ジロ・デ・イタリア2025

今大会最長ステージは、いわゆる「移動ステージ」でもある。プロトンは一気にティレニア海岸までたどり着く。すべてが予定通りに行けば、長い1日の幕は、大集団スプリントで閉じる。

ステージ前半だけ見れば、決して平坦ではない。そもそも高台の町ポテンツァからの、約10kmのパレードラン自体が上り坂。リアルスタート地点を過ぎても、道は5kmほど上り続ける。その先には長いダウンヒルが待っている。

2級山岳は勾配自体は平均3.8％と、スプリンターを震え上がらせるほどではない。ただ登坂距離が19.9kmとひたすら長い。その後も細かい起伏とうねる道が続く。700mを越えるトンネル越えも2回。3級山岳を越えると、残り82kmで、起伏は完全に打ち止めだ。長い平地を利用して、プロトンは徐々に秩序を取り戻していく。

4年連続のナポリフィニッシュ。ナポリと言えば、伝統的には大集団スプリントであり、過去3年に限れば……カオスのフィナーレでもある。2022年はギリギリの逃げ切りが決まった。2023年は逃げが残り300mまでもがき続けた。昨年にいたっては最終盤に飛び出しが相次ぎ、マリア・ローザ自らが先頭牽引に動き、ラスト25mでようやく回収した！

もちろんコース地形も、フィニッシュへのアプローチも、毎年大きく異なる。ただフィニッシュラインだけは今年も変わらず、900mのロングストレートの果てに、ナポリ湾のマッパテッラ・ビーチに引かれる。

text：宮本あさか