コースの特徴
プロトンは開幕の地スペインに別れを告げる。ここから先のツールは、最後まで母国フランスに留まり続ける。そして開幕以降厳しいアップダウンに苦しめられてきたピュアスプリンターたちに、大会3日目にして、ついに輝けるチャンスがやってくる。
そうはいってもバスクの道は、起伏に富んでいる。スタート地アモレビエタ・エチャノは、地球全体が新型コロナウイルスに侵される前年2019年まで、ワンデーレース「クラシカ・プリマベラ」の開催地としておなじみだった。同レースの史上最多優勝+表彰台を誇るのが、あのアレハンドロ・バルベルデであるからして……推して知るべし。ステージはいきなり3級登坂から始まり、立て続けに4級山岳も襲いかかる。
その後、道は、ビスケー湾沿いへ。雄大な海の風景を眺めながら……やはり小さな起伏の上り下りを繰り返す。ただ開催委員会によれば「風の影響は少ない」そうだし、100kmほど走った先で、本日4つ目にして、最後の山岳も晴れて終了する。前日のフィニッシュ地サン・セバスティアンを通り過ぎたら、お待ちかね、道はいよいよ平坦基調になる。
残り54kmで国境を越えると、いわゆるフランス側バスクに突入だ。2018年ツール最終個人TTの舞台となったサン・ペ・シュル・ニヴェルで、小さな小さな丘を上ったら、そこからのラスト20kmは下り気味。スプリンターチームは高速で列車を走らせるに違いない。
真夏には白シャツ・赤スカーフが正装の「バイヨンヌ祭」で賑わうフレンチバスクの都市が、マイヨ・ジョーヌを巡る戦いを受け入れるのは、実に20年ぶり。いくつものロータリーをこなし、かつて30回以上も区間フィニッシュを見届けてきた元自転車競技場=現サッカー&ラグビー競技場の前を駆け抜け、アドゥール川にかかる小さな橋を渡った先で、新しいバイヨンヌ勝者が誕生する。
Fumyのステージチェック
ピュアスプリンターたちは、早めに勝っておきたいでしょうね。今ツールはとにかく山が多いので、序盤のチャンスを逃すと、どんどん辛くなってきますから。身体がフレッシュなうちに、絶対に1勝したいところです。
こういうステージは、まずは落車には要注意です。もちろんグランツール序盤は、ただでさえ集団内にはぴりぴりナーバスな雰囲気が漂ってます。しかもコースがかなり簡単な上に、まだみんな元気だからどんどん前へ前へと攻めちゃって、アクシデントが起きやすいんですよ。しかもスプリントステージというのは、町中を通過することも多くて、かなりテクニカルですから。
特に最終盤は、ロータリーがかなり連続して登場しますし、ヘアピンカーブもある。そこに絶好のポジションで飛び込むためには、チーム力が不可欠になってきます。ピュアスプリンターの戦いというのは、イコール、チーム戦なんです。チームがどれだけエースをサポートして、好位置まで連れていき、勝利をお膳立てできるのか……という戦いです。
つまり、しっかりトレインを組めるチームのスプリンターが有利です。アルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン選手、スーダル・クイックステップのファビオ・ヤコブセン選手、ジェイコ・アルウラーのディラン・フルーネウェーヘン選手、ロット・デスティニーのカレブ・ユアン選手。こういったピュアスプリンター同士の、がちがちのスプリント勝負になるはずです。
解説:別府史之 / 文:宮本あさか
距離 | ポイント | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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46 km/h | 44 km/h | 42 km/h | 46 km/h | 44 km/h | 42 km/h | ||
0 km地点 | スタート地点 | 13:15 | 13:15 | 13:15 | 20:25 | 20:25 | 20:25 |
13.8 km地点 | 3級山岳 | 13:33 | 13:34 | 13:35 | 20:33 | 20:34 | 20:35 |
32.8 km地点 | 4級山岳 | 13:58 | 14:00 | 14:02 | 20:58 | 21:00 | 21:02 |
65.8 km地点 | 中間SP | 14:41 | 14:45 | 14:49 | 21:41 | 21:45 | 21:49 |
70.9 km地点 | 3級山岳 | 14:47 | 14:52 | 14:56 | 21:47 | 21:52 | 21:56 |
102.0 km地点 | 3級山岳 | 15:28 | 15:34 | 15:41 | 22:28 | 22:34 | 22:41 |
187.4 km地点 | ゴール地点 | 17:19 | 17:31 | 17:43 | 00:19 | 00:31 | 00:43 |