますよ。でも、最後の上りだけで逆転を仕掛けようと思ったら、総合をひっくり返すのは難しい。

自転車ロードレースは、フィジカルはもちろんメンタルの部分も需要なので、最後まで攻め続けることはすごく大切です。それこそが自転車レースの最大の魅力なので、そんな戦いを期待したいです。どの選手であれ、どの立場であれ。ただこれが……正真正銘の最後のツール・ド・フランス2023年の総合を争うステージだと考えると、なんで山頂フィニッシュにしなかったんだろうと不満はあります。

だって上りでの掛け引きと、平坦での掛け引きとは、全く別物ですから。例えば、去年のツール・デ・フランドルでは、上りではタデイ・ポガチャル選手が最強だったけど、平地での掛け引きで負けましたよね。今のポガチャル選手はその辺の上手さを身につけたし、ヨナス・ヴィンゲゴー選手が相手だったらむしろ有利だとは思うんです。ただ、この2人の総合タイム差がほとんどなかった場合、この平坦フィニッシュはどうなの……って残念に思うところではあります。

まあ、自分で走らなくていいから、批判できるんですけど(笑)。これ、実際に走る選手にとっては、かなり大変なステージですよ。ただ2日間の平地を経ての今ステージですから、マイヨ・ジョーヌが疲れ果てて最後に千切れるとか、チームが奮闘して疲れ果てる……みたいな大逆転パターンは起こりにくいんです。もちろん脱落する選手はいる。それは単なる力不足。でも、大逆転を狙えるようなコースではないのかな。

解説:別府史之 / 文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
高低差図
Detail
詳細
山岳詳細 
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
42 km/h 40 km/h 38 km/h 42 km/h 40 km/h 38 km/h
0 km地点 スタート地点 13:45 13:45 13:45 20:45 20:45 20:45
24.0 km地点 2級山岳 14:17 14:18 14:20 21:17 21:18 21:20
37.2 km地点 中間SP 14:34 14:37 14:39 21:34 21:37 21:39
56.5 km地点 2級山岳 15:01 15:04 15:08 22:01 22:04 22:08
64.9 km地点 2級山岳 15:13 15:17 15:21 22:13 22:17 22:21
79.4 km地点 3級山岳 15:33 15:39 15:44 22:33 22:39 22:44
108.2 km地点 1級山岳 16:16 16:24 16:32 23:16 23:24 23:32
125.3 km地点 1級山岳 16:35 16:44 16:54 23:35 23:44 23:54
133.5 km地点 ゴール地点 16:54 17:05 17:17 23:54 00:05 00:17

一覧ページへ戻る

SHARE

  • Facebook
  • LINE
  • Twitter