コースの特徴
小さくても、スパイスの効いた山が待っている。大会も残り3日。上り巧者たちが今大会最後の大逃げ勝利を目論み、夢破れた総合エースも、自らの名声を救うために果敢な走りを見せるかもしれない。
前半100kmに目立つ難所はない。モルテリアーノを出立すると、一行はひたすら北を目指す。タリアメント渓谷の道はじわじわと上り続けてはいるものの、好ましい逃げ集団が出来上がるまでには、うんざりするほどの時間を要する可能性もある。
100kmかけて東アルプスの麓にたどり着くと、後半60km、待望の山岳バトルに突入だ。最初に出会う2級山岳パッソ・ドゥロンは、登坂距離こそ4.4kmと短いが、平均勾配は9.7%と激辛。特に上り始めにいきなり最大18%ゾーンが出現し、序盤2kmは軒並み2桁台の勾配で圧倒する。続く3級山岳セッラ・ヴァルカルダ(5.4km、6.5%、12%)もまた、パンチ力を大いに求める。中盤約1kmにわたって10%超の難ゾーンが潜み、終盤にも9%台が連なるのだ。
激勾配でアタックを決めてもフィニッシュラインは下って上った先
2018年大会第14ステージでも、ドゥロン→ヴァルカルダの連続登坂が使用された。あの日はそこから魔の山ゾンコランに向かったが、今回は細く曲がりくねった山道をたどりながら、最後には2級山岳チーマ・サッパーダ(8.3km)にたどり着く。やはり平均勾配4.8%を信じ込んではならない。後半1kmにわたって平均11%・最大15%の壁が立ちはだかるのだ。そこからの1.5kmも8%台と、難しさが続く。
フィニッシュラインが引かれたのは、サッパーダ山頂から6.2km先。つまり激勾配でアタックを決めた後も、猛スピードの下りを冷静に攻略せねばならない。ラスト2kmには一瞬ながら勾配10%超の障害も待っている。ちなみに2018年第15ステージで、マリア・ローザ姿のサイモン・イェーツがこの地を勝ち取っているが、実はコースが重なるのはラスト1.5kmだけ。
text:宮本あさか
関連観光グルメ
第19コースのスタート地点であるモルテリアーノは、田園風景に溶け込むのどかな町。農業がさかんで『トウモロコシ』、小麦、大麦などの産地だ。
特にトウモロコシから作るポレンタ粉は、香り、色、風味、粘度すべての面で最高品質と評価されている。地産プロジェクトとしても取り組んでおり、「Blave di Mortean」は一つのブランドとして確立している。
ポイント | 残り距離 | 現地時間 | 日本時間 | ||||
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41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | 41 km/h | 39 km/h | 37 km/h | ||
オフィシャル スタート |
157.0 km | 13:10 | 13:10 | 13:10 | 20:10 | 20:10 | 20:10 |
中間SP | 100.9 km | 14:25 | 14:29 | 14:33 | 21:25 | 21:29 | 21:33 |
インテルジロ | 56.6 km | 15:27 | 15:34 | 15:41 | 22:27 | 22:34 | 22:41 |
2級山岳 | 52.1 km | 15:40 | 15:48 | 15:57 | 22:40 | 22:48 | 22:57 |
中間SP | 40.7 km | 15:54 | 16:02 | 16:12 | 22:54 | 23:02 | 23:12 |
3級山岳 | 35.3 km | 16:07 | 16:16 | 16:27 | 23:07 | 23:16 | 23:27 |
2級山岳 | 6.2 km | 16:52 | 17:04 | 17:18 | 23:52 | 00:04 | 00:18 |
フィニッシュ | 0.0 km | 16:59 | 17:12 | 17:26 | 23:59 | 00:12 | 00:26 |