コースの特徴
たしかに2日連続で大集団フィニッシュが予想されてはいるものの、開催意委員会は、注意書きをつける。両手を上げるのは、おそらく単なるピュアスプリンターではなく、いわゆる「上れる」スプリンターなのだという。
2年前にはマテイ・モホリッチの逃げ切り勝利を見届け、ワウト・ファンアールトのTT勝利の起点ともなったリブルヌから出発すると、まずはボルドーのぶどう畑の中を駆け抜ける。ポメロル、ペトリュス、サン・テミリオン……。その後もフォアグラ街道やりんご街道を横切りつつ、農業大国フランスが誇る豊かな大地を突き進む。
大会2度目にして最後の200km超のステージも、残り3分の1を切ると、ペリグー・リムザン自然公園に足を踏み入れる。アップダウンの幅が増し、3つの小さな山岳も待ち受ける。いずれも勾配は5%台前半で、登坂距離も長くはないものの、すでに1週間の疲労が蓄積された脚にとっては決して単純ではなさそうだ。この日最後の4級コンダ・シュル・ヴィエンヌ(1.2km、5.4%)は、残り9.3km地点に立ちはだかる。
フィニッシュラインが引かれるのは、ツール・デュ・リムザン最終日でおなじみの大通りではない。また2016年第4ステージで、マルセル・キッテルがミリ単位の差でブライアン・コカールを蹴散らした、最終数百メートルがちょっとした上り基調の道でもない。
今ステージの、ジュルダン広場を目指すフィニッシュは、残り1kmからじわじわと登り始める。しかもラスト700mは、4%台後半の上り坂で、かつ完全なる一直線。上れる脚に加えて、加速タイミングを見定めるセンスも不可欠だろうか。
Fumyのステージチェック
「地足」のあるスプリンターしか活躍できない日です。ピレネーを越えた後ですし、猛暑が続いている可能性もあります。たしかに前日は単純なスプリントステージでしたけど、疲労もいまだ残ってるはずです。さらに今ステージの終盤には、リモージュ一帯特有の起伏も待ち構えてますから。
地形的に見れば、ピュアスプリンターも最終盤まで前戦に留まっていられるとは思うんですよ。ただ、果たして、勝負に絡めるだけの体力を残しているかは疑問ですね。この辺りの起伏って、一つひとつは距離も勾配もあまりない。でもトータルすると意外と獲得標高は多くなる。しかもキックの激しいかなり消耗するタイプ。コーナーも多い。この日のアップダウンは、結構ダメージになります。
最後の4級峠を終えた時点でチームメイトを残しているかどうかも、重要なポイントになってきます。ただ山頂からフィニッシュまではもはや9.3kmしか残っていません。スプリントの準備に取り掛かるのはたいていラスト15kmから。まあ、平坦なピュアスプリンターステージであれば、ラスト5kmでもぎりぎり間に合うんですけど、今ステージのような地形なら、9kmではほとんど準備はできない。
だからファビオ・ヤコブセン選手とかディラン・フルーネウェーフェン選手とかのような「ピュア」スプリンターには、難しいんじゃないかな。むしろ「脚を貯める」ことのできるマッズ・ピーダスン選手とかマグナス・コルト選手が有利です。マイケル・マシューズ選手やビニヤム・ギルマイ選手も、こういう地形は得意です。
あとはマチュー・ファンデルプール選手。祖父レイモン・プリドールさんにゆかりの深い土地ですから……間違いなく、モチベーションは高いでしょうね。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
46 km/h | 44 km/h | 42 km/h | 46 km/h | 44 km/h | 42 km/h | ||
0 km地点 | スタート地点 | 12:45 | 12:45 | 12:45 | 19:45 | 19:45 | 19:45 |
79.0 km地点 | 中間SP | 14:28 | 14:33 | 14:38 | 21:28 | 21:33 | 21:38 |
130.4 km地点 | 3級山岳 | 15:35 | 15:43 | 15:51 | 22:35 | 22:43 | 22:51 |
184.7 km地点 | 4級山岳 | 16:46 | 16:57 | 17:09 | 23:46 | 23:57 | 00:09 |
191.4 km地点 | 4級山岳 | 16:55 | 17:06 | 17:18 | 23:55 | 00:06 | 00:18 |
200.7 km地点 | ゴール地点 | 17:07 | 17:19 | 17:32 | 00:07 | 00:19 | 00:32 |