来歴


ジュニア時代から頭角を示してきたトーマス・ピドコックは、あらゆるクラシック、あらゆるモニュメントで、出走のたびに優勝候補として名を挙げられる。


◆万能型すぎるレーサー


ロードレースでのプロ一年目には、「全地形型」だと証明した。


「石畳から起伏への移行レース」ブラバンツ・ペイルを制し、「30の上りと1000のカーブ」のアムステルで2位、「スプリンターズ」クールネで3位、「白い道」ストラーデ・ビアンケで5位、「激坂一本勝負」フレーシュ・ワロンヌで6位を獲得。


多種多様な特徴を持つコースで安定的に上位に食い込み続けた。


トーマス・ピドコック

◆人生で最高の経験の一つ


そんなマルチプレイヤーのピドコックだが、「人生で最高の経験の一つ」と語ったのが、初出場となったツール・ド・フランスでラルプ・デュエズのステージを勝ったことだ。


ロードのレースでは、小柄な体格も生かすことが可能だともいわれているが、将来的にどの種目にコミットするのか、または様々な種目でスペシャリストとなるのか。本人にしても未知数だという。


◆クラシックでの活躍もチーム内の序列は上がらず移籍を決意


2023年にはストラーデ・ビアンケを勝ち、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも2位となるなど、クラシックレースでの適性を証明。


翌2024年もアムステル・ゴールドレースを制し、ここ一番での勝負強さを見せつけた。一方で、本人はグランツールでも実力を発揮できると信じ、ティレーノ〜アドリアティコやツール・ド・スイスでの個人総合上位でアピール。


しかし、複数の総合エースを抱えるイネオス・グレナディアーズではその地位を与えられることはなく、徐々にチーム内での序列も下がっていくことに。


シーズン後半には首脳陣との確執が一層強まることとなり、イル・ロンバルディアでは直前にメンバーから外される事態にも。それを機に新たな環境へ移ることを決意したのだった。


トーマス・ピドコック

©A.S.O./Pauline Ballet

戦績

レース・結果
2020年 ジロビオ総合優勝&山岳賞
2021年 ブラバンツ・ペイル優勝
アムステルゴールドレース2位
クールネ〜ブリュッセル〜クールネ3位
ストラーデ・ビアンケ5位
ラ・フレーシュ・ワロンヌ6位
東京オリンピックマウテンバイク・クロスカントリー金メダル
世界選手権マウンテンバイク・クロスカントリー優勝
2022年 ツアー・オブ・ブリテン総合2位&ポイント賞
ドワーズ・ドール・フラーンデレン3位
ブラバンツ・ペイル5位
2023年 オンループ・ヘットニュースブラッド5位
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合7位
ストラーデビアンケ優勝
アムステル・ゴールドレース3位
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位
2024年 アムステルゴールドレース 優勝