来歴


フィリッポ・ガンナの父親はカヌースプリントでオリンピック出場経験があるスポーツ家系。イタリアで生まれ育ったガンナは2016年のアマチュア時代にトラックレース個人追い抜き世界選手権で優勝し、その名を世界にとどろかせた。


◆トラックとロードの両立


プロ入り後は特にトラック種目で頭角を現し、トラック個人追抜で過去4回世界の頂点に君臨するほど実力をつけた。ただその勢いはトラックだけでは収まらず、ロードでも個人タイムトライアルで2020年8月から2021年2月にかけて8連勝を記録する破竹の勢いを見せつけた。


フィリッポ・ガンナ

◆親子でオリンピアンに


ストップウォッチ相手なら間違いなく現役最強とまで言われたフィリッポ・ガンナは、東京五輪、パリ五輪に出場。親子でオリンピアンとなった。


ただ出場するだけで終わるはずがなく、自らの走りでイタリア代表に金メダルと世界記録をもたらし、世界中を沸かせた。


◆クライマーとしての才覚も


アワーレコード、4km個人パシュート、4kmチームパシュートの世界記録を保持し、”速く走り続ける”ということに対してこのイタリアンライダーに並ぶ選手は数少ない。

ただそこで満足することなく、2023年のブエルタ・ア・サンフアンではクライマーたちと対峙して個人総合優勝、山岳ステージが続いたボルタ・ア・アルガルベでも2位を獲得。クライマーとしての強さも見せつけた。


◆パリ五輪では2つのメダル獲得


パリ五輪にフォーカスした2024年シーズンは、調整も兼ねてジロ・デ・イタリアに出場。尻上がりに調子を上げて、個人TTステージで1勝。


迎えた五輪本番は、チームパシュートで銅メダル、個人タイムトライアルで銀メダル。一番良い色のメダルにはあと一歩届かなかったが、もっと強くなって再びチャレンジすると強く誓った。その後の世界選手権でも個人タイムトライアルで銀メダル。これからはマイヨ・アルカンシエル奪還が大きな目標だ。


フィリッポ・ガンナ

©A.S.O./Aurélien Vialatte   ©UNIPUBLIC / SPRINT CYCLING AGENCYSprintCyclingAgency

戦績

レース・結果
2018年 ブエルタ・ア・サンフアン ヤングライダー賞
世界選手権個人追抜 優勝
欧州選手権団体追抜 優勝
2019年 ツール・ド・ラ・プロヴァンス区間優勝
国内選手権個人タイムトライアル優勝
ベネルクス・ツアー区間優勝
世界選手権団体追抜 優勝
2020年 ティレーノ〜アドリアティコ区間優勝
ブエルタ・ア・サンフアン総合2位
世界選手権団体追抜 優勝
世界選手権個人タイムトライアル優勝
2021年 エトワール・ド・ベセージュ区間優勝
UAEツアー区間優勝
東京オリンピック団体追抜金メダル
世界選手権団体追抜 優勝
世界選手権個人タイムトライアル優勝
2022年 エトワール・ド・ベセージュ区間優勝
ツール・ド・ラ・プロヴァンス区間優勝
ティレーノ〜アドリアティコ区間優勝
クリテリウム・デュ・ドーフィネ区間優勝
国内選手権個人タイムトライアル優勝
ドイツ・ツアー プロローグ優勝
アワーレコード更新(56.792km/h)
2023年 ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合2位
ブエルタ・ア・サンフアン総合2位
ティレーノ~アドリアティコ 区間1勝
ミラノ~サンレモ2位
パリ~ルーベ6位
国内選手権個人タイムトライアル優勝
ツール・ド・ワロニー個人総合優勝&区間2勝
世界選手権個人タイムトライアル2位、グラン・ピエモンテ4位
2024年 国内選手権タイムトライアル1位
オリンピック個人タイムトライアル2位
世界選手権個人タイムトライアル2位