ツール・ド・フランスを知るための100の入り口

ツール・ド・フランスを知るための100の入り口:最多勝利選手1 ジャック・アンクティル



ロードレース界きっての精鋭たちがしのぎを削るツール・ド・フランスでは、3週間という長さも手伝って無数のハプニングやアクシデントがある。安定的に総合優勝を続けるなどというのは至難の業だ。だが、それでも怪物はいる。

99回にわたる歴史の中で、複数回優勝のトップは5勝。以下の通り4人の選手がいわゆる「5勝クラブ」入りを達成している。

ジャック・アンクティル(フランス)
エディ・メルクス(ベルギー)
ベルナール・イノー(フランス)
ミゲル・インドゥライン(スペイン)
続いて3勝が3人、2勝が12人だ。4勝はひとりもおらず、上記4人の記録は突出している。そんな一目置かれる彼らの記録を見てみよう。まずは、1957、1961、1962、1963、1964年優勝の、ジャック・アンクティル。

ツール開始50回目の時点では、フランス人で3勝をあげた者は1人もいなかった。わずかにベルギー人のフィリップ・ティスが達成したのみ(1913、1914、1920年)。その後、1953年からフランス人ルイゾン・ボベが3連覇を遂げ、一躍ヒーローになった。

[写真] 史上初のツール・ド・フランス5勝をあげたアンクティル(右)

しかしそれからほどなく、5勝などという信じられない偉業を遂げたのがアンクティルだった。さらに、イタリアの3週間レース、ジロ・デ・イタリアで優勝した初めてのフランス人でもある。初めて3大ツール(ジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ)全制覇を遂げたのもこの人。初物づくしなのだった。

その他、初日から最終日までマイヨ・ジョーヌを着用し続けた初のフランス人、という記録も持っている。ただし、全ステージを通じて首位だったワケではない。

この年、つまり1961年は、初日に2ステージ組まれていたため、第1aステージ優勝者のダリガードが最初のマイヨ・ジョーヌ獲得者として記録され、続く第1bステージでアンクティルが逆転し、初日終了時に総合首位の座を射止めたのだった。

とにかく圧巻のタイムトライアリストで、ツールの平坦個人タイムトライアル(TT)では、無敵だった。上述の1961年ツールでは、初日終了時点ですでに2位と5分近く差がついており、2度目のTTでとどめを刺した。

山岳ステージではなくTT区間が勝敗を決定づけた代表的な例として、このときの大会は今でもしばしば引用される。(続く)

※本企画は2013年6月に実施されたものです。現在と情報が異なる場合がございますが、予めご了承ください。

写真:By NL-HaNA, ANEFO / neg. stroken, 1945-1989, 2.24.01.05, item number 916-5812 (Nationaal Archief Fotocollectie Anefo) [CC-BY-SA-3.0-nl], via Wikimedia Commons


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