来歴


サイクルロードレース界における日本人の歴史を塗り替え続けてきたベテランは今年で41歳を迎える。16回のグランツール完走など輝かしい成績を残してきた新城だが、まだまだ成長の意欲は収まることを知らない。


◆怪我に屈しない侍魂


2012年4月は練習中の落車で左手首を、2015年4月リエージュでは左肩甲骨と左肋骨を、2016年2月カタールでは左大腿骨を骨折。


ただ新城は決して諦めなかった。12年と16年はツール出場を果たしたし、15年はブエルタに初出場。また昨夏にも落車で右肘を圧迫骨折するが、2カ月でしっかりレースへ復帰した。もちろんいつだって長いリハビリに耐え、常にトップレベルへと復活する。


新城幸也

◆日本ロードレース界の第一人者


2009年日本人初のツール完走、初ラインステージでいきなりスプリント5位の衝撃を巻き起こし、2010年世界選手権で日本人男子エリート最高位の9位、2014年アムステルでワールドツアーワンデー日本人最高位10位……と、常に日本自転車界を先頭で牽引し続けてきた。


そして7回のツール・ドフランス完走を含む、16回のグランツール完走は日本人最高の数字。


◆成長への意欲


2022年は、チーム内で怪我人や病人が多く、ミラノ〜サンレモ出場後にひたすらに引き止められて飛行機をキャンセルし、ベルギーでのワンデークラシックの連戦、さらには初めてのパリ〜ルーベにまで出走。


ひと月のほぼ半分のスケジュールをレースで埋める年齢を感じさせないタフさを見せた。


これまでで多くのレースを経験した上でなお、「とにかくいろんなレースに出たい」と話し、2016年以来出ていないツール・ド・フランスにも「もう一度」と意欲を示している。ベテランと呼ばれる歳になった新城だが、成長への意欲はまだまだ止まらない。


◆パリ五輪を走り終えて次の目標へ


近年は成長著しい若い選手たちに席を譲ることも増えてきたが、それでも出場したレースは確実にアシストとしての仕事をこなしチームに貢献。グランツールもリザーブの一番手として待機。


最終的な出場までは至らずも、その経験はチームに必要とされてきた。2024年は、目標としてきたパリ五輪に出場し56位で完走。そして、2025年からはソリューションテック・ヴィーニファンティーニへ移籍。ヨーロッパはもとより、アジア、さらには日本で開催されるUCIレースへの出場意欲も高めている。


新城幸也

©ASO

戦績

レース・結果
2006年 ツール・デュ・リムザン総合3位
2007年 国内選手権ロードレース優勝、ツアー・オブ・ジャパン区間優勝
2008年 ツール・ド・おきなわ 総合優勝、ツール・デュ・リムザン総合3位
2009年 ダンケルク4日間レース総合9位
2010年 クリテリウム・シクリスト・インターナショナル・デ・キヤン優勝
パリ〜トゥール5位、世界選手権9位
2011年 アジア選手権ロードレース優勝
国内選手権ロードレース2位
2012年 ツール・デュ・リムザン総合優勝
2013年 国内選手権ロードレース優勝、ツール・デュ・リムザン総合2位
2014年 アムステルゴールドレース10位
2015年 ジャパンカップ3位
パリ〜カマンベール5位
ショレ=ペイ・ド・ラ・ロワール6位
2016年 ツアー・オブ・ジャパン区間優勝
ジャパンカップ9位
アジア選手権ロードレース2位
2017年 アジア選手権チームタイムトライアル2位
香港チャレンジ3位
2018年 アジア選手権チームタイムトライアル優勝
ツール・ド・台湾 総合優勝&アジアンリーダー賞
2019年 さいたまクリテリウム優勝
2021年 東京オリンピック自転車ロードレース35位
2022年 国内選手権ロードレース優勝
2023年 アジア選手権ロードレース3位
アジア大会ロードレース7位
2024年 パリオリンピック自転車ロードレース56位