ツール・ド・フランス2023

STAGE 06

第6ステージ

タルブ>コトレ・カンバスク

144.9 km
7月6日(木)午後7:45 - 深夜1:35
/ J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後8:00 - 深夜2:35 / J SPORTSオンデマンド限定
3つの難関峠&今大会初の山頂フィニッシュ

コースの特徴

第6ステージコースマップ

ピレネー2日目にして、今大会初の山頂フィニッシュがやって来た。145km弱という短距離コースに、3つの難関峠が詰め込まれ、標高2000mを超える世界にも足を踏み入れる。山の男たちによる、マイヨ・ジョーヌ争いはいよいよ本格化する。

極めて典型的なピレネー山岳ステージ。つまり高速64号線沿いでスタートを切り、ステージ序盤は、平地をひたすら南下して山場を目指す。今ステージもやはり交通の便のよいタルブから走り出し、ゆるやかなアップダウンと小さな3級峠はあるものの、序盤に特筆すべき難所は存在しない。

49km地点で中間スプリントを争った直後に、選手たちは山の戦いへと放り込まれる。そこからフィニッシュまでの残り約100kmは、ひたすら長い上りと長い下りを繰り返すのみ。山と山の間に平地がほぼ存在しないのも、またピレネーの特徴のひとつ。

まずは2つの伝統峠、1級アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)と超級トゥルマレ(17.1km、7.3%)が連続で襲いかかる。ちなみに2019年にティボー・ピノがトゥルマレ山頂フィニッシュを勝ち取った時とは、反対側から攻める。また約3週間後のツール・ド・フランス・ファム第7ステージでも同じ連続登坂が登場し、しかも女性ライダーたちはトゥルマレ山頂で勝敗を決するけれど……男性選手たちは標高2115m地点で単純に山岳ポイントと「ジャック・ゴデ賞」を争うだけ。山頂を大急ぎで通り越して、約30kmの長い長いダウンヒルへと飛び込まねばならない。

下り切ったら、休む間もなく最終登坂へ。1級コトレ・カンバスクの全長16kmの山道は、平均勾配こそ5.4%と低いものの、それは単に前半3分の2がだらだらと緩やかな上りだから。しかし2015年第11ステージでアスパンからトゥルマレを経てコトレでフィニッシュした時よりも、今回は、もっと上まで進むのだ。ラスト5kmで、突如として勾配は9%弱にまで跳ね上がる。さらに山頂まで4kmを切ると、そこから2.5kmにわたって10〜11%の急勾配ゾーンが続く。


MAP




Fumyのステージチェック

fumyのステージチェック

まさにピレネーの大御所級、長距離の上りがいくつも登場します。マイヨ・ジョーヌ候補たちも、本腰を入れて戦ってくるはず。この日は絶対に面白くなるので、解説したい!とメンバーに入れてもらいました。

トゥルマレはアマチュア時代から通して何度か上ったことがあります。2009年ツールでも、今回と同じ、アスパン、トゥルマレの連続登坂をこなしました。個人的には、トゥルマレってそれほど勾配的には怖くはない。ただ、とにかく長いんです。しかも前ステージでも言った通り、ピレネーにはほとんど木陰がないので、日差しのキツさと上りの長さでじわじわと体力が削られていく。ダウンヒルも長いし、スピードが出るので、麓につく頃には身体が冷え切ってしまう。で、下り切ったら休む間もなく、すぐに上りじゃないですか。ほんと、消耗戦です。

ステージ自体は145kmと短いので、ユンボ・ヴィスマやUAEチームエミレーツがものすごいテンポで牽引して集団を削っていくような展開になると思います。まずはペースを上げて、後方から弱者を振り落としていく、的な。

最後の上りも16kmと、また長いですね。しかもラスト4〜5kmで勾配が急に10%台にあがる。このタイミングで、おそらくタデイ・ポガチャル選手が仕掛けます。彼は、いつもそうなんですけど、角度が上がった瞬間に行くんですよ。そのへんの感覚がスマートというか。「きついところで行く」「攻撃は最大の防御」というスタイルは、きっと崩さないんじゃないかな。

ただ、ユンボ・ヴィスマのほうがチームの総合力は圧倒的に高いので、優秀なアシストを使って、ヨナス・ヴィンゲゴー選手もしっかり対応してくるのではないか。ステージのラスト数キロは激しい攻防が繰り広げられるでしょう。

ユンボ vs UAEの構図を良しとしないチームも多いと思うんです。その場合はアスパンやトゥルマレで早めに仕掛けるべきです。トゥルマレは標高も高いですし、とにかく上りが長いので、リゴベルト・ウラン選手やリチャル・カラパス選手(※第1ステージの落車による骨折でリタイア)のような、いわゆるピュアクライマーが動くかもしれません。

解説:別府史之 / 文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
高低差図
Detail
詳細
山岳詳細 山岳詳細
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
39 km/h 37 km/h 35 km/h 39 km/h 37 km/h 35 km/h
0 km地点 スタート地点 13:25 13:25 13:25 20:25 20:25 20:25
29.9 km地点 3級山岳 14:11 14:13 14:16 21:11 21:13 21:16
49.2 km地点 中間SP 14:41 14:45 14:49 21:41 21:45 21:49
68.1 km地点 1級山岳 15:10 15:15 15:22 22:10 22:15 22:22
97.9 km地点 超級山岳 15:55 16:04 16:13 22:55 23:04 23:13
144.9 km地点 1級山岳
ゴール地点
17:08 17:20 17:33 00:08 00:20 00:33

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