来歴


ジュニア時代は長い距離を高速巡航するルーラーとして頭角を表したヤスペル・フィリプセン。個人タイムトライアルで2年連続国内チャンピオンに輝き、世界選手権でも6位に食い込んだ。


アンダー時代の自己評価は「スプリントが強いクラシックライダー」。ジュニア版E3ハーレルベーケ優勝、U23版ロンド・ファン・フラーンデレン2位、そしてパリ〜ルーベはジュニア版・U23版ともに4位と、プロ入り前はどちらかというと確かにクラシック派だった。


◆「クラシックも強いスプリンター」誕生


2019年にUAEチームエミレーツ入りした後は、ほぼすべての勝利を大集団スプリントで稼ぎ出してきた。2020年のブエルタ・ア・エスパーニャでは区間勝利を勝ち取り、そのスプリント力を証明。


2021年には、新たに「石畳をこなせるスプリンター」を探していた新所属先「アルペシン・ドゥクーニンク」と出会う。チームは当時、ワールドチームからひとつ下のカテゴリーだったが、新チーム内での立ち位置はUAE時代のガビリアとクリストフに次ぐ3番手から一気にエースに昇格した。


ヤスペル・フィリプセン

◆勢いを増すスプリントの才能


2022年はツール・ド・フランスで最終日のパリを含むステージ2勝。最強スプリンターとしての格を一気に押し上げた。そして、2023年からワールドチームに昇格したチームはスプリントで多くの選択肢を持つ布陣を完成させた。ワンデーレーサーのマチュー・ファンデルプールも、フィリプセンもその一人だ。スプリントとクラシックレースに焦点を置くこのチームに移籍してから、その才能はとどまることを知らない。


ツール・ド・フランスでは3年間で合計9勝。2023年はポイント賞も獲得。さらに2023年のミラノ〜サンレモではチームの看板選手であるファンデルプールと役割分担し勝利をさらった。


ファンデルプールとのコラボレーションについては、「これまで問題が発生したことは一度もないし、今後も発生しないと思う」と話す。同じチームにものすごい選手が2人いる。それがお互いの強さをさらに高めていることは明らかだ。


ヤスペル・フィリプセン

©PHOTOGOMEZSPORT2020   ©A.S.O./Charly Lopez

戦績

レース・結果
2018年 ル・トリプティク・デ・モン・エ・シャトー総合優勝&ポイント賞
ツアー・オブ・ユタ区間優勝
ジロビオ区間優勝
2019年 ツアー・ダウンアンダー区間優勝
2020年 ツアー・ダウンアンダー ポイント賞
ツール・デュ・リムザン区間優勝
2021年 スヘルデプライス優勝
ツアー・オブ・ターキー ポイント賞
カンピウンスハップ・ファン・フラーンデレン優勝
エシュボルン=フランクフルト優勝
グランプリ・ド・ドナン優勝
パリ〜ショニー優勝
2022年 UAEツアー ポイント賞
バロワーズ・ベルギー・ツアー区間優勝
デンマーク・ルント区間優勝
オンループ・ファン・ヘット・ハウトラント優勝
パリ〜ブールジュ優勝
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム優勝
2023年 ツール・ド・フランスポイント賞&区間通算6勝
ティレーノ〜アドリアティコ 区間2勝
クラシック ブリュッヘ〜デパンヌ優勝
シュヘルデプライス優勝
エルフステデンロンド・ブリュッヘ優勝
バロワーズ・ベルギーツアー 区間1勝
レネウィ・ツアー 区間1勝
カンピオンシップ・ファン・フラーンデレン優勝
イクシーナ・ゴーイッシュ・ペイル優勝
パリ〜ショニー優勝
ヴィジットフリースランド・エルフステデンレース優勝
ツアー・オブ・ターキー 区間4賞&ポイント賞
2024年 ミラノ〜サンレモ優勝
ツール・ド・フランス区間3勝
レネウィ・ツアー ポイント賞
シュパルカセン・ミュンスターラント・ギーロ優勝