来歴
ツール・ド・ラヴニール総合優勝者として世間の期待を浴びながらプロ入りした。
2007年に現行のような「U23版ツール・ド・フランス」体制に移行して以来、ほとんどのラヴニールチャンピオンが、3年目にはエリートカテゴリーで目立つ成果を上げてきた。だがゴデュは、修行中の期間が長かった。ただ焦ることなく着実に力をつけていった。
◆才能の開花
2019年はチームエースであるティボー・ピノのアシスト役に回ることが多かったゴデュだが、翌年のブエルタ・ア・エスパーニャは山岳区間で2勝して総合8位。待ち望まれていた才能が一気に開花した。
ツール・ド・ラヴニールを制して5年目。ラヴニールの総合覇者として1年後輩のベルナル、2年後輩ポガチャルに続き、ついに自らもツール・ド・フランスで総合優勝に挑める実績を獲得したように見えた。
◆トップクラスのクライマーに
クライマーとしての脚は一級品だ。2019年ツール・ド・フランスではピレネーのトゥルマレ峠にフィニッシュするステージでピノの優勝を見事にアシストした。
プロ8勝の大部分が難関山岳コースで、2020年ブエルタ・ア・エスパーニャではピノのアシスト役を務めながらも2つの山頂フィニッシュで勝利をさらい取った。2022年のツール・ド・フランスは大きく沈んだピノに代わって、自己最高の総合4位に食い込んだ。
◆遅咲きのエース
長年、母国の注目を一身に集める「総合争いの希望の星」でもあったそんなピノが2023年12月31日に引退。ゴデュにとっては時に「兄」であり、「守護天使」でもあった。いよいよ本物の総合エースとして大きな責任と期待を背負わねばならない年齢になった。
自分より後にラヴニールを制したベルナルやポガチャルが単に早熟なだけ、そう割り切って、焦らず一歩ずつ強くなってきた。単にやせっぽちだった当時よりも、筋肉量は4kg増えた。心理学者とメンタルコーチの指導のもと、近年は精神強化も続けてきた。
ただしグルパマ・FDJのエースとして出場したツール・ド・フランスでは2023年総合9位、2024年総合65位と沈んだ。29歳となる2025シーズン、起死回生の復活を遂げることができるのか?
©PHOTOGOMEZSPORT2020 ©A.S.O./Oman Cycling Association/Thomas Maheux
戦績
年 | レース・結果 |
---|---|
2016年 | ツール・ド・ラヴニール総合優勝 |
2017年 | ツール・ド・レン総合2位&ヤングライダー賞 ミラノ〜トリノ5位 |
2018年 | メモリアル・マルコ・パンターニ2位 ツール・ド・ラ・プロヴァンス総合9位 |
2019年 | ツール・ド・ラ・プロヴァンス総合6位&ヤングライダー賞 UAEツアー総合3位&ヤングライダー賞 ツール・ド・ロマンディ総合5位&ヤングライダー賞 ミラノ〜トリノ5位 リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ6位 |
2020年 | UAEツアー総合4位 ツール・ド・ラ・プロヴァンス総合10位 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合8位 |
2021年 | リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ3位 ツール・デ・ザルプ=マリティーム・エ・デュ・ヴァール ヤングライダー賞 フォーン=アルデシュ・クラシック優勝 イツリア・バスクカントリー総合5位 クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合9位&ヤングライダー賞 ツール・ド・ルクセンブルク総合6位 東京オリンピックロードレース7位 |
2022年 | ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合5位 クリテリウム・デュ・ドーフィネ区間優勝 ツール・ド・フランス個人総合4位 |
2023年 | フォーン=アルデシュ・クラシック2位 パリ〜ニース総合2位 イツリア・バスクカントリー個人総合4位 ツール・ド・フランス総合9位 |
2024年 | ツール・デュ・ジュラ優勝 ツール・ド・ルクセンブルク区間1勝 |