来歴
2018年の世界選では、得意の個人タイムトライアルではなく、なんとロードで3位に食い込み、母国スイスに21世紀初のエリート男子ロードメダルをもたらした。史上わずか5人しかいないロード&TT世界選表彰台経験者の仲間入りを果たす。
◆史上5人目の快挙達成
2019年のグルパマ・エフデジ新加入選手はたった3人。しかも3人全員が元BMCで、うち2人がスイス人だった。チームが抱えるスイス人は4人に増え、3人がディボー・ピノ用山岳部隊。つまり2年連続でスイス国内選個人TTを制した男だけが、例外の平地要員だった。
◆オファーを断りチームに残留
当時チームとの契約最終年だった2023年は、UAE、ボーラ、トレック、DSM……数々のチームから素敵なオファーを受け取ったが、最終的に現チームと3年契約延長。自分の思い描く「長期成長計画」を成功させるためには、流れを断ち切りたくなかったし、在籍5年目にして「チームの一員」とはっきり実感できたから。
この年は少しだけ試合出場数を減らすことを認めてもらった。出場レースを絞り込む代わりに、出場したレースは「全試合真剣勝負」。より目標に特化したトレーニングが詰めるし、より攻撃的な走りができる態勢づくりに努めた。
◆熱狂的なファンの応援を背に北のクラシックでも活躍
“主戦場”である個人タイムトライアルに加えて、年々向上しているのが石畳系クラシックでの走り。北のクラシックでは毎レース優勝候補に挙げられ、2022年のパリ〜ルーべでは表彰台を確保。2024年にもドワーズ・ドアー・フラーンデレンで3位となった。スイスから駆けつける「シュテファン・キュング応援団」もお馴染みで、彼らの後押しを受けながら表彰台の頂点を目指している。
©A.S.O./Thomas Maheux ©A.S.O./Pauline Ballet
戦績
年 | レース・結果 |
---|---|
2014年 | ツール・ド・ノルマンディ総合優勝&ヤングライダー賞 |
2015年 | 世界選手権個追抜優勝 欧州選手権世界選手権個追抜優勝 国内選手権世界選手権個追抜優勝 |
2017年 | ツール・ド・ロマンディ区間優勝 国内選手権個人タイムトライアル優勝 ベネルクス・ツアー区間優勝 |
2018年 | ツール・ド・スイス区間優勝 国内選手権個人タイムトライアル優勝 ベネルクス・ツアー区間優勝 |
2019年 | ヴォルタ・アン・アルガルヴェ区間優勝 ツール・ド・ロマンディ区間優勝国内選手権個人タイムトライアル優勝 ツール・デュ・ドゥー優勝 世界選手権ロードレース3位 |
2020年 | 国内選手権ロードレース&個人タイムトライアル優勝 欧州選手権個人タイムトライアル優勝 |
2021年 | ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合優勝 ツール・ド・イス区間優勝 国内選手権個人タイムトライアル優勝 欧州選手権個人タイムトライアル優勝 クロノ・デ・ナシオン優勝 |
2022年 | パリ〜ルーベ3位 ツール・ド・スイス総合5位 ツール・デ・フランドル5位 世界選手権個人タイムトライアル2位 ツール・ポワトゥ・シャロント総合優勝 世界選手権ミックスリレー優勝 |
2023年 | ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合5位 |
2024年 |
スイス選手権個人タイムトライアル優勝 ブエルタ・ア・エスパーニャ区間優勝 クロノ・デ・ナシオン 優勝 |