来歴

そもそもはシクロクロスのスペシャリストだったメルリール。初めての大きなタイトルはシクロクロスジュニア国内チャンピオン。ベルギー「ロード」チャンピオンのタイトルを手に、ロードレースへも本格参戦した2020年にすべてが変わった。

◆シクロクロスからロードへ転向

2020年2月からロード転戦に駆り立てられたメルリールは、翌年初めてのグランツール出場。ジロ・デ・イタリア2日目には、自身とチームに初めてのグランツール勝利をもたらした。

さらにはツール・ド・フランスでも1勝!ただしシクロクロス愛は変わらない。35歳位までロードに専念した後は、再び冬の間中、土の上を駆け回りたいのだとか。

ティム・メルリール

◆夢のチーム・ウルフパックへ加入!

2022年にはロードでキャリア二度目のベルギーナショナルチャンピオンに輝いた。グランツールやその他ステージレースのスプリントステージでの成績はもちろんのこと、ワンデーレースでも成績を出すことが多い。まさにその場に慣れているクイックステップに加入した今、さらに勝利の可能性を大きく広げることとなるはずだ。

2023年には、スプリンター集団のアルペシンから、3年契約でウルフパック入り。若い頃、毎年行われる記者会見やチームのお披露目会に行った思い出もあるチームに30歳という成熟期でスプリンターとして迎え入れられることは、「ちょっとした夢のようです」と語った。

ファビオ・ヤコブセンとの棲み分けが注目されたが、結果的にツール・ド・フランスにヤコブセンが出場、メルリールはグランツールを回避。しかし、シーズン10勝を挙げてみせ、落車負傷でツールを途中で去ったうえにチームCEOのパトリック・ルフェヴェルとの確執も噂されたヤコブセンをしのぐ存在となった。

◆初のヨーロッパ王者に

2024年は早くからツール出場を熱望。「平坦区間の牽引でも何でも与えられた役割はこなす」と宣言していたが、結局はジロ出場へ方針転換。ステージ3勝を挙げて、しっかりと本来の仕事を果たした。

その後はワンデーレースや短めのステージレースにフォーカスし、秋にはヨーロッパ選手権ロードレースを制覇。ヤスペル・フィリプセンとの役割分担が不明瞭なままレースに臨んでしまったが、スプリントに限れば文句なしの勝負強さだった。

ティム・メルリール

©PHOTOGOMEZSPORT2019   ©A.S.O./Charly Lopez


戦績

レース・結果
2018年デンマーク・ルント ポイント賞
2019年国内選手権ロードレース優勝
ツール・アルザス ポイント賞
デンマーク・ルント区間優勝
オンループ・ファン・ヘット・ハウトラント5位
2020年 ブリュッセル・サイクリング・クラシック優勝
ティレーノ〜アドリアティコ区間優勝
ツアー・オブ・アンタルヤ区間優勝
オンループ・ファン・ヘット・ハウトラント5位
2021年ブレーデネ・コクサイデ・クラシック優勝
ル・サミン優勝
ロンド・ファン・リンブルフ優勝
ドワーズ・ドール・フラーンデレン3位
2022年 クラシック・ブルッヘ〜デ・パンネ優勝
ノケル・クルス優勝
ティレーノ〜アドリアティコ区間優勝
国内選手権ロードレース優勝
2023年 ツアー・オブ・オマーン区間1勝
UAEツアー区間3勝&ポイント賞
パリ〜ニース区間1勝
ノケル・クルス優勝
4ジュール・ド・ダンケルク区間1勝
ツール・ド・ポローニュ区間2勝
グランプリ・ド・フルミ優勝
ツール・ド・スロバキア区間2勝
2024年アルウラー・ツアー区間2勝&ポイント賞