来歴
スペイン、マジョルカ島の町で生まれたマスは、早くから才覚を示し、アマチュア時代の活躍が認められ、2016年にプロ入り。
2年後には母国で開催されるグランツール、ブエルタ・ア・エスパーニャに初出場した。
◆母国での大躍進
2018年、グランツール経験わずか2度目にして、ブエルタで総合2位に食い込み、ヤングライダー賞も獲得した。
ブエルタ直後の「ツールに出たい」発言は、次第に「ツールを勝ちたい」へと進化していった。
◆勝てるチームへの移籍
2019年、ナイロ・キンタナ、ミケル・ランダ、リチャル・カラパスという強豪3人が一気に抜けた穴を埋めるためだけではなく、むしろ「バルベルデの後継者」となる「スペイン人選手」を育て上げたいモビスターから、3年契約のエース待遇で迎え入れられた。
2020年はツールとブエルタで総合5位。ツールではピレネーを総合12位で抜け出しながら、後半のジュラ&アルプスで5位に浮上し、高いクライム能力を披露した。
ブエルタは新人賞を獲得。着実にグランツール総合優勝が近づいていることを示した。
◆リーダーとしての覚悟
アレハンドロ・バルベルデが現役生活を終え、モビスターのリーダーの座を一人で引き継ぐことに。
2022年のブエルタでは3回目の総合2位の座を獲得。チームランキングが低迷し、UCIワールドチームライセンス確保に困難を極めたモビスターの救世主となった。
マスにとっては、バルベルデのキャリア最後の時期をともに過ごした経験は貴重なものだった。
3年間で140日以上レースをともにし、リーダーシップをバルベルデから学んだ。
「彼からできるだけ多くのことを学ぼうとしてきた。何年もかけてそれを発展させていければ」と語る。
◆ツールで不発も得意のブエルタで4度目の総合表彰台
2024年は、初日の落車で1ステージも走りきれず終わったツールでのリベンジを誓ったが、調整ミスが響いて個人総合19位と低迷。
しかし、夏場に立て直すと得意のブエルタでは序盤から好位置につけ、個人総合3位でフィニッシュ。4度目となるブエルタ総合表彰台を確保した。
その後のロード世界選手権やイル・ロンバルディアも上位でまとめ、良いイメージでシーズンを終えている。
©Charly López ©Unipublic/Cxcling/Jose Carlos Diaz
戦績
年 | レース・結果 |
---|---|
2017年 | ブエルタ・ア・ブルゴス総合2位&ヤングライダー賞 |
2018年 | ツール・ド・スイス総合4位&ヤングライダー賞 イツリア・バスク・カントリー総合6位&ヤングライダー賞 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位&ヤングライダー賞 |
2019年 | ツアー・オブ・広西 総合優勝&ヤングライダー賞 ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合4位 |
2020年 | ツール・ド・フランス総合5位 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合5位&ヤングライダー賞 |
2021年 | ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合3位 、モンヴァントゥー・チャレンジ3位 ツール・ド・フランス総合6位 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位 |
2022年 | ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合4位 ジロ・デッレミリア優勝 イル・ロンバルディア2位 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位 |
2023年 | ブエルタ・ア・アンダルシア総合5位 ティレーノ〜アドリアティコ個人総合6位 イツリア・バスクカントリー個人総合5位 ジロ・デル・エミリア4位 ブエルタ・ア・エスパーニャ個人総合6位、区間1勝 |
2024年 | ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位 |